第396話 まだまだ語りたい

 いや、昨日タロウの話を書いたじゃないですか。

 ちょっとまだ語り足りないなって思いましてですね。違うんですよ、ネタがないとかじゃないんです。ないわけじゃないですけど、じゃあ他にいま何か別なの出せんのか、って言われると……まぁ、ねぇ……。


 タロウですね、久しぶりに見たんですよ。息子がちょいちょい借りては来るんですけど、最近はずっとゾロリでしたし、今回は仮面ライダーV3でしたし。ウルトラマン周期、ライダー周期、ゴジラ周期、アニメ周期って感じなんです、息子のDVDレンタル事情。


 というわけで、タロウを夜な夜な見てるわけなんですが、やはり昭和は良いですよ。何が良いってアナタ、展開がスピーディーかつ力業。えっ、それはなくない? って突っ込みを恐れない恐れない。


 まずタロウの中身である『東光太郎』の登場シーンもかなりのパンチが効いています。知り合い(知り合った?)の船長さんに船に乗せてもらい、日本へ帰国するわけなんですが、まだ港に着いていないというのに、ザパーンと海に飛び込むわけです。ちゃんと正規の手続きで乗せてもらってると思うんですよ。船長さんがOK出してるわけですから。にもかかわらず、港の手前でザパーンですよ。完全に密航者の下船方法ですから。「ああっ、光太郎君!」って船長の驚きもごもっともです。まぁ、本当に密航者であれば、見つかった時点でアウトなわけですから、最後にきちんと挨拶をしたということは、やはり彼はちゃんと乗船の手続きくらいはしていたはずなんです。良かった、後のヒーローが犯罪者とか、シャレになりませんからね。


 と思ったらですね、光太郎さん、船長に向かって大きな種を見せるわけです。


「船長さん、この種はもらっていきます!」


 ここでまさかの窃盗ですよ。

 まだ「種、ありがとうございました」であれば、もらったやつなのかな、って思えたんですが、「もらっていきます」って言っちゃいましたから。何やってんだ光太郎さん。


 そんで、彼は宿無しのプー太郎(船長さんからウチに泊ればみたいな申し出があったのに断った)なので、公園で寝泊まりです。いくら昭和がおおらかな時代だったとはいえ、後のヒーローがホームレスですよ。なんやかんやでZATという地球防衛チームに所属して、結局その船長の家に下宿することになるので、まぁ結果オーライなわけですが。

 

 ちなみに、船から盗み出したその種はそれはそれは大きな怪獣へと育ちました。後のヒーローが平和な街に怪獣を差し向けるんですよ。何やってんだ、光太郎さん。まさに自分の蒔いた種。誰がうまいことを言えと。


 あと、いまのウルトラマンのことは一切わからないんですけど、昭和のウルトラマンっていうのは基本的に正体を明かすことはNGなわけですよ。科学特捜隊しかり、ウルトラ警備隊しかり、MATだTACだZATだとそれぞれの地球防衛チームに所属するわけですけど、隊員達にも基本内緒なわけです。だから、怪獣が現れると、どうにかして変身して戦うわけなんですが、その間、人間体の方は行方不明なわけですよね。「おい、東がいないぞ」「東ー!!」「東隊員ー!!」って皆大慌てですよ。何せ怪獣が暴れ回ってるわけですから。


 そんで、ウルトラマン的なヒーローが現れてどうにか撃退すると「オーイみんなー!」なんつってのこのこ現れるわけです。私、これがいつも不思議でですね。


「どうしてここの人達は毎回毎回怪獣がいなくなってからひょっこり現れる人を首にしないんだろう」って。


 皆が戦闘機に乗ってヒーローを援護したり、レーザー銃みたいなのをガーガーやってる時、彼は何もしてないことになってるわけですよ。いや、実はどこかで仕事をしているかもしれないですけど、完全に命令違反ですからね。お前、ここにいろっつったろ。何で丸腰で飛び込んでいくんだよ。そんで行方知らずになってるわけですから。減俸や謹慎、あるいは首になってもおかしくないのになぁ、って。


 だけれどもそこが良いわけです。

 そういうのをきっちり辻褄が合う感じにしてしまったら逆に面白くないのですよ。ヒーローの戦いはやっぱりどこか孤独でなくては!!


 いやはや、ついつい熱くなってしまいました。

 やはり特撮は良いですね。

 そんなわけで今日もタロウを見ます。

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