第392話 ちぢむの!?

 大学生かよ、って思うくらいのロングロングスプリングバケーション真っただ中の息子君と、休日を過ごしている私です。私は平日に2日お休みがあるタイプなので、もちろん、そういう時は学童には行かせません。安全と思われるお家から一歩も外へ出ずに過ごしていると、そういうわけです。まぁ、家の前で遊ぶくらいは良いんでしょうけども。


 さて、学校はお休みですけど、勉強から解放されるわけではございませんので、学校から「これ、春休み中にヨロシクな!」と丸投げされたドリル(授業で使う予定だったやつ)やら、自学ノート(秋田では小1から毎日自学ノートがあるようです)やらをもりもりとやらせなくてはならないわけです。それでもやっぱり学校みたいに『途中途中休み時間を挟みつつも基本的にずっと勉強』みたいなのって無理じゃないですか。なので、とりあえず午前と午後に分けて2回勉強するようにしているわけです。


 しかし、当然時間が余る余る。

 息子君は日がな一日大好きなお絵描きをしたり、家にあるDVDやらHDDに録画したテレビ番組を見たり、あと、工作をしたりしています。

 

 さてそんなスーパーインドアクリエイターの息子君が、「ママー」と何かを持ってきました。何だ何だと、その小さな手に握られているものを見ると――、って、そうそう、小さな手といえばですよ。さすがにまだまだ私の方が大きいんですけど、息子の靴がとうとう20センチの大台に乗りまして、私、再来年くらいにはもう越されちゃんじゃないか(22センチ)と、ハラハラしているところでございます。


 で、そうそう、握られていたものですよ。あいつです、あいつ。

 数ケ月前に学校行事の中で行った科学館で買ってきた『水につけると600に大きくなる恐竜』です。こいつ、しばらくは水栽培といいますか、500㎖くらい入る瓶の中に水を入れて飼ってたんですけど、「これは確実に600%以上だな」と思われるくらいにまで育ったので、中から出したのです。人間もそうですけど、急激な成長って身体に負担がかかるんですね、600%も大きくなった彼の皮膚はところどころに裂け目が生じ、「ああ、そういや息子が腹の中に入っていた時、私の腹もこんな感じになったっけなぁ」みたいなことまで思い出してちょっとしんみりしたりして。


 そんなこんなで大きくなった例の恐竜君ですね、その大きさを保つためにも水はマストだったらしく、我々のあずかり知らないところでひっそりと縮んでしまっていたらしいのです。

 ああ、こいつは水の中で生きるタイプの恐竜だったんだな、というわけで、彼はまたも瓶の中で飼育されることが確定しました。


 いや、これ縮むやつなの!?

 水の中で楽しむやつだったの?!

 ごめんな、ママが無知なせいで。


 ちなみに息子君の先日の作品は『炎(それっぽい形に切り取った紙をひたすら赤とオレンジで塗ったやつ)』でした。それと折り紙で折った何らかの生物、それから音の鳴る武器を持ってパパの元へ行き、「僕がこれでバーンって撃つから、そしたら、パパは最後これで爆発して」みたいな打ち合わせをして遊んでいました。さすがは我々の息子。特撮(特に爆発炎上)に興味があるようです。



 

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