第364話 天性のやつ

 今季は東北もずっと雪が降らなくてですね、おいおいどうなってんだ地球と思ってたんですけど、2月始まってもさもさと降りましたね。

 まぁ私なんかはハンドルも握りませんし、職場も歩いていける距離にあるもんですから(むしろそれだけで決めた)、全然問題はないわけです。むしろやっぱり冬はこうでねぇと! くらいに思っているわけですよ。

(※もう融けましたけど)


 そんでもちろん子ども達はウッキウキでして、昨年&1月は一度も登場の機会がなかったツナギを毎日装着してですね、無敵モードで登校&登園ですよ。そんでもうほっぺ真っ赤っかにして帰ってくるわけです。


 子どもって雪大好きですよね。お休みの日なんかは、彼らの予定の中に『雪遊び』がナチュラルに組み込まれてまして、いやほんと旦那も休みで良かったな、と。ママはね、雪は大好きなんだけど、雪で遊びたいわけじゃないんだ。温かい部屋の中から、「ククク……吹雪いておるわ……!!」ってやるのが好きなの、わかる? わかるわけねぇわ。


 そんなこんなで雪遊びといえば、旦那が雪掻きをして集めた雪で雪だるまやら雪山を作って滑る感じのが宇部家の定番なわけですけれども、私が温かい部屋でコーヒーを飲みつつだらだらしておりますと(最低な母)、旦那から画像が送られて来るわけですね。


 内容はもちろん雪と戯れる子ども達。雪だるまと共ににこにこと笑ってるとか、山を滑ろうとして失敗しているお尻とか。うんうん、可愛いねぇ、なんて思って見てたんですけど、ちょっと違和感があるんですね。


 何でどの画像も娘だけはカメラ目線なんだろう、って。

 たまたまかなぁって思ってたんですけど、さらに数日後、今度は実家の方でも雪遊びしてまして、またまた旦那からLINEが来るわけです。

 

 ただ、今回は雪遊びをしたのは娘だけのようで、息子は室内で工作をしていたそうです。なので、送られてくる画像は100%娘です。娘のみ。


 雪だるまー、いえーい、の顔も。

 すってんころりん、転んじゃった☆、の顔も。


 もうとにかくカメラ目線。

 何これ、旦那の写真上手すぎるのか、娘がすごいのか、これどっち!?


 と思いまして、とうとう聞いたわけですね。ちょっと全部カメラ目線だけど、どうなってんの? と。


 すると、こんな答えが返ってきたんです。


旦那「あのポーズね、全部娘の仕込み」

宇部「えっ? あの転んだ感じのやつも?」

旦那「やつも」


 まさかのオール娘プロデュースだったわけです。あいつ、撮られ慣れてる。慣れすぎてる。こんなポーズどう? ってモデルさん自ら提案してくる。自分から動けるタイプのモデルに仕上がってる。

 

 その点息子はまだまだ普通に可愛い(恰好良い)だけのポーズといいますかね、割と定番なんですよ。笑顔でピースばっかり。ところが娘の方はまるでアイドルの写真集のよう。ああもうこれ天性のやつだわ。娘、モデルになるんだわ。ほっぺまんまるでも務まるのかしら、モデルって。


 まぁ完全に何言ってんのこの馬鹿親って感じなんですけどね。何ていうかあれです。今日も最高に可愛かったです。あざとくて。

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