第279話 引っ越しの罠

 皆さん、引っ越しってしたことあります?


 私、実家にいた頃はまぁ転勤とは無縁の生活を送っておりまして、高校卒業後、進学するために家を出たんですけど、今回お話したいのは、こういう県(道)内での移動ではなく県をまたぐ、あるいは海峡をまたぐタイプの引っ越しについて。


 このエッセイの中でも、たぶんちょいちょい私が引っ越ししているってのを書いた気がするんですが、まぁしましたね、引っ越し。20代~30代前半はもうとにかく引っ越ししまくってました。


 22歳就職(札幌)スタート

 ↓

 23歳異動(秋田)

 ↓

 ?歳異動(青森)

 ↓

 ?歳異動(盛岡)

 ↓

 ?歳異動(仙台)

 ↓

 ?歳退職(秋田)←イマココ


 ?歳となっているのはぼかしているっていうのもあるんですけど、何年滞在してたのかちょっとあやふやだったものですから。

 とにかくまぁこんな感じで引っ越ししまくってました。ちなみに、旦那と出会ったのが23歳の頃の秋田です。会社にお付き合いしていることを申告すると、異動も(なるべく)一緒にしてくれるんですね。たぶん異動先が東北だったからだと思うんですけど。関東のカップルは埼玉と千葉とかになったりするみたいです。近いから良いでしょ? みたいな。東北だとそうはいきませんからね。


 さて、異動ですけれども3月に辞令が出まして、月末にお引越しの、4月1日付けで赴任ということになるわけなんですが、問題は住むところ。まぁ問題はそれ以外にも荷造りやら何らやっていうのはあるわけですが、それは何とかなるとしても、住むところが決まらないことには、新生活も始まらないわけです。


 その物件情報がですね、新しい赴任先から送られてくるんですよ。「こんなんありますけど、どうですか~(何としてもここから選べや)」って。2、3件用意してくれれば良い方で、下手したら、「これしかありませんでした(ハァト」のパターンもありますから。


 で、それでもまぁ別に定住するわけじゃないしー、って選ぶわけですよ。どうせ住めば都なんですから。


 

 が! 事件は起こったわけです。

 私ったらエッセイ書く前からネタに愛されまくってんすよ。


 あれは、息子が産まれて初めての引っ越しでした。

 この時点では何年そこに住むかなんてわからないわけですから、数年住むことも想定して広めの家族用物件を用意していただきました。本当は1階が良かったんですけど、さすがはファミリー用物件、1階は別のファミリーで埋まっています。


 まぁ息子が歩くのはまだまだ先だろうし(甘い考えでした。人間は1歳程度でよちよち歩き始めるのね)、いっかぁ、なんてのんきに考えて、さていよいよ荷物の搬入です!



 はい、洗濯機が入りません。

 そんなことある?

 

 いや、玄関には入ったんですよ。さすがにね。ただ、その洗濯機を置く場所、脱衣所なんですけど、そこの入り口に入らない。角度を変えても何しても、もう絶対に入らない。物理的に無理なやつ。


 ちょっと待ってくださいよ。

 ここ、ファミリー用なんでしょ? ウチの洗濯機、そんないうほどファミリー仕様でもないよ? ドラム式とかでもないし。


 割と買ったばかりだったんですけどね。

 お洗濯が終わるとそれはそれは素敵な歌声を聞かせてくれるタイプで。

 だけど、入らないんですもん。

 泣く泣くその子を手放して、もう一回り小さいやつを買いましたわ。いまも使っているこの子はですね、まぁー大人しい子でして、ピーとしか言ってくれないんですよ。あの歌姫がちょっと恋しい。


 もうよほどのことがない限りさすがに引っ越しはありませんけどね、もし今後子ども達が引っ越しをするとなったら、この経験を活かしてさんざん口を出しまくってやろうと思っています。



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