第267話 男子力って何ぞや

 ふと思ったんですよね。

 女子力ってよく聞くやつだけど、男子力って何なんだろうって。私のスマホ、一発変換出来ないんですけど。


 まぁぶっちゃけ女子力の方もいまいち『これとこれだよ!』みたいな明確なのはないような気がしますけども。

 いまはあんまり男らしさとか女らしさとかそういうのを言ったりすると、やいやい騒ぎ出す人がおりますが、でもまぁこの『○○力』ってつまり『THEその性別』みたいなやつですよね。


 女性なら、大皿から取り分けるのが上手いとか、指先までしっかりお手入れしてるとか、あと絆創膏とかソーイングセットを持ち歩くとか?

 そんでもって、ハンカチ&ティッシュはもちろんとしても、それについても名前の刺繍の入った絹のハンカチーフに、ティッシュもカラオケとか居酒屋のチラシが入ったやつじゃなくて当然のように鼻セレブだったりして、おまけに剥き出しじゃなくてちゃーんとティッシュカバーにINしてるとかね。そういうやつでしょ?(偏見)


 とまぁ、女子の方については何となくでもそんな風にイメージ出来るんですけど、じゃあ男子力って何よ、って話なんです。


 例えば、背が高くてお金持ちでー、なんていうのは除外します。体型に言及してしまったら女子力の項目の中におっぱいのサイズも入っちゃいますから(おっ、戦争か?)。お金に関しても、男子力とイコールじゃない稼ぎ方のパターンもあるでしょうし。


 と、いうわけで。


 偏見に満ち満ちた私の考える男子力はですね。


【能力編(女子でいう取り分けスキル)】

①軽~普通車のタイヤ交換が出来る

②BBQで火をおこせる

③電化製品の接続が出来る


【持ち物編】

①何でも尻ポケットに突っ込む、むしろ鞄なんていらない

②でもベルトループに十徳ナイフをカラビナでぶら下げてる



 あとはまぁ、THE男子、と言われるとやはりムキムキマッチョが浮かびますね。たぶんその辺は女子におけるお肌のお手入れですとかネイルの部分に該当するのでは、と。


 さぁどうでしょう。

 これが私の考える男子力です!


 だから合コンとかでね、男子力を見せつけてやろうと思ったら、まず開催場所は河原とかになりますよね。この時点で私は不参加です。アウトドアなんてもっての他ですし、そもそも私既婚者ですから。


 ここからは高男子力男子になったつもりでお読みください。


 さて出発です。

 当然のように車のタイヤがパンクしますので、あなたはそれを上手いこと交換します。もう同乗している女子はメロメロですし、他の男子も「やべぇこいつ男子力たけぇ……」と感心しきりです。こんなことならウチのトルクレンチ持ってくれば良かった……と地団駄踏むこと間違いなし。サッと取り出したJAFカードを握りつぶして悔しがる者も出てくるでしょう。


 さぁ河原についたら早速BBQです。それ以外のアクティビティはありません。何せあなたの持ち物は財布とスマホと十徳ナイフのみですから、そんなチャラついたものは持ってきていないのです。決して私がアウトドア経験が乏しいために屋外のアクティビティって何ぞ……? とかそういうことではありません。決して。


 さて、あなたは慣れた手つきで火をおこします。

 放火魔もかくやという手際の良さに、「私のハートにも火をつけて」などと言いながら近付いてくるヤバめの女子も現れるでしょう。地雷臭がぷんぷんしますので、テイクアウトはお勧めしません。


 さて、宴もたけなわではございますが、そろそろお開きとなりました。


 しかし!

 ここで問題が勃発!

 どんなトラブルにも対処出来てこそ真のおとこです。ファイナルミッションスタート!!


 焦げ焦げになってしまった鉄板や焼き網をきれいに洗えるよう、高圧洗浄機を持ってきたのに電源がない! と女子力をはき違えた女子が泣いてしまいました。さっきの地雷女です。当たり前です、河原に電源はありません。


 しかしあなたは、こんなこともあろうかと、などと言いながら、自慢の愛車(ランドクルーザーとかそういうやつ。プリウスではない)から発電機を取り出すのです。出来る男はありとあらゆることを想定するものです。鞄は持たない主義の癖に車の中には色々入っています。もしもの時のためにバールのようなものも常備しているため、警察にとめられたらアウトです。

 

 そして、その発電機で高圧洗浄機を稼働させ、BBQ合コンは無事に終了です。


 もう女子はあなたの男子力にしびれまくってますし、男子からは明日以降『男子力モンスター』と呼ばれるでしょう。


 途中から「これ絶対違うな」と気付きましたが、もう後には退けませんでした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る