第242話 叫ばないでもらえます?
私、いまでこそ結婚して佐藤鈴木田中レベルの名字をゲットしましたけど、旧姓はまぁ珍しいやつでして。
実家の方でも2軒のみ。で、そのもう1軒はいとこの家だったりして。
親戚以外で会ったことないんですね。でも、調べてみたら、もちろん親戚以外にもいるんですよ。政治家だかスポーツの選手だかにもいて、もしかして親戚!? なんてドキドキしましたが、まったくの無関係でした。
さて、そんな名字だったもので、例えば小説や漫画、アニメの登場人物なんかでも出てこないんですよ。『
佐藤鈴木田中系の友人は、小説に出てきたりしてドキドキしたとか、二時間ドラマの犯人役だったとかでブーブー文句いってるんですけど、こっちはその土俵にすら上がれてないわけです。
ちなみに結婚してからは何なら同姓同名さんにもちょいちょい遭遇します。主に病院で。名前呼ばれて「はーい」って行ったら、ご年配のレディも「はーい」って。あらあらどうぞどうぞ、ってね。どうぞどうぞじゃねぇわ。
しかし、数年前のことなんですけど、アニメ作品でですね、出会ったんですよ。私の旧姓のキャラ!
というか、厳密には私の旧姓が下の名前のキャラです。さすがに詳しくは伏せますけど。
例えば、私の旧姓が『
まぁとにかくこういう昔の人の名前にありそうな名字なんですよ。
そんでまぁこの『田中伊周(仮)』がまぁ嫌なやつでして。
「貴様ァッ! 伊周ァァァァ!!!!」
「よくもよくもォッ! 伊周ァッ!」
こんな感じのがごーろごろ。
基本、「駄目だぞ、伊周? メッ!」みたいなライトな叱責じゃないといいますか、てめえ殺すぞみたいなレベルといいますか、そんな感じのとんでもない野郎でして。
まぁドキドキですわ。
普段、そんな風に名前叫ばれたりしませんから。バレーの応援とかならまだしも。私バレーなんてやるわけないですし。
成る程成る程、佐藤鈴木田中の人達は常にこういう気持ちを味わっていたんだな。もう自分が怒られてるみたいでグサグサきます。何ならストーリーが頭に入ってこねえレベルで。
レンタルしたやつだったんで、ちゃんとストーリーを理解するまで何度か見ることになったんですけど、その度にめちゃくちゃ怒られるわけですよ。「キエエエエエエ!!!」みたいなレベルで叫ばれつつ怒られるんですよ。何かもう生きててごめんなさいですよ。
ちなみに、下の名前も下の名前で、読みは普通なんですが、例えば『ナミ(仮)』とか。でも、これまた漢字が『七見(仮)』とかそういう組み合わせだったりして、一発で変換出来ないわけです。
何が困るって書類関係。
結構な確率で間違ってる。あのーすみません漢字が~、って持っていくことになるわけです。
新しいクラス、新しい職場、環境が変わる度に訂正して回らないといけないという。
いまは名字に関しては何の不満もないわけですが、名前はね……こればかりはね……ふふふ……。
あと、その例のアニメ(私の旧姓キャラが悪人)、すごく好きなやつだったんですけど、もう見れないです。心臓に悪くて……(笑)
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