第217話 三次元のドジっ娘
ドジっ娘って可愛いじゃないですか、二次元の。「いっけなーいっ☆お砂糖とお塩間違えちゃったー!」とかね。
でも、砂糖と塩ってそうそう間違えますかね? むしろどうやって? って思いつつ、あれ間違えるってさてはおしゃれな保存容器(統一感を持たせるために同じやつ)に入れて、ラベルも『sugar』『salt』なんて英語で書いちゃったりして、しかもそれが筆記体だったり(正直なところ、私はパッと読めない)するんじゃないの? 物事には必ず原因があるのよアナタ! なんて思いつつ。
可愛い可愛い二次元の女の子にね、そんな突っ込みを入れちゃうとか、もう嫌なおばさんですよ。新人OLをいじめるお局様ですよ。髪の毛はお団子に結ってて、あの三角みたいな形の眼鏡かけてますねこれは。
まぁぶっちゃけ、ウチの砂糖と塩もお揃いの容器(100均)ですけど、がっつりとラベルに『砂糖』『塩』って書いてます。そこにおしゃれの入り込む余地はない。何ならそれもちょっと剥がれかけてます。おしゃれポイント減点ですよ。剥がせるシールにしちゃったのが敗因ですね。
で、中に軽量スプーン入れてるんですけど、塩の方には小さじ、砂糖の方には大さじと小さじ。砂糖は大さじの出番が結構あるんですけど、塩で大さじ使うのはウチの場合枝豆茹でる時(つまり夏くらい)くらいなので、小さじでがっしゃがっしゃやってます。
というわけで、間違えて手に取っても、蓋を開ければわかるシステム。三次元のドジっ娘としてはこれくらいの予防線を張っときたいところ。
三次元のドジっ娘、許されるのは20代まで。
と、私は思っているわけです。少なくとも私のようなおばちゃんがドジっ娘で良いわけがない。ていうかそもそもドジっ娘の『娘』部分がおこがましいわけでして。かといってドジ
とまぁそんなこんなでどうにか『ドジ』の部分を回避して生きていきたいところなんですが、これがどうにももって生まれた性質というのでしょうか、そういう星のもとに生まれてしまったんでしょうかって最早『生まれ』の方に原因を求めたくなるくらい『ドジ』がやって来るわけです。『ドジ』の方からやって来る。やってる? って暖簾くぐって来る。最近どう? 元気だった? ってこちらの許可もなしに隣の席に座ってくるのです。
詰め替え用ですよ。
安いとついつい買ってしまいます。
で、旦那が言うわけですわ。
「柔軟剤の詰め替えある?」って。
毎回味噌を買い忘れる私でも(なぜか調味料関係はすぐ忘れる)、柔軟剤なら、洗濯洗剤関係は任せとけと言わんばかりに胸を張って「あるよ!」と返します。
「どこー?」
「いつものとこだよー」
この辺でおかしいなって思うわけなんですよ。
だってもう長い付き合いですから。私が買い置きあるって言ったら、しまうのはいつものところなんですから。それは旦那もわかってるはずなのに「どこ?」って聞いてるわけですから。
「ないんだけどー」
ないわけないんです。買ってきた記憶もあるし、こないだ別の詰め替え出した時にその姿を確認してるんですから。
「えー? あるよ絶対。買ってきたもん」
そんなことを言いながら洗面所に行くわけです。洗面台の下にしまっているので。そこをパカッと開いてガサッと取り出し、ヘイヘーイ、ユーの目は節穴かい? って旦那の目の前にね、突きつけてやりましたとも。
奴さん、鳩が豆鉄砲食らったような顔をしてね。
「これ、ファブリーズ」
フ ァ ブ リ ー ズ !
柔軟剤じゃねぇ!!!
膝から崩れ落ちましたよね。
私ずーっと、何ならこれを買った時からずーっと
しかもね、ウチ、そのファブリーズの本体ないの。そもそも使ってないの、ファブリーズ。使ってもいないファブリーズの詰め替え買ってるの私。節穴なの私の目なんですよ。妻がね、自信満々に違うやつ突きつけてるんですよ。そりゃ豆鉄砲食らいますわ。
もうね、豆鉄砲でも水鉄砲でも撃ってくれと思いましたよね。
柔軟剤はね、買いにいきました。旦那が。
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