第198話 モチの子
さぁさぁ困った困ったネタがない。
そんな時は家族に助けてもらうに限る。助け合いの精神がこんなところにも……!(ホロリ
子どもって、大人の話に混ざりたがるじゃないですか。
息子の方はスーパーマイペース太郎なもので、「俺は俺のしゃべりたい時にしゃべる(実際は『僕』)」みたいな感じなんですけど、娘がね。もう混ざりたい。なになに? なんのお話? あのねぇー、わたしねぇー、きょう、ほいくえんでねぇー、ですよ。
ちょっと待って、一旦ストップ。それは後でちゃんと聞くから。インタビュアーさん向かわせますんでね? ちょっといまは大人の方で話をさせて?
とはいえ我々の話なんてそんなに大事なことでもないんですけどね。町内会の何たらとか、学校行事の何たらならまだ良い方で、本日のドタバタハプニング報告や、今期のライダーがどうこうだとか、そんなパターンもあるわけです。でも、何ていうんでしょうかね、勢いっていうか、この話は終わりまで一気に駆け抜けたいの! みたいなのあるじゃないですか。例え可愛い娘でもね、ちょっと一旦待ってくださる? ってなもんですよ。
そんなわけでちょいちょいと割り込んでは怒られて待たされ……を繰り返す我が家のアイドル娘ちゃん。パパとママのお話が終わるまでお人形遊びをして時間をつぶすことにした模様。
手に持っているのはライダーとか怪獣のソフビです。なぜ女児向けの人形じゃないんだ、って? いえ、あったりするんですけどね、結局使うのは兄さんの方のおもちゃなのですわ。
よし、とりあえずこれでこちらの話に集中出来るぞ、と思いつつ、まぁ大して重要でもない話題で盛り上がっておりますと、聞こえてくるわけですよ、娘のお人形遊びの声がね。
イラッシャイマセェー、ゴチュウモンハナニニシマスカー?
お店屋さんごっこのようです。
旦那も娘の様子をちらりと見つつ、「可愛いなぁ」と頷いています。
オマタセシマシター、コチラ『シットリモチ』デスー。
だいぶ盛り上がっているようなので、しばらく放っておいても大丈夫でしょう。大人の(エロいやつじゃない)トーク再開です。
ワァーオイシソウー!
コチラノ『シットリモチ』ハトッテモオイシイデスヨー。
ジャア、ソノ『シットリモチ』トー、アトハナニニシヨウカシラー?
コチラ、『ペッタラモチ』。コチラハ『ニッタラモチ』デス。ソレカラ、『ノッタラモチ』トー、『カッタラモチ』トー、『シットリモチ』トー……
もうこの辺で限界がきましたよね。
モチ、多くない?!
モチ屋さんなの?!
あと『しっとりモチ』2回言ってるよ、店員さん!
そもそも『しっとりモチ』って何よ。おモチにしっとりの要素って何よ。でもまだ『しっとりモチ』までは良いや。その他のやつ!!
「娘ちゃん……、その『しっとりモチ』って何?」
思わず尋ねましたよね。
普段は大人の会話に入ってくるんじゃないよ、って言ってる側が、入ってきちゃいましたよね、娘のワールドに。
「『しっとりモチ』はねぇー、しっとりしてます!」
だろうな!!
「じゃ、じゃあ『ぺったらモチ』って何?」
「『ぺったらモチ』は、ぺったらしてる」
「おう……。じゃ、『にったらモチ』は?」
「にったらしてる」
ぺったらとにったらの説明が雑!! お前は私か! 違うな、私の子だ!
いや、ぺったらは何となくわかりますよ?
平べったいことをぺったらこいって言いますから。北海道の方言みたいですけど、東北でも使うのかな? とりあえず、私が使うので、宇部家では通じます。
にしても、『にったら』はよ!!
いやぁこれもね、ある意味ネタの泉から出てきたやつですからね? ウチの異世界グルメ旅行記で使えないかなぁって一瞬思ったんですけど、難しいなぁ~。
しかし娘はなぜいきなりモチをこんなに登場させたんだ。 食べたいの? モチみたいな頬っぺたしてからに!!
と、頬っぺたをふにふにしている現場からは以上です。
ヤバい、200話が全然浮かんでこない……。
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