第145話 ひびきがこだまする

 いや、大木こだまひびきさんのお話ってだけなんですけど。


 私ね、何でか好きなんです『大木こだまひびき(以下OKH)』さん。師匠って言わなくちゃいけないのかな。何かそういう風潮ありますよね。大御所の芸人さんには『師匠』ってつける、みたいな。いや、私の師匠じゃないんだけど、って思うので一応つけないでおきます。弟子にしていただいたら、その暁には師匠と呼ばせていただきますけど。


 それはおいといて。


 いや、そのOKHさんが好きではあるんですけど、そういう大御所さんってTVでなかなかお目にかかれなくないですか? もしかしたら関西のTVなら違うのかもしれませんけど。 

 何か、お正月の朝にやってるお笑い番組くらいでしか見られなくて、『笑ってはいけない○○24時』と並ぶ年末年始の楽しみだったんですよ。


 6年前のことです。


 その時私は第一子である息子を身ごもってまして、何月だったかはもう忘れちゃいましたけども、とりあえず胎動があるくらいの時期でした。


 うすぼんやりと、OKHさん来年は出るかなぁ、なんて思いつつ、だけれども予定日が1月5日で、もしかしたら元旦に産気づくなんてこともあるだろうし、見てる場合じゃないかも、なんて思いながら過ごしていた時のことです。


 妊婦なのであまりアクティブに動き回ることも出来ず――というか、そもそも私にアクティブな要素はないんですけど、まぁとにかく暇だったのでTVをつけたんですね。


 で、番組欄を表示させたわけです。新聞とってないものですから。


 そしたらね、何かお笑いの特番やってたんです。2時間くらいの長いやつ。番組欄に出演者がずらーっと載ってるんですけど、なんとその中にOKHさんが!


 これは見るっきゃない。

 正月に会えないかもしれないんだから、これは見るっきゃない。


 ただ問題がありまして、番組開始から結構な時間経ってるんですよ。もう出番終わったかもしれないのです。


 そこでふと考えたわけです。


 もし今日この後OKHさんが出て来たら、正月に見られない分を息子が見せてくれたとか、そういうことだったりして、と。


 つまり、元旦はそんな番組を見ている場合ではなくなっているぞ、という。


 まぁ我ながら何考えてんだって思いましたけどね。



 ただ……、的中したんですよね。


 その後すぐ、何ならCM明けすぐくらいにOKHさんが出て来ましたし、以前このエッセイでも書きましたけど、私、年末に産気づいて、さらに骨盤がああだこうだってなって帝王切開してるんですよ、1月2日に。ほんとに見てる場合じゃなかった。

 

 マジでそんなことあるのかよ、赤ちゃんってすげえ、って震えました。将来預言者とかになっちゃうんじゃないかと。スピリチュアル太郎になっちゃうんじゃないかと。私、聖母マリア様なんじゃないのかと。ここは馬小屋だったのかと。


 ちなみに息子は、私が布施明様の『少年よ(仮面ライダー響鬼ひびきED)』を聞いている時にとんでもない強さの蹴りを腹の中でかましてきまして、もしかしてこの子も布施明様が好きになる……? と、ドキドキしましたが、いまのところそこまでハマってはいないようです。

 

 いま書いてて、あっ、『ひびき』繋がりで!? とか思いましたけど、そんなわけもないですね。

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