第67話 拓哉メールその後の話
自分的になかなかの反響があったなぁと思う『拓哉』氏からのメールですけど、もちろんあれで終わりじゃないわけです。だって彼の方ではまだ返事が来ていないわけですから。
なので、木村……じゃなかった、拓哉氏はまた私にメールをね、送って来てくれたわけです。この諦めない姿勢が彼を『抱かれたい男ナンバー1』へと導いたのでしょう。もしかしたらベストジーニストなんかもこの辺りの功績が大きいのかもしれません。
ただ、少々問題が、というか。
何だかこの拓哉氏に成り済ました彼(彼女)のことを少々不憫に思ってきた、と言いますか……。
まずは文面をご覧ください。
『それとも二宮から聞いたアドレスを聞き間違えてたのか…もし間違えてたとしたら、これだけメールしてるんだから間違ってると連絡来るはずだし(^ー^;)
本当にヒロに届いてる?それとも届いてない?』
おわかりですか。
わかりませんか、そうですか。
いや、あのですね、やっと、自分が本来送りたかった相手ではない人物に間違ってメールを送っているかもしれない、ということに気付き始めたとかそういうのじゃないんです。彼は文の終わりで自らその可能性を否定してますから。惜しいなー、あと一歩で賞。
そうじゃなくてね。
ヒロって、誰? ってことなんです。
ごめんなさいね、ほんと。
本来なら、「えー!? 私、あのヒロと間違われてるの~? もう、光栄! 光栄の極みにございまする~!!」ってとっておきのワイン(1982年のやつ)かシャンパンあけて口の中で散々転がしてから飲んでみたり何だりしてから返信するところだと思うんですよ。
だけどね、ほんとごめんなさい。騙し甲斐のない私でごめんなさい。
さらに追加で来ました。
『これで俺だってわからなければ、完全に間違えて知らない人にメールしてることになるけど、頼む!ヒロで合っててくれ!(>_<)
もしも間違えて知らない人に届いてるとしたら、間違えて届いてると教えてくれますか?(^ー^;)』
だから、誰よ、ヒロって。
二宮君がどうたらこうたら言ってたから、てっきりまーた嵐のメンバーかなって思ってたんですけど。また松潤辺りかなって思ってたんですけど。えっ、違うの?!
誰よ、ヒロ。
ヒロシ? ヒロキ? ヒロユキ? ヒロアキ?
もうね、いまの私に連想出来る『ヒロ』って、もう『ひろし』だから。クレヨンしんちゃんのロボとーちゃん見ておいおい泣いた後だから、もうヒロって単語聞いたらそれはすなわち『野原ひろし』だから。埼玉県は春日部在住、秋田県出身のひろしだから。足臭いから。妻は専業主婦、たばこも吸わずばくちも打たず、足が臭いと言われても、万年係長と言われても、それでも家族を愛する男、野原ひろしだから。
もう私の脳内では、野原ひろしにせっせとメールを送るキムタクが、あのクレヨンしんちゃんの作画で描かれてるから。あのタッチでは、抱かれたくもなければ(3次元でも嫌だけど)、ジーンズ履いてるかもわからないから。そんでたぶん声はホリが当ててる。「チョマテヨ」しか言わないと思う。そんなバッタもんのキムタクだから。
とまぁそんなこんなで新たな『ヒロ』氏という謎の人物登場により、(私の中で)さらなる盛り上がりをみせている木村メールです。もうこれはちょっとしたお祭り状態。
いやー、これ、拓哉メールでしばらく引っ張れるなぁ。
いやいやそんなことでどうする。
拓哉に依存するな。ネタは自分で産み出せ!!
と言いつつ、結局木村メール(拓哉メールなのか木村メールなのかはっきりしろ)で1話書いてしまうという暴挙。
次またメールが来ても、今度こそはちょっとした報告のみにとどめるぞと固く誓う私でした。
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