応援コメント

第十二譚 この町に《春》はこない」への応援コメント


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    「鈴を割るような声」
    素晴らしい表現だと思いました。小さな体から発せられるクワイヤの声が聞こえてくるようです。

    「屋根から雪が落ちたのかと思うほどに」
    これも驚きました。雪国に暮らす彼等ならではの感性で、異世界の人達なんだなぁ、でも何となく分かるなぁ、と感じました。

    「春など知らずとも生きて は いける」
    めぐる季節と、過ぎ去り迫り来る人生とが重なって見えます。

    「にんげんってこれだから、愚かだわ。季節の加護がなくても、暮らしていけるつもりなのかしら」
    なんだか泣きそうになってしまいました。偉大な知恵に少しだけ触れたような気がして、逆に救われたような気持になりました。

    (人間はみんなやがて歳をとって、僕もそんな一人で、やっぱり少し頑固で、意固地になっている部分もあって、そんな自分を叱り飛ばされたような、もっと自然でもいいんだと諭されたような・・・)

    作家は勿論、人間なのですが、その紡ぎだす言葉は、時に人智を超える。

    作者からの返信

    刈田狼藉さん ひとつひとつ、詞をたどるように拾いあげてくださいまして、こころから感謝致します。とても、とても有難いです。

    季節、というのは星の公転によるものなので星の循りによる時計のようなものだとわたしはおもっております。朝がきて、昼になって夕が巡る。それもまた星の自転によるものですが、ひとは季節が循ることで長期的な《時》というものを強く認識します。同じ春は再びには巡らないし、過ぎ去った夏はもう取りかえせない。ですから季節に人生を重ねてくださったことがとても嬉しく、いただいた言葉の数々が非常にもったいなく恐縮するとともに、そう受け取っていただける言葉を綴ることができたことを誇りにおもいます。

    わたしはまだまだ未熟ですが、ひとの手掛けた創作物がひとの領域を超えることがある、というのは仰るとおりだと存じます。小説も、絵画も、歌も。創作の手段、過程は有限の域にあっても、それにともなう感覚、美は無限です。

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  • これは闇が深そうですね。だからこそここからセツさんの働きが気になります。

    作者からの返信

    はい、業の深い町です。
    このあたりから段々と明かされてくるので、詩一さんに楽しんでいただければ幸いです。

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