第344話妖精のマーチ
俺が案内すると言ったな? あれは嘘だ。まぁあれだ。新しい来客にチビ共が案内を買って出た。それだけだ。
まぁ変なオマケと書いて神まで付いて行った訳だが。
(ここは僕に任せてよミコとの会話ってのは中々に体験出来ないものだからね。無論その間のこの子達の安全は確約するとも)
頭に直接喋りかけてくるんじゃねぇ。
(別に心配しちゃいねぇよ。そいつはそこまで無駄な事はしねぇさ)
(そう言う事にしておくよ。それと最近は歌の練習をサボり気味だからちゃんと練習をするように)
(そっちの事も忘れちゃいねぇよ。やる事が多いんだ。だが、これからは定期的に戻るとするさ)
(そうすると良い、皆喜ぶ)
(お菓子の到着にか?)
(君のだよ。素直じゃないなぁ)
(人間臭い神なことで)
(そりゃそうだよ、願いや想いから生まれるのが僕等だし)
(興味深い内容だが、そろそろ行くみたいだぞ?)
(それはいけない。また次の練習で)
(またな)
「おい、アキラ」
俺はアキラを呼び止めた。
「どうしました?」
「美女だが、森に好みが一人はいると思うぞ。当然人間とは言っていないがな」
「美女なら問題なしです。じゃあ行って来ます」
さて、うるさい連中は行った。後は残った奴に渡す物渡して行くとするか。
「久しいな白爺」
「お前さんわしの呼び方コロコロ変えすぎじゃないか?」
「仕方ないだろ、今のアンタ完全に孫にベタぼれの爺さんだし」
「それを言われると言い返せないのぉ」
ヘス自身も喜んでるしまぁいいか。
「さ~て姫様や、今回の食料その他を持って来た。管理は任せるぞ」
「わかったわ。お爺様と一緒ですし何の問題もありません。でも」
「でも?」
「もう少し短い期間に帰ってきなさい。あの子達が心配するわ」
可愛らしい顔が曇る。姫君はご機嫌がよくないらしい。働き蟻は小まめに帰ってくるとしますよ。
(ここまでくると捻くれてるよね君)
(うるせぇ。その距離で盗み聞きとか正直気持ち悪いぞ。今日からお前は覗きの神に改名しろ変態が)
(おお怖い)
鬱陶しい神め。
「善処する。少なくても食料が無くなる前には来るさ」
それから他愛の無い会話をし、マーチ状態のアキラ達と合流した。その後歌の練習で高音が出始めた俺に軽く引いてるアキラをどついて、芸術の神の指揮の下合唱をする。
日本の有名な曲なので当然アキラも参加した。
その後食事をして、俺はアキラを連れて拠点へと帰還した。
ーーー
「ダイスさん、あそこはネズミが王様の夢の国より夢の国してません?」
そう言われてみればそうか。まぁ本物がいるわけだし。
「分からんでも無いが、人に言う真似はしてくれるなよ?」
「いつかあそこの住人になるんです。そんな危険に晒すわけないじゃないですか」
「とりあえず信じるよ。俺自身の計画がある程度進めばそうしても良い。だが、二度と地上には降りれない覚悟はしたほうが良い」
「発展を諦めた時点でその辺は未練ないですね」
それもそうか、俺がこいつの夢を握りつぶしたんだ。そのくらい良いか。
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