第292話まずは報告
一つずつ淡々と終わらせていくとしよう。まずは辺境伯への通知はルイに任せるとしよう。
(聞こえるか?)
(聞こえているとも。所で新婚生活は如何かな?)
(残念ながら何もない。その件についてはリュートにこちらへ来るように伝えて欲しい)
(訳を聞こうか)ルイは楽しくて仕方がないのだろう。俺が過去散々煽った意趣返しの側面も大きいだろうが。
(大したことじゃないさ。俺は二人をくっ付ける為の道化だった。それだけだ。後で父親には苦情を入れに向かう)
(なんというか。ごめん)
(やめろ。自分でもこの道化ぶりには思うところはある。まあそれはどうでも良い。本題だ)
(十分すぎる程重い話だったけど? これ以上何が?)
(引っ張るな鬱陶しい。魔族領の話だ。その為辺境伯に予定を取って欲しい)
(興味深いね。詳しく聞こうか?)
俺はこの前の吸血鬼のいきさつを話す。
(まぁこんな感じだ。俺はこれから事実確認に奴等の領地に向かう。ルイにはさっきの話が辺境伯側からも正しいかの確認をして欲しい)
(これは王にもお伺いを立てた方が良いんじゃないかい?)
(当然だ。しかし、事実確認が終わった後のほうが面倒が少ない)
(ダイス君ってさ厳しい様で甘いって言うか世話焼きだよね?)
(中途半端は後々祟るからな。やるなら可能な限りだ。リスクが想定を超えたら即打ち捨てるさ)
(そういう事にしておくよ)
念話符を切り、村長の所へ向かう。
周囲は俺を見るなりほっとした表情を浮かべている。野外の散歩はばれていたようだ。
俺は村長の家に入り、そのまま部屋に通された。
「なにか用かな?」
「分かってて聞くか。まぁ良いさ、群集の件だが既に無い。もしかしたら残党くらいはいる可能性も無いではないが、あの吸血鬼の王子なら全部平らげただろうよ」
「アレがいなくなれば当然若が出てくるのも当然でしょうな。喜ばしい事じゃ。しかし、同時に死族の者共も動き出すであろうのぉ。ともかく脅威が去ったのは分かった。確認には向かうがの」
「俺はその若の領地に向かう用事が出来た。そこで少しの間彼女を頼みたい。リュートもこちらに向かっているはずだ」
「構わん。少なくてもこの村の者はお前さんには好意的じゃ。わしとしてもお前さんには恩は売っておきたいしのぉ」
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