C調は陽が暮れるときに

防災行政無線のメロディーと斜陽に

包まれて、手のなかでラムネの瓶は

さらさらとC調で崩れていく


当たり前のことを当たり前に

得意そうに話すからぼくは本から

眼を離さないのだ


鍋をぐるぐるかき混ぜるなよ

スープが濁るばっかりだから

言いたいことを言えずに本から

眼を離さないのだ


防災行政無線はC調の

赤とんぼたまには

背中あわせラムネ瓶の冷たさで

君を感じたい、眼を離して

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