ダール登場

あれから、ルジュが勇者になるということが教会内部に広まった。そして、ルジャは勇者として祭り上げられていた。神自身魔族の連中にバレない様に民や周りには伝えていないが、教会内部では、ルジャが勇者として祭り上げられ、半分お祭り騒ぎだ。


・・・今のルジャは自身部屋の外にすら出れない状態だ。それなのに、何が勇者だ・・・周りは何も見えていないのか?いや、ただ、解決策すらない状況だったのが、神からの信託でそれをすれば解決すると盲目的に考えているだけだろう・・・今まで神の力だけに頼ってきた弊害だ・・・


勇者として祭り上げられたあいつは・・・戦闘すらできないただの少女であるのに・・・・


周りが浮き出しだっているのを眺めながら、日々を過ごす・・・それから、しばらくたったある日の事、ふと、夜に教会の花の庭園を歩いていると、ルウェールが反対側から歩いてきているのが見えた・・・


「・・・・よう・・・」


「・・・ええ・・・こんばんわ・・」


何とも言えない空気が漂っていた・・・俺はルジャがふさぎ込んで以来、どう接したらいいか解らず、ほとんど、ルウェールにルジャを任せきりだった・・・一応何度か足を運んだが、話をする為の話題を振る事すら出来ず、ただ、突っ立っている事しか出来なかった・・・それから、俺はほとんど、ルジャの部屋に行かなくなった・・・


「ああ・・・ルジャの様子はどうだ・・・・?」


俺は何となしに、そう聞いた・・・言ってから後悔した・・・ほとんど、ルウェールに任せっきりだったのに何を我が物顔で聞いているんだ俺は・・・・


「・・・大丈夫よ、今は寝ているわ・・・最近は寝れるようになってきたから大丈夫・・・」


最近はという事は、最近までは寝る事すら出来ていなかったんだな・・・本当に俺は何をしているんだ・・・ルジャが苦しんでいるのに・・・俺は・・・・


そんな事を考え俺はうつむいていると・・・・


「フハハハハハ!!何を悩んでいる若人よ!!!」


笑い声が聞こえた・・・顔をあげると・・・そこには変態がいた・・・・


女性用であろう、スカートを筋肉もりもりの男が履いており・・・上半身はその筋肉によって、今にも弾けそうな位ぴっちりしている半袖を着ており・・・手には何かフワフワした物体を持って何故かポーズをしている・・・左手をあげ、右手を腰に・・・右足の足の裏をを外側に向け、ウィンクをしている・・・どう見ても不審者だ・・・


「おーーい!!誰か!!不審者だ!!不審者が侵入しているぞ!!!」


俺は慌てて剣を抜き、変態に構えながらそう叫んだ・・・何なんだこいつ・・・何なんだよ!!ルウェールも俺の後ろに隠れて慌てている・・・本当に誰かすぐに来て!!


「フハハハハハ無駄だ!!この辺りには結界を張った叫び声も外には聞こえまい!!」


・・・何この変態・・・何なんだよう・・・


「お・・・お前は・・・何をしに・・・」


ここに来たのか・・・そう聞こうとした瞬間、変態の後ろから女性が顔を覗かせて変態を叩いた・・・


ドカン!!


「アヒン」


なあ・・・叩かれただけなんだよな・・・何で爆発をした!!そして、変態は気持ち悪いあえぎ声以外何で平然としていられるんだ!!まじで!!


「何を遊んでいる・・・きちんと説明してお願いしないといけないのに、怖がらせてどうする・・・」


「いや・・・場を和ませようと・・・」


「どうみても、和ませるどころか、恐怖を与えている様だが、違うか?」


そう言われて、俺達を見て来た女性に俺達はブンブンと顔を縦に振った・・・


「・・・やはり・・・お主の突拍子の無い行動嫌いでは無いが、時と場合を考えろ・・・」


そう言われて変態は背中を擦りながら「解ったよ・・・」と言った・・・爆発食らったんだよな・・・何で平気なんだ?


「初めまして、私は知識の神、こちらでは、ルジャと呼んで欲しい・・・あちらは笑いの神で、名前をダールと呼んで欲しい・・・」


「ダールだ!!よろしくな!!」


「はっ?!」


その言葉に俺は口を開けて固まった・・・


「うん?創造神から聞いておらなかったか?神が来ることを・・・」


いや・・・確かに聞いていたけど・・・


「・・・・・・・・・あいつが・・・神・・・」


そう言って、さっきの変態を指さした・・・相変わらず変なポーズでウィンクをしている・・・・


「・・・・・・・・・・ああ・・・神だ・・・一応神としては優秀何だ・・・ただ、笑わせるのに全てを犠牲するから・・・・・・」


・・・・・・・・それが・・・あの結果と・・・・・笑う前に!恐怖を感じるわ!!!

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