いわくつきの娘フェリエナと貧乏領主アデルの、ある意味政略結婚のはずがお互い恋に落ちて、すったもんだのあげくパタタが世界を救ったという、壮大なラブストーリー(どこまでホントだ?
本当ならばすんなり展開していきそうな物語も、作者様の得意技、『すれ違い』と『じれじれ』と『アマアマ』が炸裂して、簡単にはハッピーエンドを迎えられません。
おまけにアデルが貧乏であるが故……
だからこそ、パタタなんです。
嗚呼、パタタ……悪魔のようなそのお姿……
フェリエナとアデルの愛とパタタが世界を、いやヴェルブルク領を救うのです!
~読者の独断による五段階評価(超えてるやん)~
フェリエナのいわくつき度 ★★★★☆
アデルの貧乏度 ★★★★★★★
パタタの育て易さ ★★★★★★★★★★
金髪でイケメンだけど貧乏貴族のアデル。
修道女殺しの異名をもつ貴族の娘フェリエナ。
この二人が結婚するところから物語は始まるのですが、どうにもこうにもすれ違いと勘違いが嵐のように吹き荒れます。
もちろん物語の中の当人たちは真面目ですし、必死ですし、ホント二人ともいい奴、可愛い娘なんです。
なのに「どうしてこうなる?」という裏目になってばかりの展開が目白押しで、はたで見ていると立派なコメディーのように仕上がっています。
この悪夢のような喜劇のようなドラマは、作者という神に翻弄されっぱなしで、とにかく読むのが楽しい!
作者の意地悪な笑顔さえ想像できるようです。
ですがそれだけで終わらないところが、またこの物語のいいところ。
二人の誠実なキャラクターにちゃんと応えた感動の物語が待っています。
笑いあり涙あり感動ありのエンターテイメント要素たっぷりの物語。
女性が楽しめるのはもちろんのコト、男性もしっかり楽しませてくれる本格派です。
是非読んでみてみてください!
「修道女殺し」の烙印を押された令嬢フェリエナ。彼女の持参金目当てに結婚を申し込む青年領主アドル。
思惑をよそに惹かれ合う二人は、お互いを思う優しさゆえにすれ違う……。
とにかく主人公二人の心情描写が素晴らしく、手に取るように状況がわかるため、ジレジレ度も一入でした。
舞踏会の雰囲気、それに反して困窮する領土、はたまた戦の風景まで、とても丁寧に描かれていて、ぐっと物語に厚みを持たせておられ、筆力の高さが圧巻です。
魅力的なキャラの造形、飽きさせないエピソード、問題勃発と解決、どの伏線も見事に回収され、読後感も非常に良い作品です。
すらすらと読める文体なので、一気読みをおすすめします。
トキメキたいそこのあなた、ぜひこの恋愛物語を読んでみてください。
皆! 物語の中で一番大事なものは何だと思う! 俺はキャラだと思っている! 魅力的なキャラがいてこそ物語は盛り上がり、感動していく! そしてそんなキャラが多く出ているのがこの作品だ! まずヒーローのアドル! ヘタレなんだけど、真面目で一途で、筋を通そうともがくその様! くそ! 可愛いじゃねえか! そしてヒロインはフェリエナ! たくましい! けれどもコンプレックスを抱えていて、弱さもある! 畜生! 強くて人間臭いとかもろ俺の好みだぞ! それが全編通して余すことなく描かれている! 正直、好きだ!
失礼しました。
甘い。この作品を表す一語はこれに他なりません。それほどまでにこの2人がラブラブしているシーンは甘いです。しかしただ甘いだけではありません。彼らを取り巻く環境や過去など、暗い一面もあります。さらに作者様がうまくじらしてくるので、彼らはたびたびすれ違います。両想いなのですが、聞いたタイミングがまずかったり、いろいろと束縛があったり。ただ一辺倒になるのではなくきちんと作られています。『最近ときめきが足りないな~』とお思いの方。下手すると供給過多とさえなりえそうなこちらの作品、是非ともご覧ください。あ、ちなみにどうやら続編もあるので、アフターエピソードもお楽しみください。私も楽しみますので(笑)
貧乏領主アドルと金持ちロズウィック家の令嬢フェリエナの織りなす甘くてステキなじジレジレラブストーリーです。
とにかく一話目から話に引き込まれてトキメキが止まらない!
安心してください、始めっから面白いです。
結婚はゴールではなくスタート、お互いがお互いを思いやるのになぜかすれ違いばかり。両想いのはずなのに中々結ばれません(そこがジレジレ)。
ですが、やがて二人もちょうどいい距離を保ちながら熱く情熱的に近づいていきます。反らせぬアドルのまなざしに惹かれるフェリエナ。やがて2人は……。
手を握るだけで何だかこちらまで照れてしまう。初々しい2人の恋物語、1ページそっとめくってみてください。
きっとあなたも2人のファンになります。
じれじれもだもだ両片思い夫婦の物語――ということは、もう他の方がたくさん書いてらっしゃるので、私は別の魅力をお伝えしようと思います。
すれ違いっぷりが見事な領主夫妻の恋愛模様は、文句なく可愛らしく面白いのですが、この物語が素晴らしいのは、「領主夫妻として生きているふたり」がリアルに描かれていることだと思います。
お互いの想いを理解していないために、ふたりの仲はすんなりとは上手くいきません。しかし、ふたりに共通する「領民への思い」が、ふたりを近づけてくれるエピソードが多くあります。
その中で、この時代の人々の暮らしぶりや農作物のことなどが丁寧に描かれています。(おそらく作者様は、相当な知識をお持ちだと思います)
両片思いのハッピーエンドが見え隠れしている物語ですが、リアルであるために重みがあるのです。
そして、真摯に領民を思うふたりには、とても好感が持てます。
都合よく、何かがあったり、何かが起きたりはしません。きちんと理由があり、裏付けがあり、それで、簡単には上手くいかないのです。
――だからこそ、主人公夫妻を応援したくなるのです。
皆さんレビューがお上手なので、だいたいのあらすじなどは、他の方にお任せしちゃいますけど。
もー!!!
ほんとに、ほんとーにっ、もどかしいっ!
作者さんもわかりやすく五段階評価で記してくださってるんですけど(一部五段階じゃなくなってますけど)、もー、じれじれもだもだと砂糖の量がすごいわけです。
そして、この2人(夫婦。夫婦ですよ、誰がどう見ても!)のすれ違いっぷりが凄まじいわけです。
もーあれだ、ちょっと私と話をさせろ。1人ずつな。そこのヘタレ領主、まずはお前からだ。
ってお節介焼きたくなるくらい。
やっと2人の気持ちが通じあったと思ったら、また一難!
もーよきところで休憩しようかと思ったのに、させてくれません。
これは一気読みです。
このじれじれと甘々、そしてすれ違いを楽しめるというアナタ!!
今日のお供はこちらのお話で!!
回りに人がいないところで読みましょうね。
変な声出たりとか、しますから。
絶対。
裕福な家の出でありながら、ある事情により「令嬢失格」の烙印を押されて婚約者のいないフェリエナ。だけどそんな彼女を、舞踏会でダンスに誘う男性が一人。それはヴェルブルク領の領主で、美青年のアドルでした。
ダンスが終わった後アドルは、信じられない言葉を口にします。「私と結婚していただけませんか?」と。
アドルのことを気に入り、承諾するフェリエナ。令嬢失格なんて言われてきた彼女ですけど、ここに来て美青年からの求婚。これで人生はバラ色……と思いきや、実はアドルが領主を務めるヴェルブルク領は財政難で、持参金目的の結婚だったのです。
フェリエナはショックを受けますが、実は心を痛めたのはフェリエナだけではありません。あんな良い子を金目当てに娶ってしまったと、アドルも後悔の念に苛まれてしまいます。
無理に結婚させてしまったのだから、せめて清い体のままでいさせるべきだと考えるアドルですが、フェリエナはその態度に、妻として認められていないと思い、またショックを受けて……
フェリエナの事を大切にしようと奮闘するアドルですけど、やり方が間違っていると言うか、やる事が次々と裏目に出てしまうのですよこの男は。そしてフェリエナも色々思う事はあるのですが、迷惑をかけるわけにはいかないと気持ちを胸の奥に閉じ込めて。
この二人に言ってやりたい。あんた等さっさと腹を割って話し合え、と。
互いに思い合っているのに、なぜかすれ違ってばかりの二人。結婚しているにも関わらず、拗れた両片想いを展開させています。
これは夫婦になった二人が、愛し合うようになるまでの物語。順番が間違っているような気がしますけど、そこが良い。
途中からはアドルがフェリエナの事を好きすぎて、事ある毎にヤキモチを焼いて。さっさとくっついちまえこのバカップルと、何度もツッコミを入れたくなりました。って、もう結婚はしてるんですけどね。
少しずつ愛を育んでいくちょっと変わった夫婦に、ニヤニヤが止まりません。
ネーデルランド領の富裕な貴族でもあるフェリエナ嬢は、とある舞踏会でヴェルブルク領の領主アドルに見初められ、結婚するのですが……。
この結婚生活が、全く上手くいかない。
またくもってすれ違い多数!
過去の様々な経験から、臆病になっているフェリエナ。
彼女の持参金が目的であったこともあり、それが負い目のアドル。
アドルがよかれと思ったことは、フェリエなの裏目に出るし、フェリエナはおっかなびっくりで彼に近づくし……。
互いに思い合っているだけに、じれったい! だが、それがいい!
恋の顛末を気にしていたら、今度は他領が攻めてくる。どうなるんだこれ!?
もう、毎日更新が楽しみでした。
傷ついた女の子が、恋に出会い、人に愛され、そして自分の知識と力で立ち上がる。
そんな成長物語。
是非、ご一読を。
ある事情により、富裕な家の令嬢でありながら一人の求婚者もいないフェリエナは、兄と参加した舞踏会を、壁際でぼんやりと眺めていた。
ダンスが終わり、人の輪が緩むと、ざわめきが起きる。顔を向けたフェリエナの目に飛び込んできたのは、目が覚めるような美青年だった。
広間中の視線を集めながら進む青年――アドルは、フェリエナの前で片膝を着くと口を開く。
「可憐なお嬢様。よろしければ、一曲踊っていただけませんか?」
――この冒頭だけで既に、ハートを掴まれるのではないのでしょうか! だがこれだけでは終わらない。タイトル通り二人は……。また急展開ながら夫婦となる訳ですが、大変なのはここからなのです。
求婚をしておきながら、夫婦らしい事を拒んでくるアドルに、戸惑うフェリエナ。そこには、彼女がそれまで一人の求婚者もいなかったように、アドルにも退っ引きならない事情があるのですが……。そこは是非とも、読んで確かめて頂きたい。夫婦と言うよりは、付き合いたてのカップルのような遣り取りをする二人の様子が、微笑ましくももどかしいのも魅力です。
「いつか、あなたと手をつないで」というタイトルの意味を知った時、胸にぐっと来るものがある筈。
じれったい恋物語、是非皆様も、ご一読。
このお話は、最初は形だけの夫婦だった二人が、本物の夫婦になるまでの物語です。
最初から最後まで、本当にじれったくてもだもだします。
ほんっとうに!もだもだします(笑)。
ですが、それが良いのです。
夫のアドルは何かというとタイミングが悪く、どんどんと妻であるフェリエナに誤解に次ぐ誤解をさせます。「しっかりしろ!」と応援せずにはいられません。
そして妻であるフェリエナの方も、実は結構タイミングが悪いです。「どうしてそこだけ!?」という様な場面がかなり散見されます。
二人共互いを思い合っているのに、二人して言い回しが厄介過ぎて誤解を重ねていく様は、見ていてとても焦らされます。
だからこそ、本物の夫婦になった時の喜びはひとしおです。
時にシリアス、時にコメディ、時にハラハラ。
でも、最後はきっと幸せな気分になれます。
是非とも、じれじれもだもだしながら、最後の結末を見届けてみてください。
まるで絵巻の様に情景が浮かび上がる、素敵な物語なこと間違いなしです。
結婚、それは想い合う二人が生涯を共に過ごすための誓い……なのですが、そこに必ずしも幸せがあるとは限りません。
理由あって周りから奇異な目で見られ、一人の求婚者も現れない、令嬢フェリエナ。そんな彼女にも、ようやく結婚を申し出てくれる男性が現れます。領主の青年、アドルです。
しかし彼は、持参金目当ての求婚でした。
はい、おそらくこれを読んだ方はアドルって最低のやつだなと思われたでしょう。フェリエナも、せっかくの新婚生活にもかかわらず心苦しい思いをする事になります。
ですが、苦しい思いをしているのは彼女だけではないのです。アドルもまた、色々な事情を抱えて苦しんでいるのですよ。本当はフェリエナの事をちゃんと想っているのに。
夫婦なのにすれ違い、じれったさともどかしさが募る。そんなおかしな結婚生活に終わりは来るのか?
結婚から始まる、すれ違いカップルの行く末をどうか見守ってやってください。
とても丁寧に紡がれたお話で、表現が綺麗でうっとりしました。
ヒロインさんがピュアな乙女!
心情がすごく初々しくて、初恋感というのでしょうか、ドキドキがすごく伝わって顔がにやけてしまいますっ。
それと、ヒーローさんが最初怒鳴ったりしてヒロインを悲しませるような、誤解されたり、好感度低くなっちゃうようなキャラなのですが(すれ違い、勘違い系の冷遇ヒーロー?)
ストレスを緩和するヒーロー視点がとても多くて、読者側が「これはあくまですれ違いで、矢印はしっかり向いてる」ってわかってて、安心して読めるのがすごく良いところじゃないかなって思うんです。
あと、読者はヒーローの気持ちがわかってるけど、ヒロインってわかってないじゃないですか?
それなのにヒーローに優しかったり、好意的なヒロインを見ると、ヒロインへの好感度も上がるんですよね、「この子、天使かな? 善良なんだな」って。
そんな風に読者のキャラへの好感度を上げていったり、安心して見守れる予定調和な恋の発展話なので、とてもストレスフリーで素敵だな、と思いました。
作品全体を通して、二人だけに焦点が絞られてて無駄がないので、「なるほど、商業作家さまらしい作品」…ってなりました。「らしさ」を感じる作品でした。
他の作品も読んでお勉強したいなと思いました。