第20話 アイドルのファンとの繋がり
坂口さんの配信中のスクショを何枚か撮った。早速、坂口さんのTwitterアカウントに、スクショと共にリプライをした。
「坂口さん。配信お疲れ様です。イケメンなのでスクショしました。坂口さんの配信楽しみにしています」
「これ、口元隠してるからイケメンに見えてるだけじゃないかなぁ」
そうかもね。口元隠してない配信楽しみにしてますよ坂口さん。
もちろんもちろん、中村さんの配信もスクショたくさん撮った。だけど、手が震えて失敗ばかりして。失敗すると、スマホの待ち受け画面に戻ってしまい、また入室し直さなくてはならない。それを何度も何度も繰り返した。
スクショで失敗することなど、滅多にないことなのに、スクショのやり方を忘れたかのように、全くできなかったりする。目の前にずっと好きだった中村さんがいるのだから、当たり前だ。
後でスマホのカメラロールを見てみると、マスクの中村さんや、マスクを顎に下げた中村さん、そして福岡のアイドルSmile starの純くんとのツーショットなど、なんとか何枚か撮れていた
それをTwitterにもupして、純くんとのツーショットも、Smile starのタグを付けてupした。
すると、何日か後に、Smile starのタグを付けた、中村さんと純くんのツーショットの写真に引用リツイートが来た。引用リツイートとは、Twitterに投稿したものを、リプライではなく、投稿の上に、コメントする形で、コメントと、その投稿がフォロワーさんに見えることを言う。
「こんなところに純くんが」
たぶん、純くんのファンの方なのだろう。Smile starのタグを見て投稿を知ったのだ。
「そうなんですよ。中村さんの配信に出てくれました。純くんも中村さんと同じ舞台に出演されてるのですね」
「あっすみません。ビックリしたのでつい。わたしもその舞台、福岡から観にいきます」
凄い。羨ましい。福岡からわざわざ東京まで舞台を観に行くのだ。
「また配信に純くんも出てくれるといいですね」
「中村さんのことも知りたいので配信観にいきます」
投稿して良かった。中村さんの舞台の宣伝になるかと思い、いろいろ投稿してきたけれど、興味を持ってもらえることなどなかったのだ。しかも、作家さんとの繋がりの多いアカウントで宣伝している為、作家さん達には迷惑でしかなかったと思うのだ。
それをわたしは分かっていながら、中村さんが喜んでくれるので、やっていたということが本音である。それがやっと役に立つことができたのだ。中村さんにもSmile starの純くんの写真で純くんのファンの人から反応があったことを伝えた。
やっと、中村さんの配信のある次の日曜日がきた。Smile starのファンの人に、配信へのお誘いをしたけれど、今度も稽古場から配信してくれるとは限らない。そして純くんがまた出てくれる可能性も低い。少し不安になった。いやかなり。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます