第11話 カラオケ配信
久保田くんが、珍しく昼間に配信してたので、入室すると、カラオケボックスからの配信だった。
リスナーは、わたしと数人の人だけだった。久保田くんは今からカラオケで歌うと言っていた。別に聴かなくてもいいけどなぁと思いながら観ていた。リクエストあれば歌いますよとか言っている。
「じゃあワンオク」
英語だから歌えるわけがない。
「星集めてくるから決めといて」そう言ってわたしはルームを出た。イベント中なのだ。星が満タンではなかったので、歌ってる間に集めてこようかなと思ったのだ。
戻ると、まだ久保田くんは歌っていなかった。誰もリクエストしないので、自分で曲を決めて歌い始めた。
そのとき。
「カラオケ配信は違反だよ!公式なのに規約読んでないのか?イベント台無しになるぞ!」
というコメントが入った。
そうだそうだそうだそうだ。著作権があるから駄目なのだ。わたしもウッカリしていたが、配信で歌っている人もいるので、大丈夫なのかと思っていた。
「久保田くん、カラオケ駄目だって!」
歌っているのでコメントになかなか気がつかない。このままじゃルームを通報されてしまう。
やっと気がついた久保田くん。
「一旦配信やめようか」とわたしは言った。
配信者は配信者の規約があり、わたしは配信者ではないので、そんな規約まで読むことはない。知ってることは注意するけれど、わたしは久保田くんのマネージャーでもなんでもない。ただのリスナーだ。
わたしはTwitterから「マネージャーさん何してるの?」とリプライした。
拓也の事務所のマネージャーは、拓也の配信を観ている。それが普通だろう。
それに、アマチュアではないのだ。事務所も本人も規約をきちんと理解して配信することが当たり前である。
久保田くんのツイートを見ると、配信中のツイートにも、カラオケで歌うかもと書かれてあった。
「ここも削除した方がいい!」そのツイートにもリプライをした。
「さっちゃんさん、すみません!マネージャーと連絡取れました。ほんとにいつも助けてもらってありがとうございます」
いや、助けたのは、わたしじゃなくて、他の方だと思うんだけれど。ああ、もう久保田くんの配信観に行くのやめようかな、トラブルばかりだし。そんな風に思ってしまった。
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