第37話 おきつね銀翔と薫
八百屋の息子の佐藤薫様はナナコ様の幼馴染みでございます。
薫様は先日からなにやら悩みを抱えておる様子です。
自分の部屋のベッドにうつ向きに寝ながら「あ〜っ。もう何だかなあ」とか「ナナコのやつ。鈍いなあ」とか薫様はぶつくさ申しておりました。
その薫様の様子を空中に浮かびながら窓の外から見ている方がおりました。
私の主の銀翔様です。
気難しい顔で美しい毛並みの尻尾を揺らしながら腕組みをして空中から薫様を見ております。
姿はナナコ様以外の人間には見えません。
ほとんど銀翔様は薫様をきつい表情で睨んでおりました。
しかも銀翔様は本来の姿でした。
本来の年相応の姿です。
おきつね銀翔様は青年の姿に戻っておられました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。