愛が、足りない

愛が足りない

うちの父親は、母にいつも怒鳴っていた。おまえは俺への愛が足りないと。医療の現場で働き汗水垂らして仕事しているのにおまえときたら、家でゴロゴロしているだけじゃないか。家事も完璧にできていないし俺が帰ってきたら優しく迎えるのが妻の役割じゃないのか。俺はおまえのためにいくらお金を稼いでやったと思ってるんだ。大学の費用は全部俺が深夜までアルバイトして仕送りしてやったんだ。なのにおまえは歯医者の大学をでて、歯医者になろうと約束したのに今更無理だとぬかす。俺の努力はなんだったんだ。歯医者として働けよ、なぜできない?おまえは主婦としても怠けてばかりいる。家事も育児もできていない。そんなんだから俺はおまえに怒っているんだ。


父親の主張はだいたいこんな感じ。

それを、酔っ払って三時間も四時間も怒鳴りながら話し続ける。夜中にだ。


父親は、立派な医師である。母は歯医者の免許を取るが、働けなくてどこの歯医者に行っても続かない、それが父親の怒りに火をつけていた。

またお金の問題もあった。母は専業主婦で生活費を父からもらっていた。


父親はアルコール中毒で、毎晩のんで酔って怒鳴っていた。暴力ももちろんあった。わたしはそんな父親と母親をみて怯えて育った。

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