フウ軍団 リーチェ

「フウ・・・」


セシルはそう呟いた・・・そこには、2年以上前に消息を絶ったフウの姿があった・・・


「・・・?フウ様をご存じなの?」


だが、久しぶりにあったはずのフウからは、思いもよらない返事が返って来た・・・


(・・・?)


自分はフウでは無く、第三者である様な発言・・・


よく見ると、その子供の頭の上には、獣人特有の獣耳・・・いや、猫耳があった・・・


フウには、結局数える程しか会っていなかったが、猫耳は生えていなかったはず・・・


そうなると、本当に目の前の人物はフウでは無いのだろう・・・とは言え・・・


(少なくとも、フウに関係する人物である事は確かだろう・・・)


そうで無くては、フウと言う名前に反応する訳が無い・・・俺は思い切って謎の子供に話しかける事にした・・・


「いきなり、大声を出してすまない・・・最近、裏世界の住民に恨みを買う様な事ばかりしていたから、殺し屋か何かかと思った為過剰に反応してしまった申し訳ない・・・」


そう言って、俺は頭を下げた・・・


俺は今までマイルを探し出す為に、かなり無茶な探し方をした。時には、裏の人間を拷問し殺しをした事すらある。


その為、裏関係の仕事を縄張りにしている人物に命を狙われても可笑しくない立場であるのが現状だ。


だからこそ、俺は普段からも緊張感を持って、日常を過ごしている。


(だが、目の前の人物は、こんなに近くに寄るまで、全く気配すら感じさせなかった・・・)


そう、今の俺なら、数キロ先の人物すら、感知することが出来る。


はっきり言って、隠蔽系のスキルを使われようが、その人物を探し出せる自信があると言える程、今の俺は感知能力は高くなったと自信を持って言える・・・


だが、目の前のフウに似た子供は、俺の感知能力すら感知させずにここまで、やってきたのだ・・・


先程、『過剰に反応してしまった』と言ったが、それは嘘だ。はっきり言って、警戒しても警戒足りない程、この子供は怪しい・・・


だが、目の前の子供は、俺の事を怪しんでいる様だが、敵意を表に出してはいない。


だからこそ、俺はこちらの非礼を詫び、様子を見る事にした・・・


どちらにしても、フウの事を知っている様だから、話を聞かなくてはいけないしな・・・


「それは全然構わないなの!こちらも、気配を消す魔法やスキルとか色々使っていたから!警戒しても仕方ないの!」


「それは、ありがたい・・・」


「それで、貴方はフウ様とどんな関係なの?」


その言葉を聞き、俺は今までの事を全て話した。


本当は、もう少し警戒した方が良いのだろうが、恐らく、目の前の子供は俺より強い・・・


はっきり言って、以前会ったフウと言う名の子供より全然強い!


今まで俺は強くなろうと必死になって特訓をしてきた・・・だが、そんな特訓で強くなった今・・・いや強くなったからこそ、相手の強さがよく分かった・・・


はっきり言って、俺が命をかけた所で、勝てるビジョンが全く見えない、それ程力量差がある事を俺は感じていた・・・


「・・・という訳だ・・・」


「・・・フウ様と闘う為に、強くなったなの?その割に、おじさん、レイチェより弱そうだけど・・・」


そう目の前の子供は言った、ちなみに、話をしている間に目の前子供がレイチェという名前だという事を知った。


というより、一人称が自分の名前とは変わっている・・・そんな事を考えていると・・・


「はっきり言って、フウ様、レイチェと比べ程ならない位、めちゃくちゃ強いの!!」


そんな事を言って来た・・・


「・・・本当か?はっきり言って、お主の方が強そうだが・・・」


「そんなこと無いの!!はっきり言って!レイチェなんてフウ様に比べたら雑魚なの!!雑魚中の雑魚なの!!」


そう、はっきりレイチェは言った・・・はっきり言って、目の前の子供は、俺とは比べ程なら無い程の強者だと俺自身の勘が言っている。


はっきり言って、目の前の子供は魔力は全く感じる事は出来ないし、闘気すら全く発していない・・・


逆に言えば、微弱の魔力すら感じる事すら出来ない程魔力を発していないのだ!


生物だったら、絶対に発する魔力・・・生気・・・それを目の前の子供からは全く感じることが出来ない。


ディエティドラゴンも似た様な事をしていた・・・


訓練中、あれだけの巨体なのに、ディエティドラゴンの居場所を見失うという事を何度も俺はした・・・


本気のディエティドラゴンがあそこまで強かったとは・・・おかげで、感知する感覚が強くなった。


だが、その感知能力ですら、殆ど目の前の子供には役に立っていなかった・・・はっきり言って、さっき、レイチェを見つけられたのは、奇跡だったのだろう・・・それ程、彼女の気配は0であった。


はっきり言って、俺自身、彼女の実力がどれ程なのか、判断がつかない・・・だが、それでも、以前のフウなら、絶対に勝てるはずが無いであろう人物・・・


その人物が、フウには絶対には勝てないと言う・・・それを意味する事は・・・


(たった数年で、そこまで強くなったという事なのか・・・)


その事実に俺は、無意識に握りこぶしを握った・・・ここまで、強くなったと言うのに、あいつは・・・さらに先に言っていると言うのか・・・


「うーん!とりあえず、嘘を言っている様じゃないから、フウ様に会わせてもいいんだけど・・・その前に!やらないといけない事があるの!!」


俺が、悔しさに打ちひしがれていると、ふとそんな事をレイチェは言い出した・・・


「・・・?やらないといけない事・・・?」


「奴隷の解放なの!!」

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