修行開始

「それで、これはどういう事ですか?」


そう言って3人を正座させるフウ・・・・違うだ・・・俺が頼んだんだって・・・そう言いたいのだが・・・


「ぜえ・・・・ぜえ・・・ち・・・が・・・・」


疲れていて声が出ない・・・いや、本当に叱らないで上げて!!目の前には、1歳児であるはずのフウが、それより年上のはずの3人は叱ると言う異様な光景が広がっていた・・・


「奴隷なのに、お父様に危害を加えるなんて、万死に値します・・・」


いや、本当に違うんだって俺が頼んだんだって・・・そう言いたいのに・・・俺の口から出る声はカヒュとか変な空気音しか出なかった・・・


「ただ、お父様の事ですから、殺すのは嫌がるでしょう・・・ですので・・・・」


いや!殺すなって!!って消えた!!?


フウが3人を連れてどこかに行った・・・・恐らく、転移魔法だと思うが・・・どこ行った?


そんな事を思っていると、フウだけが戻って来た・・・


「ぜえ・・・ぜえ・・・・・あ・・・い・・・つ・・・・・ら・・は・・・・」


「ああ、あの人達は反省させる為にちょっと訓練させに行かせました。大丈夫ですよ、死ぬ事はさせません・・・」


そう言って、フウは俺の所に飛び込んできた・・・


「お父様・・・・強くなりたいという気持ちは解りますが・・・無理はしないで下さい・・・お父様は弱いのですから・・・・・・・・・」


そう言って、フウの身体が震えだした・・・・


・・・・・・俺の気持ち・・・ばれてたんだな・・・・・・だけど、やっぱりずっとこのままじゃいけないと俺は思うんだ・・・・・


「大丈夫です、私が守りますから・・・・絶対!」


そう言ってフウが抱き着く力がわずかに強くなる・・・


「・・・フウは相変わらず甘えん坊だなあ」


そう言って俺はそう言ってフウの頭を撫でる・・・


そう言えば、いつもそうだったなあ、フウはいつも感情が高まると俺の所に来て抱き着いてくる・・・


いつかは親離れするんだろうなあと思っていたが、この調子だといくつになってもこうしてくるような気がしてならない・・・・


俺としては、それでもいいかなあと思う反面、もう少し親離れしなくて大丈夫なのか?という心配をしつつ・・・俺はしばらく俺はフウの頭を撫でるのであった・・・


―――――――――――――――――――――――-----------


次の日・・・・


「もっと早く!!」


そんなフウの声で目が覚めた・・・


どうしたんだ大声を出して・・?そう思って着替えて庭に出ると・・・昨日いなくなった3人とファンが走っていた・・・


「あっ、お父様!!」


そう言ってフウは俺の所に駆け寄ってくる・・・


「・・・・一旦終わりにします・・・」


そう言ってフウは家の中に入っていた。後に残された。4人は肩で息をしながら、ゼーゼー言っていた・・・


「大丈夫か・・・」


「大丈夫じゃない・・・ゴーレムが・・・ゴーレムが・・・」


「死ぬ・・・死ぬ・・・死ぬ・・・」


「(ガタガタガタ)」


「はあ、はあ、はあ・・・」


ファンは比較的大丈夫そうに見えたが、問題は昨日からいなかった3人だ!


3人共全員身体を震わせ・・・同じ言葉を繰り返し・・・目は虚ろの状態で・・・今にも死にそうな表情であった・・・


本格的にこれはやばくないか?本当に昨日の夜何があった??!!だが、詳しい話を聞こうにも精神的に3人がやばすぎてその場で聞き出せず、そのまま、フウが作った朝食を食べる事になった。


フウは相変わらず俺にべったりだったが、他の4人はフウから距離を取って離れていた・・・というか震えて無いか?


そうこうしている内に朝食が終わった・・・・その後、フウがファンを連れてどこかに行ってしまった・・・


行き先を聞いてみたのだが・・・


「ちょっと街の外の邪魔にならない所で訓練してくるだけです」


とだけ言って居なくなってしまった・・今日の朝の様子を見ていると、心配なのだが・・


それより・・残った3人は・・・?俺は慌ててフウが連れて行かなかった他の3人の奴隷達を見ると・・・全員が食事を取った部屋のすぐ近くの廊下で寝ていた・・・・・・・


「おーい、大丈夫か?」


返事が無い意識が無い様だ・・・・俺はため息をつきながら部屋から毛布を持ってきて、廊下に寝ている3人に掛けるのであった・・・


「帰りました!!」


そう言ってフウが帰って来た。案の定帰って来たファンは以前フウが連れ出した様に震えていた・・・しかも今回は・・・


「怖い怖い怖い怖い・・・」


と呟いていた・・・いや!本当に大丈夫か?!ファンも!!!


ちなみに廊下に寝ていた3人はフウが帰ってきた後、速攻で正座させられていた・・・何でも『お父様を警護しないで寝るとは何事だ』・・・


という事らしい・・・別に俺重要人物でも何でもないし、必要ないと思うんだが・・・・それに、全員、さっきの訓練で疲れているだろうし・・・


「あの程度で疲れていたら!お父様の警護をするのには力不足です!」


と言って来た・・・だったら、せめて、訓練に強化魔法を使わない様にとフウに言ったら・・・


「・・・?実力を測る為に、私と模擬戦をするときに強化魔法を使いましたが、その一回以外使っていませんよ?体の負担大きいですし・・・」


とフウが言って来た・・・ちょっと待って!!って事は何か?今のあの3人の疲れは・・・強化魔法副作用でも何でも無くて・・・訓練だけで、疲労困憊の一歩手前になっているって事か?!


「とにかく、今日までで、ある程度全員の実力が分かったので、明日から修業を本格的にやります!!」


そう、フウが言い放った瞬間、4人全員が奈落の底に落とされた顔をした・・・


えっと、まじ?今でさえ、酷い状態なんだけど・・・


エレナは泣き出し、ユウナは笑い出し、ニームとファンは震えだした・・・・


やばい、これやばいって・・・


そう思ったのだが、フウはそんな惨状を知らぬ存ぜぬでキッチンに向かっていく・・・


待って置いてかないで・・・というより、この惨状を起こしてそのままにしておかないで・・・


そんな俺の思いとは裏腹にご飯が出来るまでフウは戻ってこなかった・・・


あれから、何とか他の4人にご飯を食べさせ俺は夜になるとそのまま眠った・・・


本当に・・・フウと一緒に居ると色々あるなあ・・・そんな事を考えながら眠りについた・・・


・・・次の日、俺が起きると地響きが起きているのに気付いた・・・しかも、その地響きは止まる所かずっと続いている・・・


待って!!何があった・・・俺が着替えもせずに慌てて庭に出ると・・・そこには昨日まで無かった3体のゴーレムが居た・・・


えっ何で!?家の中にゴーレムが居るのさ!!


身長が高い、ユウナすら大きく、横幅もすごい岩のゴーレムが4人の所に向かって突進していく。


4人共、必死になって避けて攻撃を繰り出しているが・・・一体全体どうなっているんだ?!


「あっお父様!!」


フウが俺に話しかける・・・


その言葉に4人共、俺が居る事に気が付く・・・あっユウナが吹っ飛んでいった・・・


「・・・これは・・・?」


「ちょっと錬金術の本を読みまして・・・作ってみました!!」


・・・・・そうか・・・フウが作ったのか・・・


お父さんゴーレムって魔物しか知らなかったよ・・・作れる物なんだね・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もう何も言うまい・・・・・・・・・・・・


「お父様も起きましたし、それじゃあ、朝ご飯作ってきますね・・・」


そう言って、家の中に入っていくフウ・・・多分今の時間的には朝食と昼食の間の時間だから、朝ご飯と言っていいか解らないけど・・・


いや!その前に他の人達は?!放置しているけど!こっちを見て、何だか休みたいオーラを4人共出してるよ!!


「貴方たちはせめて、ゴーレム1体位倒しなさい、倒さない限り休みは無し!!」


そう言ってフウは家の中に入っていく・・・えっまじでこのまま放置?


「お父様、入りましょう?」


そうフウに促され・・・俺はそのまま家に入っていく・・・


それから、食事を取っている間・・・ずっと地響きは続いていくのであった・・・


食事をとった後、さすがに俺はあれは無いと思い、フウを説得させて何とか休ませて食事をとらせた・・・


「神様ありがとうございます!!」


とエレナは俺を拝み


「救世主様」


とエレナは呆けた顔をして


「ぐず・・・ぐず・・・」


とニームは泣きじゃくり


「ありがとうございますありがとうございますありがとうございます・・・・・」


と壊れたようにファンがお礼を言ってきた・・・本当にフウを説得して止めて良かった・・・


「フウやり過ぎなんじゃないか?」


「・・・全然実力が足りないんだもん・・・」


「いやそれ言っちゃったら、俺なんて・・・」


「お父様を守る為に買ったのに・・・全然頼りないんだもん・・・」


「がは」


とユウナ・・・


「なあ、フウ俺別に要人でも何でもないんだ・・・狙われている訳でもないんだし、そんなに鍛えなくても・・・」


「・・・・絶対って言いきれないもん・・・」


「フウ・・・・・・?」


そう言ってフウは下を向いたが・・・すぐに顔を上げ・・・


「ご飯さっさと食べて!!すぐに続きをします!!!」


と言い放った・・・頑張れ・・・と心の中で応援する・・・・


ん?待てよ・・・


「なあ、俺も参加してもいいか?」


そう、確かにゴーレムは危険だ、その物理の固さはAランクの戦士すら傷つけるのが難しい、だが今ゴーレムを操作しているのはフウだ、怪我はするかもしれないが死にはしないだろう。


かなり無茶苦茶な訓練方法だが強くなる為の訓練としては最適なのではと考えた俺は、フウにそう発言した・・・だが・・・


「駄目です!!」


一瞬で却下されました・・・


「どうしても・・・?」


「お父様は私が守りますので・・・」


そう言って会話が終わってしまった・・・なあ、まじで俺強くなれないの・・・・?


その後、4人が訓練に戻ったのだが、その訓練の様子を見てすぐさまやらなくて良かったと思った。


あのゴーレム図体が大きい割に速くて全然動きが見えないんだ・・・・多分、俺一瞬でやられるわ・・・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます