謎の店

私は、マーキングを付けた後、もう少し城を調べた。


間取りと結界に付随されている魔法等を確認していた際、さっき魔法でマーキングを付けた人が城の外に出たのを確認した為、私は調査を止めてその人の後を追って外に出た・・・


本当は、外に出た時点で魔法を検知する結界はもう既に無い為、気兼ねなく魔法を使うことが出来る・・・


だから、すぐに記憶を覗く魔法をリーダーぽい人に使ってもよかったが、さっきリーダーぽい人にマーキングした際、気付かれそうになったこともあり、その魔法を使う事に慎重になっていた・・・


・・・私の存在がバレてしまっては、ここまで隠密に動いていたのが無駄になる・・・そう思って、もう少し様子を見る事にした・・・


しばらく歩いていると、人通りが少ない所にマーキングが移動して行き、ある建物に入っていくのを確認した・・・


私がマーキングが入っていった建物に急いで、移動した所・・・そこにあったのは、古ぼけたバーだった・・・


見た目は古ぼけたバー・・・だが、さっきの城に入った際に掛けられていた結界・・・マーキングを付けた際にバレそうになったことを思い出し私は二の足を踏んでしまう・・・


(・・もし万が一私の存在がバレたら・・・・)


そんな不安がよぎる・・・だが・・・ここで私が入らない選択肢はない・・・ここで入らなければ、マーキングでここまで泳がせた意味がなくなるのだから・・・


(このお店がある場所、人通りも少ないし、最悪ここでやり合うかもしれない・・・・)


私はそう判断して、自分の身体を隠蔽魔法で隠したまま入っていった・・・


それに・・・城の中でなければ、結界による制限はない・・・魔法は使い放題だ!・・・・バレたとしてもいくらでも対応できる!!


さすがに、城で使われている検知魔法がここまで使われている訳が無いだろうし・・・そうじゃなかったら、以前に図書館に忍び込んだ際、その事がバレているはずだ・・・


そう私が思ったこその判断だった・・・


お店の中に入ると、さっき城の隠し通路から出て来た人達は店の店主と何か話していた・・・


そして、暫く何かを喋ったかと思うと、お店の人が、魔力を帯びた札を懐から取り出し壁に押し当てた・・・すると、壁の一部が、持ち上がり、隠し通路が出現した・・・


そして、そのまま、不審な人物達(城に潜入した私が言える立場じゃないけど)は隠し通路に入っていった・・・


隠し通路があるって、やっぱり普通のお店じゃないよね・・・


そんな事を思いながら、私も急いで後をついて、隠し通路に入っていく・・・


結構近くまで、近づいちゃったけど、バレている気配がない・・・


ここまで近づいても、ばれないんならもうここで記憶を見る魔法を使っても大丈夫じゃないかな?


・・・お父様以外の人の記憶は覗きたくはないけれど、お父様の安全の為だし・・・背に腹は代えられない・・・


そんな事を思っていると・・・


「戻りましたか・・・」


と通路の奥の扉から声が聞こえた・・・奥の扉の中は、部屋になっているらしく、扉の中の気配を探ってみると、十数人位いる事が確認できた・・・


後を付けていた3人が扉に入ったので、私も慌てて入る・・・ここまで、後を付けていて、入らない選択肢はない・・・


もし万が一バレても、この人数なら、最悪逃げきれるだろう・・・その為の魔道具も準備しているし・・・大丈夫なはず・・・


そう思ったからこそ、私は入る事を決意した・・・


「・・・・説明を・・・・・・・」


私が入るとすぐに扉の奥に居た人の一人がそう言った。


そして、その言葉のすぐ後に、私がマーキングをしたリーダー格と思わしき人物が話し始めた・・・


その話の内容は、フォーカの街で噂になっている、子供を王の所に連れてきて・・・仲間に引き込むよう段取りを組むという話だった・・・


・・・やっぱり城で話をしていた子供は、私の事で・・・


この人達が私を無理やり勧誘をしようとしている人物達らしい・・・


・・・そうなると尚更、このリーダーぽい人の記憶を覗かないといけないよね・・・


私は記憶を読み取る決意をすると、話をしている人物に魔法を使っても、違和感を感じない様に入念に前準備をする・・・


この空間全体を私の魔力を微弱に混ぜたり・・・弱い精神魔法を発したり等・・・色々して・・・私が魔法を使っても、違和感を感じないようにする・・・


数分後・・・これで魔法を使っているのがバレたら、駄目ならもうどうしようもない程、入念な準備をした・・・・・


今度こそ!少しの違和感すら感じない様にやってやる!!


私は緊張しながらも、魔法をかけた・・・・


今度はバレていない様だ・・・・・やった!!って喜んでる場合じゃない!!急いで必要な情報を引き出さないと・・・!!


(とにかく頭の中から必要な情報を・・・転移装置、そんなものがあるんだ・・・で転移する為の鍵って言うのが・・・・・今持っているっていう訳ね・・・)


私はそれ以外にも必要な情報を引き出した・・・


これ位の情報量なら、全部引き出してもいいかもしれないが・・・要らない記憶も引き出して、お父様との記憶を圧迫させる位なら必要最低限の記憶だけ引き出したい・・・


幸い、魔法をかけられている事をバレていないみたいなので、十分情報の精査することが出来る!!と言っても、数秒位でその精査も終わった・・・


とは言え、その数秒で、気づかれる可能性もあった為、結構ドキドキものだった


その後、私はフォーカの傍に転移装置がある事をさっき記憶を覗いた時に知った為、その装置を起動させる鍵をリーダーの身体から魔法を使って探す・・・


記憶が確かなら、今まさに身に着けているはずだ・・・


私は魔法をさっきと同じに認識させない様に使いながら、細心の注意を払いながら鍵の場所を特定し、転移魔法で鍵を私の手元へ転移させた。


(やった!!)


私は手にした鍵を手に持ちながら、この部屋の中を転移魔法で抜け出した・・・・


(とりあえず、今すぐ王都の外に空を飛びながら移動・・・転移魔法で街の外に行く方が速いんだけど・・・遠い距離を転移する場合、それだけ魔力を使うから、街に使われている結界に掛けられている感知魔法でも、バレてしまうかのせいもある・・・)


そう・・・街の中にも、感知魔法はかけられている・・・まあ、城の中にある、感知魔法より弱い為、近い距離の転移なら、バレないと思うのだが、遠い距離だと感知される可能性がある・・・


だから、遠い距離を転移する場合は、街の外でやる必要性がある・・・


(もし万が一バレたら、今までの苦労が水の泡になっちゃうしね♪・・・危ない橋を渡ってお父様を危険にさらすのは不本意ですし・・・っと、良し外に出れた・・・これで、すぐにフォーカに転移して・・・・)


そう・・・私が王都から、外に出たのは、フォーカに戻って、転移装置を破壊する為に来たのだ・・・


何で、転移装置を破壊しに来たのかって?もし、転移装置が残っていた場合、この問題が解決しても、別の問題が発生して、また今回と同じような展開になった際、お父様を暗殺しようとする、輩が出ないとは限りません!!


その際、この転移魔法を使われたら・・・私でも対応できないかもしれない・・・そう思ったからこそ、すぐに転移装置を破壊する事を決断した


(確か・・・この辺に転移装置が・・・)


私はさっき盗み出した鍵を元手に転移が出来る場所をを洗い出していた・・・


この私の手元にあるマジックアイテム、これ自体はただの転移装置を動かす鍵であって、術式があるのは、場所そのものに刻み込まれている・・・その為にこの場所に来たのだ・・・


マジックアイテムが本体だったら、フォーカに戻らなくても済んだのに・・・


ちなみに、転移先は魔の森の正規の入口から離れた端の方にあった・・・


しかも、普通の人ならまず、通らない場所の端っこの方に・・・


こんな場所に、こんな高度な術式が刻め込まれているなんて思いもしないだろうなあ・・・現に私もこの鍵が無かったら、解らなかったし・・・


そんな事を思いながら、刻み込まれていた術式を使えない様にした・・・


これで、このマジックアイテムを使って転移は出来なくなったはずだ・・・


さっきのリーダー格の人から覗いた記憶によると、敵の仲間の中に転移魔法を使える人は居ないという事は解っている・・・


そもそも転移魔法を使える人がマイルの様な英雄クラス以外の魔法使い以外にほとんど使えないことを記憶を覗いて知ったので、これで安心できる・・・・


とは言え、これはあくまでも時間稼ぎ、転移魔法を使えなくても、この街にくる方法はいくらでもあるはずだ・・・急いでこの問題を解決しなければ・・・・


私は急いで王都に戻り、準備に取り掛かるのであった・・・・

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