異世界のフウ達

あの人に拾われ、私達の人生は変わった・・・


世界全てから、否定され、全てが無くなり、縋るものすら消えてしまった・・・・


全てが無くなった時に、彼女は・・・いや、彼女達は私の前に現れた・・・


彼女達は言った・・・世界に復讐をしようと・・・


私達を受け入れない世界を壊し・・・私達の憎しみ、辛さを・・・世界に思い知らせようと・・・言って、手を差し出してきた・・・


私はその手を掴み・・・そして、私は彼女らの仲間になった・・・


彼女らは、異世界の私という事を教えてくれた・・・


異世界・・・私が知っている世界にも他に世界があり、そこには、他の私が居て、それが今目の前に居る彼女達である事を教えてくれた・・・


そして、私が居たあの世界も、そんな膨大にある世界の中の一つでしかない事も教えてくれた・・・


・・・私は、他の世界の私・・・いや、彼女達が生きて来たかを教えてもらった・・・


・・・その結果・・・彼女達も私と同じようにとても過酷な人生を歩んでいた事を知った・・・


・・・下手をすれば、私以上過酷な人生を送った者も居た・・・・


・・・異世界の自分も含めて・・・世界のどこにも私達の居場所はない・・・・


彼女達の話を聞き、私はそう思う様になっていった・・・


そう考えた時・・・私は全ての倫理観を捨て・・・異世界を含めた全ての世界を滅ぼすことに決めた・・・


・・・どうせ・・・私達に居場所なんてないのだから・・・


・・・私達は誰にも縛られない・・・


そして、誰にも指示されない・・・好きなように生き、好きなように死ぬ・・・


・・・世界から捨てられた私達は、そうやって人生を歩んでいく・・・これからも、ずっとそうだと思っていた・・・彼女達と一緒に・・・


だが・・・そうとはならかった・・・


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ここは・・・」


私は頭を抑えながら、起き上がる・・・頭が痛い・・・


周りを見渡すと・・・私の仲間達が倒れていたのが見える・・・


その光景を見た瞬間、私はまどろんでいた意識が一瞬で覚醒した・・・


(何で皆が倒れている?!)


そう考えた瞬間・・・思い出す・・・この惨状以前の記憶を・・・


――――――――――――――――――――――――――――――


・・・私は休息をとっていた・・・そして・・・同時に眠気も・・・


・・・今まで、私達は様々な世界を消滅させていたが、その疲れが溜まっていたのだろう・・・


・・・眠る必要が無い身体が休眠を欲してきたのだ・・・


・・・これが、何かを作業をしているのなら、起きて居なければいけないのだが、今はリーダーから、全員に休憩をとる様に言われている・・・暇な時間を過ごしている位だ・・・


まあ、万が一、この空間に強襲される可能性もあるかも知れないが・・・・これまで一度も、神も含めて、この空間に侵入されたことはない・・・


そこまで心配をする事は無いだろう・・・


そう結論付けた私は・・・その欲望のまま、眠る事にした・・・久しぶりの休息・・・


・・・存分に味わせてもらおう・・・


・・・私は、彼女達と初めて会った頃の夢を見た・・・


・・・その頃の私は、誰も信じることが出来なかった・・・


人間に裏切られ・・・別な種族からは差別され・・・誰も私を見てくれなかった・・・


だが、彼女達は違った・・・誰も信じられず・・・心を閉ざしていた私に対し、真摯に話を聞いてくれ・・・親身になって、対話してくれた・・・


そうしている内に、気づいていら、彼女達の話を聞いていた・・・


そして、次第に、その考え方に賛同し・・・私は彼女らと行動することを決めた・・・


世界を滅ぼす・・・たった六文字だが、その労力は途轍もなかった・・・1つの世界で何億・・・下手をすれば何百億もの人が居る・・・・


そして、世界を消滅させるという事は、その全ての人を殺すと同じ事・・・さんざん、苦渋を舐めさせてきた人々だが、それでも私は多少なりとも罪悪感があった・・・


だが、世界を滅ぼしていく内に、最初にあった、罪悪感は消え去り、いつしか、世界を滅ぼすことに・・・快感を覚える様になっていった・・・


あれだけ、私を傷を付けた、世界・・・それを壊すだけで、少しだけだが、胸の中のイライラが収まった・・・


例えそれが一時的な逃避だったとしても、私はそれに縋ったのだ・・・


そんな中、私は、彼女達のリーダーと出会った・・・


・・・始めにリーダーに会った時は、とてつもなく恐ろしかった・・・


私は今まで、どんな巨大な敵が出て来ても、怯んだことが無かったのだが、リーダーの姿を見て、初めて、恐怖を感じた・・・


・・・だが・・・リーダーと触れ合っている内に、少しずつ、彼女の事が解っていった・・・彼女が、化け物であるのは、見た目だけであると・・・


心の中は・・・私よりも・・・ううん・・・下手をすれば、私達の中で、一番優しい心の持ち主であった・・・


彼女は、誰よりも、繊細で、優しく、他人思いで・・・


私達の中で、誰よりも、世界を壊している事に意味がない事を知っていた・・・・


知っていて、尚・・・彼女は、現状を認めたくないが故・・・世界を破壊している事を知った・・・


・・・・世界を壊しても、何も戻らない・・・それを知りながら、私達は世界を壊していった・・・


だって・・・私達は、それしか、生きる意味が無いから・・・それしか、生きる意味を見出せないから・・・


それ以外に生きる価値が無いから・・・・だから、私達は、ドンドン世界を消滅させていった・・


・・・時には、異世界の私を勧誘しつつ、神の使いを・・・勇者を・・・聖女を・・・天使を・・・殺しつつドンドンと壊していった・・・・


そうして世界を壊している夢を見ている内に・・・・


私は・・・・・目を覚ました・・・


・・・・何だか、懐かしい夢を見た・・・


・・・世界を壊す理由や罪悪感か・・・そんな事を考えていた事もあったな・・・


もう今では、ただただ、どんな風に壊すのか・・・それだけしか考えなくなり、そんな事なんて考えない様になっていたな・・・


私が昔の事を思い出し、苦笑していると・・・頭の中にリーダーの念話が届いた・・・


・・・何だ・・・と思ったが、リーダーが送って来た念話が緊急用だと知って、私に衝撃が走る・・・


私達には、普通の念話と緊急用の念話、二つが使われている・・・・


緊急用の念話は、リーダーしか使わず、しかも、本当に緊急でない限り、この念話は使われない・・・


理由は・・・この念話は、誰かが、普通の念話をしていても、強引に、中断させ、この念話を届ける為、私達が念話を話をしているのさえ、遮ってしまう為・・・


だから、私も、その念話の話を聞いた事があるだけで、使われたのは、今回が初めてであった・・・


それ程、重要性が高い念話・・・


(何事だ・・・?)


いきなりの緊急念話・・・私と周りに居る私達は、緊張しながらもその内容を聞いた・・・


『全員転移で私の所に来い!!今すぐだ!!』


リーダーが、収集命令を出してきた・・・こんな事今まで一度も起きた事なんてない・・・


私達は、急いで、リーダーの所に転移をした・・・すると・・・そこには・・・


小さな女の子がリーダーと対峙していた・・・


何で・・・女の子がここに・・・そう思っていると、更に、リーダーが念話で状況を説明してきた・・・


目の前に居る、子供は、異世界の私達であり、この空間を壊す為に来た敵である・・・


そう言って来たのだ・・・初めは何かの冗談だと思った・・・だって、どう見ても、ただの子供にしか見えなかったのだから・・・


だが・・・すぐに気づいた・・・目の前の子供が、ただの子供でないことに・・・私達と同等・・・いやそれ以上の力を持っている事に・・・


第一、この空間に子供がいること自体が異常だ・・・この空間は、神をも、欺く程の隠蔽を施している空間・・・そんな空間に居る時点で普通ではない・・・


そして、何より・・・彼女から溢れ出ている力・・・恐らく、彼女も隠蔽魔法を使っているのだろうが、それでも、隠しきれていない、彼女の力・・・


・・・こんな力を持つ者なんて・・・リーダー以外見たことが無い・・・そんな事を考えていると・・・


『私が合図をしたら攻撃しろ・・・私は隙を見て、奴に一撃必殺の攻撃を当てる!!』


そうリーダーが言って来た・・・リーダーも解っているのだろう・・・相手が一筋縄でいかないことを・・・


だからこそ、私達を使ってでも、一撃で仕留めなければいけないという事も・・・


普段リーダーは私達を囮や犠牲にする作戦は立てない・・・なのに、その作戦を強行するという事は、それだけ余裕がないのだろう・・・


私達は、リーダーの念話の言葉に頷く・・・そして・・・


「サア・・・シネ!!」


『行くぞ!!』


その言葉と一緒に、私達は飛び出した・・・そして・・・


その瞬間、私の記憶は無くなった・・・

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