別世界のフウ 狂い始めた運命

私は精霊と一緒に、人間に追われた、妖精や、他の精霊達を世話をする様になった・・・初めは慣れなかった作業が多く、妖精、精霊達も私を警戒して、近寄っても来なかった・・・


だが、10年、20年、30年と世話をしていく内に、少しずつ、距離を縮まっていった。


私の世話をしていた精霊は、他の精霊と区別する為に、精霊さんと呼ぶようになった・・・最初は照れ臭かったが、次第にさん付けで呼ぶことに慣れていった・・・


ちなみに、私の名前は、セイと言う名前を名付けられた・・・それから、私は、精霊さんと一緒に様々な事をした・・・


精霊さんには様々な事を教えてもらった、一般常識に、世界に着いての情勢、歴史・・・本当に様々な事をだ・・・・


それだけでは無く、魔法についてもきちんと教えてもらった・・・攻撃魔法はほとんど、教えてもらわなかったが、簡単な回復魔法や結界、障壁の張り方、簡単なマジックアイテムの作り方や使い方も教えてもらった・・・


本当に楽しかった・・・ずっと精霊さんと一緒に居られると本当にその時はそう思った・・・だが・・・それは違った・・・


それから、妖精、精霊達の世話に慣れてきて、暫く経った後、勇者と言う、人間がやって来た・・・


何でも、精霊さんの力を貸して欲しいという事だ・・・最初は渋っていた精霊さんも、最後は了承した・・・


「今のお前なら、一人で妖精、精霊達を世話を出来る、だからセイ・・・任せた・・・」


そう言って、精霊さんは勇者と共に、出て行った・・・私は悲しかったが、精霊さんがお願いした事をきちんと全うしようと頑張った・・・


それから1年が経ち、2年が経ち、3年目になって、精霊さんは一度、私の所に、顔を出した・・・


「元気でやっているみたいだな・・・」


そう言う、精霊さんの顔はどこか疲れている様だった・・・私はもう旅何て辞めようって言ったのだが・・・


「大丈夫だ・・・それより、ここの守りを頼む・・・」


そう言って、精霊さんはまた、旅に出て行ってしまった・・・それから、4年目が経ち・・・5年目、ようやく、精霊さんが帰って来た・・・


「ただいま・・・」


そう言う、精霊さんに私は抱き着いた・・・ようやく帰って来た、その安堵から、涙が零れ落ちた・・・


だが、それから、100年毎に勇者達は精霊さんを誘って来た・・・精霊さんも、最初は、断るのだが、最後には、勇者達の条件を飲み、一緒に旅に出て行ってしまった・・・だが、それでも、数年後には、必ず帰って来た、だから、私は我慢できた・・・・


500年後、ある出来事が起きるまでは・・・


精霊さんが、勇者と言う人との旅から帰って来たある日、感知用の結界に、人間が引っ掛かった・・・


「・・・精霊さん、人間が来てるよ・・・」


「・・・何だ・・・?魔王は倒したはず・・・それにこの魔力の感じ、今期の勇者では無いな・・・」


そう精霊さんが言った瞬間、村に向かって魔法が放たれた・・・


バッコオォォオン


何が・・・?私がそう思う時間も無く・・・


「セイ!!妖精!精霊達を集めて!逃げろ!!早く!!!」


焦った声の精霊さんの声が村に響いた・・・私は急いで、妖精、精霊達を集めた・・・幸い、放たれる魔法は結界で防いでいた為、まだ、大丈夫だが、時間の問題だ・・・・なんせ・・・


ずっと魔法が村に向かって放たれているのだから・・・


10や20では無い、100や200の魔法が絶え間なくこちらの村に向かって、放たれているのだ・・・


「くそ!私が、国の庇護下に入らなかったのが、そんなに気に食わなかったのか!!」


精霊さんがよく解らない事を言っていたが、これだけは解った・・・ここに居れば、妖精、精霊達は全員死んでしまうという事だ・・・


「妖精、精霊達を守りながら、この包囲網を突破するぞ!!」


そう言って、精霊さんの指示の元、この森からの脱出を図った・・・だが、思ったより、私達を囲っていた人間達は多く・・・ほとんどの妖精、精霊達は一緒に逃げられなかった・・・・


私は人間達に攻撃をしようとしたが・・・


「お前は!お前だけは!!汚れないでくれ!!!殺さないでくれ!!!」


そう精霊さんに言われてしまい、結局、結界を張って守る事しか出来なかった・・・


そして、それから、私達の逃走劇が始まった・・・


後から聞いたのだが、何でも、精霊さんが、勇者と旅に出た時、国の庇護下に着くように言われたらしい・・・しかも、お願いでは無く、命令と言う形で・・・


精霊さんは旅に出るたびにその話を断っていたのだが、頼み方が、100年単位で、過激になっていき、酷い所だと、勇者達のパーティごと、攻撃をして捕まえようとした国もあったらしい・・・


何でも、神の精霊と人間達に、精霊さんは呼ばれていて、その神聖な力を手に入れようと人間達は精霊さんを手に入れようと躍起になったらしい・・・


神の名を冠する精霊さんが陣地に居れば、他の国をとる戦争を仕掛けても、神の精霊の名の下に、戦争を行う、名目が立つ・・・それだけの理由で手に入れようとしている・・・・そう精霊さんは言った・・・


戦争に、名目も何も無い・・・ただ、人が死んでいく、虚しい争いなのに、何故争う・・・精霊さんは話を終えた後、そう呟いた・・・・


そして、今、魔王を倒した後、どこで手に入れたのか、解らないが、人間は精霊さんの居場所の情報を手に入れ、私達の村を襲って来たらしい・・・


本当に、何でそんな事をするのか・・・私達はただ、精霊さんと平穏に暮らしたいだけなのに・・・


・・・その後も、人間達の猛追は、留まる事を知らなかった・・・・


次第に、数を減らしていく、今まで、私達と一緒だった・・・妖精、精霊達・・・増えていく、追ってくる人間達・・・


そして・・・


「・・・もう無理かもな・・・」


そう言った、精霊さんと私・・・数人の妖精、精霊の前に、数万もの人間の軍勢が取り囲んでいた・・・


しかも、その中に、膨大な魔力を持った人間達が沢山いた・・・何でも、英雄クラスと言う、人間の中でも、突出した力を持った人が居るらしいのだが、それらしい人間が、少なくとも、数百人はいた・・・・


「・・・何でだろうな・・・何で・・・こうなる・・・ただ、私は、人間に乱獲されている妖精、精霊達を守りたかっただけなのに・・・どうして・・・」


そんな精霊さんの呟きを踏み潰す様に・・・数万の軍隊は私達の所に、迫って来た・・・・


精霊さんは奮闘をした・・・人間達に、様々な魔法を放ち・・・多彩な動きで周りを翻弄し・・・敵の数を減らしていった・・・


だが、多勢に無勢・・・しかも、逃げる為に、魔力を振り絞って来た精霊さんは、もはや、残っている魔力も少なかった・・・そして・・・


「・・・セ・・・・・・イ・・・・・逃・・・・げ・・・・・」


その言葉を最後に、精霊さんは動かなくなった・・・・


「ちっ!結局、生け捕りは無理だったかよ!!」


妖精、精霊達はとっくに死んでしまっていた・・・


「いいんじゃないんですか?死んでいても、生きているように偽装すれば、誰も解りませんよ・・・訴えそうなやつも、ここで死んでいますし・・・勇者や聖女達は既に処分しています・・・」


・・・・何で・・・精霊さんは、死んでいるの・・・?私が今まで、世話をして来た、妖精、精霊達は・・・?


「そう言えば、あそこに地面に座っている奴、何だ・・・?」


「さあ?ずっと神の精霊の傍にいましたが、解りません・・・戦いの中でも、最後まで、攻撃をしないで、守りに徹していたので、ほとんど無視していましたが・・・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何で・・・・・・・・・・・?


「だったら、丁度いい、捕らえて、神の精霊の代わりに・・・・」


ウアアアアアアアアアアアアアア・・・!!!!!


その時、セイの中の何かが壊れた・・・今までセイは・・・精霊さん・・・他の妖精、精霊さん達を巻き込まない様に・・・無意識に力を抑えていた・・・


だが守るべきものは無くなり、セイを抑えつけていた枷は完全に無くなった・・・


「おい!魔力が奪われているぞ!!!」


ある一人の人間が異変に気付き、叫んだ・・・


「魔力だけじゃねえ!!生命力もだ!!!」


「何でいきなり・・・お前か!!!」


セイの近くに居た、人間がセイに向かって、剣を振り降ろした・・・だが、それが、セイに届く事は無かった・・・・いや届いてはいた・・・だが、セイに向かって振り降ろされた剣はセイに当たった瞬間に粉々に砕け散った・・・


「ば・・・化け物・・・」


そうセイに対し言う、人間・・・それも無理が無いだろう・・・セイの容姿は、先程とは違く、醜く変貌し、正しく化け物と言っても、差支えない姿になっていた・・・・


「・・・・・・・・・・・・・コロシテヤル・・・・・・・コロシテヤル・・・・・コロシテヤアアアアアルルルルル!!!!!!!!!!」


地獄の雄叫びそう、比喩できるほどの雄たけびをあげ、セイは、人間達の軍隊に突っ込んだ・・・人間達は反撃をしてきたが、セイはそんなものは関係なしに暴れまわった・・・・


体力、魔力が無くなれば、近くに居る人間から奪い・・・傷を負えば、回復魔法・・・いや、変容した身体は、勝手に回復をして、傷を癒す・・・・


精霊さんから教わった、護衛の為に教えてもらった、幻影魔法も、ここに居る全員に恐ろしい幻影を見せ、同士討ちを誘った・・・・


そして、奪ったのは、魔力、体力だけでは無かった、人間の強さの証・・・スキルさえ奪いつくした・・・


何故出来たのか、どうして出来たのか・・・それは解らない・・・だが、セイには無意識にスキルをどう使えばいいのかが解った・・・


スキルを奪えば、英雄クラスと言えど、ただの人間・・・そこからは一方的な虐殺だった・・・そして、気づいた時には、生きている人間はだれ一人居なかった・・・・


「オワッタヨ・・・セイレイサン・・・・」


セイの呟きは誰にも聞こえなかった・・・

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