犬のフウ

あれから、フウに色々聞いた・・・魔王を倒した時に、邪神・・・絶対神ドーラが現れ倒した事・・・倒したのいいが、それが、本物の力の一部分でしかなかったことに、気がついていたという事・・・


このままではいつか、絶対神ドーラが復活してしまう・・・だから、今日まで頑張って強くなる為に修行していたことを伝えた・・・


ちなみに、俺の目の前に精霊さんと一緒に居た、男はロイドと言う人で、絶対神ドーラを長い間・・・たった一人で封印していたらしい。


それこそ、数千年・・・下手をすれば、それ以上の年月を・・・たった一人で・・・


ちなみに、そのロイドが封印をしていた、肝心の絶対神はどうなったかと聞いたら・・・


「倒しました!!」


と元気よくフウが言い放った・・・・・なあ、さっきの話の通りなら、その人、絶対神ドーラを封印する為に、ずっと一人で頑張っていたんだよな・・・


それこそ、俺が経験をしたことが無いであろう、長い月日を・・・


・・・それを、まだ、3年しか生きていないであろうフウが倒した・・・何だか、今までのロイドの苦労を考えると、フウが本当に倒して良かったんだろうか・・・・そんな事すら考えてしまう・・・・


だが、フウはそんな事を気にせずに、笑顔でこう言い放った・・・


「精霊さんも喜んでもらったみたいですし良かったです!!!」


「えっ?!」


どういう事?何で精霊さんが出て来たんだ?!俺が疑問に思っていると、フウが説明してくれた。


何でも、そのロイドは、精霊さんの思い人だとフウが言った・・・ああ・・だから、2人にしようとして、置いて、帰って来たのか・・・


「これで!ハッピーエンドです!!」


とフウは胸を張って笑顔で言い放った・・・なあ、どうでもいいというか、今更なんだが、絶対神ドーラってとてつもなく強いって、創造神ズアルという神が言ってたんだよな・・・・


本当に・・・どうやって倒したの・・・・そのことを聞いてみたら・・


「・・・それは・・・出来たら、聞かないでください・・・・」


そう言って、フウは横を向いた・・・『聞かないでください』?!


・・・もしかして、精霊さんが授業で言葉だけ教えてもらった、禁術と言うものを使ったんじゃないだろうな!!


あれ!ものによっては!代償を払うものがあり・・・その代償の大きさによっては下手をすれば命を落とす可能性があるって精霊さんが言っていた奴だぞ・・・まさか、それを・・・・!!


・・・・俺がフウに詰め寄ると・・・


「違います!!余りにも絶対神ドーラが弱すぎて・・・・弱すぎて・・・・」


そう言うと、フウは下を向いた・・・ちょっと涙ぐんでいる・・・多分この感じは演技では無いのだろう・・・


恐らく、本当にフウにとって、絶対神ドーラは弱すぎたのだ・・・・信じれないけれど・・・


・・そっか・・・絶対神ドーラ弱かったのか・・・・


創造神ズアルがめちゃくちゃ強いみたいな事言っていたのに、フウにとっては弱かったのか・・・・


なあ、フウ・・・何で俺、お前のご主人様やってるんだっけ・・・お前どう考えても!一人で生きられるじゃん!!神様含めて!勝てる相手居ないんじゃないの!!?本当に!!


俺が心の中で叫んでいると・・・・フウが俺の胸に飛び込んできた・・・・


「・・・今まで無駄に頑張ったご褒美を下さい・・・」


そう言うと、フウは俺の身体に、頭を擦り付け始めた・・そんな甘えてくるフウに対し、頭を撫でながらこう思う・・・


・・・なあ、本当に、お前、絶対神ドーラって言う神様倒したの?!魔王を倒した時もそうだったんだけど!想像できないんだけど!!?


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神の世界に行って、一週間たったある日、俺に衝撃的な出来事が起きた・・・今まで、魔の森、魔界、神の世界と様々な所に行って来て、そっとやそっとじゃ驚かないと思っていたが、これには驚いた・・・・


フウが二人いる・・・いや正確には違う・・・・だってもう一人のフウには、本物のフウには無い、尻尾と犬耳が付いているのだから・・・


「・・・・・なあ・・・・フウ・・・これは・・・・・・」


「犬です!!」


「ワン!!!」


そう言って、犬としっぽがあるフウ・・・犬フウは吠えた・・・もう、姿形は尻尾と耳以外フウと瓜二つである・・・・


「・・・なあ、こいつホムンクルスという訳じゃ・・・」


そういえば、フウはホムンクルスを今までに2人も作っていたはず、それなら、自分と同じ姿で、尻尾と犬耳を付けたのも、作れるはず・・・


「・・・・?ただの犬ですよ?ねえ?」


そう言って、犬フウに話しかけるフウ・・・えっ?そうですって言わないって事は違うの?!


いつものフウなら、当たっていたら、そうです!というのに、それを言わない・・・もしかして、本当に犬・・・?


「ワン!」


そう元気よく鳴いて犬フウは俺に引っ付いて来た・・・いや!どう見ても犬じゃないだろう!!


・・・犬のフウか(ゴクリ)・・・いやいやいや!これは駄目だろう!!!駄目だって!!


「どう見ても!犬じゃないだろう!!二足歩行だし!!外見はフウに瓜二つだし!!というより!!ホムンクルスじゃないんだったら!!どこから連れて来た!!まじで!!!」


「クゥゥゥゥン・・・」


俺が大声を出すと、犬フウは悲しそな声を出した・・・いや、その外見でそんな顔をされると、罪悪感が・・・


「飼っちゃ駄目でしょうか?」


「クゥゥゥゥン・・・・・」


2人共、心配そうな顔でこちらを見てくる・・・・いや!これはさすがに・・・


「駄目ですか・・・?」


「クゥゥゥゥゥン・・・」


・・・・犬が俺の足にすり寄ってくる・・・いや!犬じゃない!!だろう!!しっかりしろ!!俺!!


駄目に決まって・・・


「駄目なんでしょうか・・・・?」


「クゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいよ・・・・・」


「ありがとうございます!!」


「ワンワン!!」


そう吠えて、犬フウは俺の周りをクルクル回った・・・


・・・・・負けてしまった・・・折れてはいけない場面で、折れてしまった・・・・本当に良いのか?


どう見ても、犬じゃないだろう・・・これ・・・・いや、本人が納得しているのなら・・・・いや!駄目だろう!!第一、知能もあるかどうかさえ・・・


色々考えている内・・・犬フウが俺の身体に頭を擦り付けて来た・・・・・・・・・・・まあ、いいか、可愛いし・・・・・


俺は思考を放棄した・・・・その後、犬フウはムイと言う名前を付けた・・・・


なあ・・・本当にこれでよかったのか?!俺の心の中での問いに誰も答える者はいなかった・・・

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