精霊さんとラーフ

『何故!話しかけて来た!!』


私は念話で、思いっきり怒鳴りつけた・・・そうだった、この結界に感知魔法を付けたのは他ならぬ、ラーフ自身だ。私が神の力に匹敵する力を感知すれば、それは、ラーフにも伝わる事になる・・・・


『・・・貴方は気にならないのですか?フウがあれだけの力を有している事を・・・神の力に匹敵する力を持っている・・・それだけで、この世界が壊れてしまう可能性があるという事を・・・』


その言葉に、私は気づく・・・こやつ・・・フウを神界に連れ去る気では無いかと・・・


『・・・お主まさか、フウを神界に連れて行く気では無いだろうな・・・』


『・・・ええ・・そのつもりですが・・・?まあ、まずは何故力を手に入れたのか是非を問うつもりです・・・危険な思想を持っていた場合、排除しなければいけませんから・・・』


『排除だ?!何故?』


『神に匹敵する力を持つ・・・そんなの真っ当な手段で手に入れられる訳が無い・・・もし、手に入れることが出来たとしても、巨大すぎる力は、全てを滅ぼしてしまう可能性を秘めている・・・それは、絶対神ドーラと闘ったあなたなら解っているはずです・・・』


『・・・だとしても・・・それに・・・神界に行くなんて・・・フウには不可能だ・・・・』


まさか、そんなことが出来る訳が無い・・・あやつフウは、神の身体・・・いや、精霊の身体ですらない、普通の身体なんだぞ・・・それを・・・連れて行く?


そんな事をすれば、肉体は・・・身体は・・・


『では、とりあえず、本人に色々聞いてみましょうか?』


そう言って、私だけ伝えていた念話を切り、フウ達と話している、念話を私にも伝える


『・・・ええ・・・貴方に聞きたい事があって来ました・・・フウ・・・』


「・・・何・・・?」


私は息をのみながら二人の質問を見守る・・・割って入りたいが、今の私は、ロイドが守っているこの世界を守り続けたいという気持ちと、フウの味方であり続けたいという気持ちで、揺れ動いていた・・・


『・・・貴方のその力・・・何に使うおつもりですか・・・?』


ラーフが確信をつく、質問をして来た・・・フウ、お主を信じておるぞ・・・!


「・・・?邪神・・・ドーラの本体と闘う為に強くなっているだけだけど・・・?」


その言葉は、私自身予想外だった・・・邪神・・・絶対神ドーラの事だよな・・・そやつを倒す・・・?そんなの無理に決まっている・・・ロイドですら成し遂げなかった事なのに・・・


『・・・なっ?!正気ですか!!』


その言葉、私も同意見です・・・絶対不可能・・・そう言えるほど、あやつの力は神の力を持ってすら無理と言えるほど、絶対神ドーラの力は巨大すぎるのだ・・・


「・・・?正気も何も、お父様と一緒に居られなくなる可能性が少しでもあるのなら、排除するだけです・・・」


・・・多分本気なんだろうな・・・その為に、神に匹敵する力を手に入れるって・・・だからって、普通は不可能だろう・・・この世の理が壊れる・・・


『・・・・貴方にそれが出来るとでも・・・?』


そう・・・フウはそこまで馬鹿では無いはず、あの時、絶対神ドーラの力の一部分と闘ったフウなら、本体がどれ程力を持っているか、逆算できるはず・・・その上で、闘える何て言えるはずが・・・


「・・・?よく解らないけど、一応、ドーラの本体と闘えるくらいには強くなったつもりなんだけど・・・」


・・・言い切ったよ・・・この子・・・いや!本当?!私自身、今のフウの力が巨大すぎて測れないくなっているが!私の全盛期と契約したロイドが命懸けをかけて、封印しか出来なかった相手だよ!!闘えるの!!


『・・・神界には来れますか・・?』


私が衝撃を受けている内にドンドンと話が進んでいく・・・次に、フウに神界に来れるかとこれまた直球で聞いてきた・・・


「・・・行った事は無いけど、多分・・・」


フウがそう答える・・・


いや!不可能だから!!私が突っ込みをする前に、神界への門が目の前に現れた・・・


『・・・こちらに・・・創造神ズアル様がお待ちです・・・』


いやいやいや!何で当り前の様に門を出しているの!!門を出す行為自体現界に影響があり過ぎておいそれと使えない手段じゃない!!


「待て!!何故!!いきなりフウを神界に連れて行く!!」


私は必死になって口を挟む!!このままではフウが連れていかれてしまう!!


『・・・絶対神ドーラを倒す・・その言葉の真意を確かめる為です・・・』


「だからと言って生身の身体を持つ者が・・・っておい!フウ!!」


私が何とかラーフを説得しようとしている内に、フウが門の所に行ってしまう・・・そして・・・


「待て!フウ!!」


そのまま入ってしまった・・・生身の身体を持つ者が、神界で生きるのは不可能・・・フウの身体は無くなり・・・そして、魂だけに・・・


「大丈夫そうです!お父様行きましょう!!」


・・・普通に門の外に戻ってきました・・・5体満足で・・・


はあ?!何で?!私の頭の中で様々な思いが交錯する・・・何で生きてる?生身の身体で?結界?結界や魔力とかでどうにか出来る次元では無い!なのに普通に出入りしている・・・第一、一度神界に行ったら、簡単に戻ったりできたっけ?


様々な事を頭の中で考えている内に、赤ん坊を含めた・・・全員が門の中に入っていった・・・ちょっと待って!結局、その赤ん坊誰の赤ん坊だったの!!そんな思いも、結局誰も答えなかった・・・


そして、今・・・私はラーフと怒鳴り合っている・・・恐らく、彼女は、フウ達を神界から返さないだろう・・・それ程、フウ達・・・いや、フウの力は強すぎた・・・


フウの力は恐らくこの世界に存在するだけで、影響を及ぼしてしまう・・・今はフウ自身が自らに封印をして防いでいると本人が言っていたが、それがどんなきっかけで、解けてしまうか解らない・・・


第一封印しているのは自分自身なのだ・・・いつでも封印は解けるであろう・・・だからこそ、ラーフは巨大すぎる、力を持つフウを神界に連れて行き、あわよくば、神と同じ魂だけの存在にし、容易に現界に干渉をさせない様にしたかったのかもしれない・・・


まあ、結局、フウの身体は無事で、現界に簡単に戻って来たから、その企みは失敗したようだけど・・・


だが、神界には創造神ゼアルが待っている・・・ラーフのその言葉が本物だとしたら、フウは絶対に帰ってこない・・・創造神ゼアルがいくらやさしくても、世界の理を壊す可能性がある存在を現界に認めるはずが無い・・・・


『とにかく、フウの処遇については、こちらで判断します・・・それでは・・・』


そう言われて、念話が切れる・・・何てことだ・・・もう、フウには二度と会えないのか・・・そう思うと、涙が頬を伝わった・・・


どれだけの、時間が経ったのだろうか・・・不意に、またしても、念話が繋がった・・・この感じ、またラーフか・・・・恐らく、フウの神界での処遇が決まったのだろう・・・恐らく、現界にはフウが二度と来れない事実を伝えに来たのか?私にまたしても辛辣な事実を突きつけてくるのか?


だが、ラーフが語った言葉は私の予想と大きく違っていた・・・


『・・・・・フウが創造神ゼアル様に・・・・・・・・・・・・・勝ちました・・・・』


はい・・・?!

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