精霊さんサイド

「何で!フウを連れて行ったのだ!!!!」


森の中に精霊さんの声が木霊する・・・


『・・・貴方だって、解っていたでしょう・・・もはや、彼女は、この世界の理すら壊せてしまう存在になっている事に・・・・』


ラーフがそう言う、解っている・・・彼女が言いたい事は・・・物凄く・・・


フウが魔王・・・魔神ドーラを倒した後、私は、ラーフの念話による制限を取っ払った・・・本当は、もう世界に関わる事すら嫌だったが、魔王を通して、一時的に魔神ドーラが復活した事で事態が変わった・・・


ロイドの封印が弱まっているのでは・・・そう、考えた私は、いつでも、事態が急変しても、対応できるように、今回の決断をしたのだ・・・・


それが今回の事態を引き起こすとは・・・・


この一年間、本当に平和だった、魔王が倒されたことにより、魔界全土の力は落ち、こちらと、魔界との結界をラーフは張りなおすことが出来た・・・


それにより、こちらの世界の脅威は、魔界から、こちらの世界にやってきて、裏で暗躍をしていた魔族達だけだったのだが、それも、勇者達の活躍により鎮静化されつつあった・・・・


だから、失念していた・・・フウがどれ程成長が速いのかという事を・・・彼女がその気になれば、神すらも凌駕する力を手に入れる可能性があるという事実を失念していたことを思い知るのであった・・・


―――――――----------------------------------


私が何時もの様に、村の中の小屋でのんびりしていると、途轍もない力を持った、存在が転移してくるのを感じた・・・この感じは神?!


私は、以前神の世界で過ごしていたことがある・・・それにより、神の力には敏感になっていた・・・


加えて、ラーフが村の結界に手を加えてくれたおかげで、いくら隠ぺいしようとも・・・ある程度の力・・・神の力を持った者が来た時に、私自身に知らせる様にしていた・・・


それも、これも、魔神・・・絶対神ドーラのあやつが復活をした時に、すぐ対応出来るように考えてだ・・・


もし、復活をしたら、ロイドと所縁があった私を放って置く訳が無い、神の力を持った者をすぐにこの村に向かわせても可笑しく無いという判断からこの様にしたのだ・・・


まあ、私とラーフに復活を知らせるだけで、他には私自身何も出来ないのだがな・・・それだけ、神の力は次元が違うのだ・・・・


その神の力を持った者が来た・・・もうあやつが復活をしたのか?フウにやられたのに・・・そのやられたのも演技だった?・・様々な憶測が頭をかけめくりながら、外に出る・・・


「・・・何だ・・・この魔力は・・・・」


咄嗟に出た言葉がそれだった・・・それ程、巨大な魔力であった・・・ラーフの感知魔法で知ることが出来たが・・・この力の量尋常では無い・・・神と同じ・・・いや、それを凌駕するのではないか、そう感じる程、巨大であった・・・


もしや、絶対神ドーラ本人が来たのか!本気でそう思った程だ・・・だが・・・


「まさか・・・フウなのか・・・?」


そこに居たのは、フウだった・・・一年前、魔王を倒した後、結局、姿を見せず、そのまま、自分達の家でムウ達と過ごしている様だと聞いていたが、なんでここに・・・


「と言うより、この大人数は・・・?何があったのだ・・?」


そう、フウとムウの他にも、たくさん人が居た・・・確か1人は、クロリ―という魔族だったか、確か魔界から連れて来たとラーフが言っておった・・・・後の3人は・・・赤ん坊が2人と幼児が1人・・・?


どうしてここに・・・というより、何で来た・・・?もしや、これ程力を持っている事が関係しているのか?


色々な推測を立てながら考えていると・・・


「・・・精霊さんちょっと・・・」


そう言って、フウがこっちにやって来た・・・本当に久しぶりのフウだ・・・


何で、今まで一度も挨拶をしに来なかったのか・・・色々言いたい事はあった・・・だが、自分自身を頼りに来た我が子の願いを無下には出来ず、フウが誘う通り、村の奥で、話し合う事になった・・・


「・・・それで、どうしたのじゃ・・・フウ・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・フウ・・・?」


「・・・・お父様の力、強くなり過ぎちゃった・・・・」


「はっい?!」


何でも、今連れて来た4人、フウを入れた5人で契約をした所・・・ムウの魔力が途轍もなく高ってしまい。本人が意図しなくとも、膨大な魔力で、下級魔法が上級魔法の様・・・下手をすれば、それ以上の魔法が出てしまうという・・・


って・・・・


「何をやっておるんだ!!!馬鹿!!!!!」


本当に何をしているんだ!!こいつは!!こんなに魔力が大きくなってしまったフウが契約しているのも問題なのに・・・と言うより、それの相談だと思っていたのに・・・・


よりにもよって・・・5人と・・・しかも、あの赤ん坊達の魔力、結界の感知魔法で解っていたが、どう考えても、神と同等の力を持っている・・・


一体あの赤ん坊達が何者なのか解らないが、これだけは解る・・・あの魔力は、人知を超えていると・・・そして、そんな魔力を持った者達が、5人も契約をしているムウが危険な状態という事も・・・


どんな契約でも、魔力の交わりがある・・・それを魔力量が小さいムウが行えば、必然と魔力量の絶対量が大きくならざるおえない・・・普通は身体が耐え切れず、死ぬはずなんだが、よく今日まで生きていたな、フウ・・・いや、その変化も、契約に含まれていたのか?だとしても、かなりめちゃくちゃな方法だ・・・


「精霊さん・・・あの・・・」


「とにかく、この事は、ムウに伝える・・・いいな・・・!」


「・・・えっと、内緒には・・・」


「・・・・・ほう、お主は今までの育ての親である、ムウに隠し事をすると・・・」


「お父様に嫌われたくない・・・・」


「・・・駄目だ!!一歩間違えれば、死んでいたかもしれないんだぞ!あやつにきちんと説明しなければ!」


「・・・そんな!きちんと大丈夫なように契約内容を変えて・・・」


「・・・魔力の交じりがある時点で絶対は無い・・・お主の契約は許可をもらったようだが、他の4人はムウに内緒で行ったんだろう?・・・お主の意図が悪意が無かったとしても、危なかったのは絶対だ・・・」


「・・・でも・・・」


「・・・とにかく話すからな!いいな!!」


それから、ムウにきちんと真実を話した・・・契約内容については、かなり驚いた・・・しかも、その契約内容で、フウ自身が死にかけるとは・・・本当にどんな契約をしているんだ!!あやつは!!


だが、それでも、話はきちんとまとまりそうだった・・・何かあったら相談を私自身にしてくれといった時、嫌だと言われたのは、ダメージを受けたが、それでもきれいに話が終わると思っていた・・・


結界内の感知魔法がラーフによって、付けられたものだという事を忘れて・・・・


『・・・少しいいですか・・・?・・・こちらの世界には本体はありません・・・私は、神ラーフと言います・・・以後お見知りおきを・・・』


この世界の神、ラーフが話をかけて来た・・・

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