精霊さん奮闘記 9

私は結局、フウが倒れたと聞いた後、彼女達の家に行かなかった・・・何も出来なかった私が行くのも変だと思うし・・・何より、今、顔を合わせずらかった・・・


何が、神の精霊だ・・・自分の子供が危険な目に合っているのを知っていながら・・・結局、何も出来なかったでは無いか・・・


結局、その日は一睡もできなかった・・・・


次の日の朝・・・


『フウが目を覚ましていたようですよ・・・』


ラーフから念話でそう、伝えられた・・・


『フウは大丈夫なのか!!!ケガの様子は!!!後遺症は残っていないないな!!!』


『落ち着いて!!!きちんと教えますから!!!とは言っても、フウとムウからでは無く、第三者の人間の目線からしか解りませんが・・・・』


そう言って、ラーフは話し始めた・・・彼女の傷はたった一晩ですっかり良くなっていた事、後遺症も無く、元気な彼女の姿が確認できたこと・・・そして、ムウと一緒に魔界に行く事を決めた事をラーフは言って来た・・・


って待って!!フウはもしかしたら行くかもって思っていたけど、ムウも行くの!!


『・・・何で・・・・』


『・・・理由は解りません、ただ、このままでは、この世界が無事では済まないという事を、彼女は、フウは解っているのかもしれません・・・その為に、魔王を退治をしに・・・・』


『・・・・・・・・・・』


『・・・納得いきませんか・・・?』


『・・・いや、私自身、フウが行きたいと言うのなら、止める事は出来ない・・・何より、止める資格も無いと思っている・・・それに、私が言った所で、犬死が関の山だからな・・・だが、これだけは言わせてくれ・・・』


『はい・・?』


『何で!!ムウが一緒に行くことになっているんだ!!絶対死ぬだろう!!あいつ!!!!』


そう私は、念話の中で、最大限、叫んだ・・・いや、どう考えたって無理だろう・・・あいつ、ゴブリンすら倒せないんだぞ!!!


『・・・それは、ムウ本人も承知の上みたいですが・・・』


『いや、万が一死んでしまったら、誰がフウを抑えるんだ!!彼以外、フウを抑えられる人間などいないだろうに・・・』


『・・・それは、フウが彼を守り切れないという事ですか・・・』


そう、ラーフが言ってくる・・・


『・・・逆に聞きたい、敵の本拠地である、魔界に行って、無事に済むとでも?』


『・・・解りません・・・ただ、彼女・・・フウの力ですが、何があったか解りませんが、途轍もなく、強くなっています・・・』


『・・・はあ・・・?』


何でも、周りのエルフと奴隷達の目からフウの魔力等を確認した所、どう考えても、昨日のより、巨大になっている事が確認できたというのだ・・・


『・・・・力を制御出来なくなって魔力が膨張している訳では無くて?・・・』


『・・・そういった兆候はありませんね・・・それどころか、何だか、彼女自身、生き生きとしています・・・こう言ってはありませんが、下手をすると、生身の状態で神の力に近づいているように感じます・・・』


ちょっと待って!今なんて言った?


『神の力に近づいている?』


『ええ・・・それも急速に・・・』


『・・・身体がある状態だぞ・・・限界があるはずじゃあ・・・』


『・・・・・・本当に彼女・・・フウには、驚かされます・・・他の世界線でも、ここまで、驚異的な成長をした彼女は居ませんでした・・・彼女なら、今回の魔王すら、倒してくれるかもしれません・・・』


そう、ラーフは断言した・・・だが・・・私は・・・


『・・・本当にそこまで、上手くいくのか・・・』


『・・何か・・・?』


『・・・いや、気の所為ならいいのだが・・・』


・・・そう、余りにも、急激に力を付けている、魔王・・・何かが、始まろうとしている・・・そんな気がする・・・・


本当にフウは、あやつを倒すことが出来るのか・・・・何故だか胸騒ぎがする・・・・・・・


―――――――――――――――――――――――――――――――


・・・・その日の夕方・・・村の中で蹲っているボロボロの勇者がいた・・・・・


「・・・えっ・・・?」


『どうしたんだ・・・?』


『・・・今日は、セシルと別行動で、ドラゴンを狩っていたのですが・・・』


そう、今、セシルと勇者は、この魔の森で、お互いに修行をしている・・・最初は、勇者の方は、普通のドラゴンを倒すのにも苦労をしていたが、今では、2人共、ブラックドラゴンを一対一で闘って倒せるほどになっている・・・セシルに至っては、複数を相手にしている程だ・・・


最近では、私が案内して2人同時でディエティドラゴンと闘ったりしている・・・ほとんど、あしらわれている感じだが、あいつと対峙出来ているだけでも、すごく強くなっていたはず・・・そんな勇者が何で、ボロボロに・・・


『・・・フウがやって来て、「お父様が勇者が強いと言ってましたので、確認をしに・・・」と言ってきて、そのまま戦闘・・・結果があれです・・』


・・・・・ムウよ・・・お主、酷な事言って来たな・・・


『・・・恐らく、フウはほとんど、力を出していなかったのでしょう・・・それでも、すざましい力を感じました・・・・今現在で、下手をすれば、下級神クラスまで、力があるかも知れません・・・』


『体がある状態でか!!!』


神と同じ力を持つ・・・その意味はかなり大きい・・・普通、この世界に住む生物達には、力の制限がある、それは、肉体を持っている限り、絶対のはず・・・それをどうやって・・・


『・・・・恐らく、昔の貴方と、ロイドがやったのと同じことだと思います・・・』


『・・・まさか!!!あり得ない!!!』


私とロイドがやった事、精霊の身体だった私が、ロイドと契約する事により、ロイドの身体を限りなく、精霊の身体に近づけ、限界値を取っ払ったのだ・・・結果、彼は神に等しい力を手にする事になった・・・


元が人の身体だった為、現界でも存在できるようになれていたが、フウは違う・・・彼女は、生身の身体なんだぞ・・・


『・・・本当に・・・どうやったのでしょう・・・不思議です・・・』


『いや!原理的に不可能だろうが!!普通に考えて!!!』


『・・・ですが、彼女の力は神に今や匹敵する程・・・しかも、恐らく、彼女の力は発展途上・・・これ以上、強くなる可能性を秘めているようです・・・』


その言葉に私は口が開いた状態になった・・・・


『現に、彼女の家で見た力と先程、勇者が闘った時との力・・・少しですが、強まっていたように感じました・・・時間がそれ程、経っていない現状でそれです・・・・・はっきり言って、彼女がどこまで強くなるか想像がつきません・・・』


そう言って、ラーフは念話越しに溜息をついた・・・


・・・・これから、どうなるのだろうか・・・そんな事を考えながら、空を見た・・・清々しい程、青い空だった・・・・


―――――――――――――――――――――――――――――――


フウ達が魔界に行って、二カ月後、セシルと勇者は、一度、世界を周る事になった・・・


勇者はフウに負けた事によって火がついたのか、鬼気迫る勢いでどんどん実力をつけていった・・・傷を負えば、回復をし、魔力が無ければ、私の回復アイテムもどんどん使い、自身を追い込んでいった・・・それこそ、眠る暇すら無い程に・・・


・・・結構貴重な材料とか使っているんだけどなあ・・・そのマジックアイテム・・・


セシルも同じ方法を使い、どんどん強くなっていく・・・いや、それ勇者以上のスピードで実力を着けていった・・・結果、2人は瀕死のダメージを負いながらも、ディエティドラゴンを倒した・・・・


本来、1年掛かる所を8カ月(勇者は7か月か)で、しかも、倒してしまうとは・・・・とは言え、フウが闘った本気では無く・・・以前の勇者達と闘った程度まで、力を落として闘ったのだが、それでも、大健闘だ・・・


2人がディエティドラゴンを倒した、次の日、ラーフから勇者に指示があった・・・魔界から、進攻してきた魔族達が、裏で暗躍をしていると・・・だから、その者達を倒し、暗躍を防いでくれないかと・・・念話を通して言って来た・・・のだが・・・


・・・・・・なあ、ラーフ・・・・話をしているところ悪いが、今、勇者、魂が抜け出ている状態で、聞けていないと思うぞ・・・・・・


・・・・2人が全快するまで、丸2日掛った・・・・


・・・・その後、きちんとラーフと話し合った結果、勇者はその暗躍を止める為に動くことになった・・・まあ、今の二人ならそっとやそっとの相手なら大丈夫だろう・・・・・・


あれだけ、すざましい、訓練に耐えれる精神があれば、どんな苦境も超えていける・・・そう、感じる程、2人は強くなっていた・・・


・・・本来、セシルは動く必要性は無いのだが、「魔族を倒していればフウに会えるぞ・・・」と勇者が言った所、ついて行く事になった・・・


お主の目的・・・そう言えば、フウが目的だったな・・・・・・・・・・申し訳ないが、今の状態でも、勝てないと思うぞ・・・お主・・・余りにも、酷だから、口には出さないが・・・


それから、準備した後、2人は魔の森から出ていった・・・


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何でああなる!!!


私は頭の中で思いっきり叫んでいた・・・フウ達が魔界に行って、半年後、いきなり、フウとムウが私の所へやって来た・・・


自身の中に、精霊と魔族の力がある事に気が付き、私が親である事を聞いてきた・・・いや、とっくの昔に気付かれていたのだろう・・・・フウ本人もそう言って来たしな・・・魔族の魔力を持っているのは、ロイドの身体を使った為、精霊の魔力と魔族の魔力・・・両方を持つ事になったのだろう・・・


・・・そこまでは良い、そこまでは・・・何であやつは、ムウと本契約をしたのじゃ!!!本契約しなくてもいい様に、わざわざ!精霊の身体では無く!!実体のある身体にしたのに!!!!


・・・・・・・・・・ふう、少し落ち着こう・・・しかし、フウのあの様子・・・ただの本契約ですみそうでは無さそうなのだが、大丈夫なのか・・・?一応、帰り際に・・・


『・・・・・・・・・のう、ムウお主の度量の広さ重々承知している・・・・・だから頼む・・・・こいつの舵取りを本当に頼む!!お主しかおらんのだ!!』


と言ったが・・・伝わっておるだろうか・・・伝わっておらぬだろうな・・・・本当に大丈夫だろうか・・・・?


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・・・・この後、フウ達は魔王城に行き、魔王と対峙する。


・・・だが、フウと魔王との闘いが始まった際、魔王の力が暴走・・・それにより、魔神ドーラの一部封印が解かれた・・・結果、魔王が神の力を持ち、魔神ドーラの一部の意識が魔王に移り、限定的だが魔神ドーラが復活を果たしたのだ!!


・・・私がこのままでは終わらないのではないかと言う懸念が現実に起きたのだ・・・


魔神ドーラ・・・私達の以前住んで居た場所に居た一番上であった神、絶対神と名乗るその者の実力はすざましく、こちらの世界で一番力を持つ神、創造神ズアルすら凌ぐ力を持つ


・・・未だ、力の大部分をロイドが抑えているとはいえ、それだけの力を持つ神・・・それが、具現化するという事は、この世界・・・いや、現存する現界全てが消滅する・・・それだけの力をあやつは封印されてい様と持っている・・・


そうなれば、ロイドが必死になって抑えている封印も解かれるのも時間の問題・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そのはずだった・・・ラーフが言ってきた、結果を聞いて、私は唖然とした


『・・・・・・復活した魔神ドーラはフウが倒しました・・・・・・・』


・・・・・・・・・・ねえ、私・・・泣いていい?

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