クロリ―誕生秘話

魔女・・・ファダ・・・膨大な知識を持ち、魔法の扱い方、魔力量共に、魔王から目を掛けられ、どんどん彼女は出世していった・・・


彼女には友人が居た・・・いつも一緒にいた友人が・・・名をローリと言った・・・いつも私達はいつでも所だった・・・だが、その一緒の日々もある日突然終わりを告げた・・・


私達二人は魔王軍の幹部と補佐と言う立場にいた・・・その立場に行くには、並大抵の努力ではなれなかった・・・


2人で切磋琢磨を繰り返してようやく掴んだ地位だ・・・責任ある立場にある私達に対し、魔王様が私達を求められるとは思いもしなかった・・・


・・・・友人が魔王様に目を付けられた・・・


本来なら喜ぶべきことだろう・・・だが、私は知っている魔王の子供は全て・・・・神ドーラへの生贄としてささげられる・・・友人はそれを嫌った・・・


当り前だ、誰が好き好んで、自分の子供を殺したいと思うだろうか・・・


何とか、断れないか・・・ローリは魔王様にそれとなく拒否の意思を示したが無駄だった・・・


それ所か絶対に『自らのものにしてやる』という意思すら感じた・・・


結局、幹部の仕事は私に全て引き継がれ・・・彼女は魔王の所に行った・・・


ローリは何度も性交をしたが、子をなさぬよう避妊魔法を掛け、それを避けていた・・・だが、魔王様の執着心はそれをも上回っていた・・・


避妊魔法を魔王様自身の高い魔力でキャンセルさせ・・・それ以外の方法も、魔法をかけられない、魔封の腕輪を掛けられ抵抗できない様にされた・・・、


結局、彼女は魔王の子を孕んでしまった・・・だが、生まれてしまうのなら、その子殺すのではなくを一人の魔族として生きていかせたい・・・その思いが彼女を突き動かした・・・


主従契約の魔法・・・この魔法は、彼女が子を成した時既にかけられてしまった・・・そして、出産の時、その契約は魔王様と結ばれ・・・その魂は神への生贄として送られてしまう・・・


そういう手はずになっていた・・・


彼女は、自らはめられていた、魔封の腕輪に掛けられた効力を無効化させると・・・出産の際に、行われる儀式の生贄の対象を、赤ん坊では無く、自らに強引に変えた・・・


そうして、儀式によって、贄になるその瞬間彼女は赤ん坊を転移魔法で遠くへ飛ばしたのであった・・・・彼女が幸せに生きるように願いながら・・・


―――――――――――――――――――――


私達幹部には裏切られない様に、魔王様から呪術が掛けられている・・・万が一裏切った場合、すぐに始末できるようにだ・・・もちろん、私達にも付けられている・・・


幹部になるとはそういう事だと理解をしていたが、納得は出来なかった・・・だから、呪術を掛けられた時、術の解き方の方法を友人と2人で考えた・・・


私は友人が子供を転移したのを見届けたのを確認して、魔王の呪術を強引に解き、城から出て行った・・・行き先はもちろん、赤ん坊の転移した場所だ・・・それが、友人が死ぬ前に言った約束だったのだから・・・


「私の赤ん坊を貴方の子供として育てて・・・お願い!!」


その約束を果たす為に・・・私は全てを捨てた・・・地位も名誉も全て・・・


だが、呪術を解いた代償は大きく、私の力はかなり落ちていた・・・加えて魔王の配下で無くなった私は魔王の能力向上の恩恵も無くなってしまっている・・・


何度も魔王軍からの追っ手を躱し・・・何度も死にかけ・・・一週間かけ、ようやくその場所に着いたが・・・その時既に私自身死にかけていた・・・・


そんな満身創痍の中ようやく、赤ん坊を見つけた・・・私は安堵して赤ん坊に駆け寄った・・・


だが、駆け寄った瞬間・・・身体に衝撃が走った・・・何が起きた・・?・・・


前を見ると・・・赤ん坊が魔力を身体に纏わせて攻撃をしてくるのが見えた・・・


私は必死になって躱した・・何故・・・どうして私を攻撃してくるの・・・?・・そんな疑問を抱きながら・・・どうすればいいかを考える・・・


攻撃の合間にアイテムボックスから、アイテムを取り出す・・・これは弱体化する前に作った魔力を封じる為のマジックアイテム・・・これなら・・・私はマジックアイテムを使い・・・赤ん坊の魔力を封印した・・・


それからは、大変だった・・・明らかに赤ん坊は衰弱しているのに、私が近づくと、赤ん坊は魔力を膨張させ、結界を破ろうとする・・・


その結界の強度は衰弱している赤ん坊の魔力では無かった・・・赤ん坊による魔力暴走で死にかけたのも一度や二度ではない・・・


そんな中、赤ん坊が栄養失調で、本当に死にかけになった時に私はようやく赤ん坊に近寄れる・・・その時にようやく食事を与えられ、抱く事が出来るのであった・・・


私は持ってきたマジックアイテムで屋敷を作り、隠蔽魔法と障壁魔法を張り巡らせ、周囲に誰も近づけなくした・・・


そうして、赤ん坊は屋敷の一室に封印する事にした・・・そうしなければ、お互いに気づ付け合ってしまうから・・・・


マジックアイテムは使いつくした・・・もうここから移動する事は出来ない・・・


クロリ―と私は赤ん坊にそう名付けた・・・まあ、直接赤ん坊に話しかける機会なんて無いんだけどね・・・話しかけられるのは衰弱して眠っている時だけ・・・


私は親友の忘れ形見である赤ん坊を何度も死なせかける・・・


何度も・・・衰弱させ・・・何度も・・・弱った身体を見て・・・何度も・・・何も出来ない自分に涙する・・・そう何度も何度も何度も何度も何度も何度も・・・・・・・・・・・・


私はいつまで続ければいい?ねえ、誰か教えて・・・・


――――――――――――――――――――――――――


「うん?どうしたんだファダ?」


魔王城からファダの屋敷に帰って来た時に、何故か抱っこしたクロリ―を見てファダが微笑んでいた。


「いいえ、何でも・・・ねえ、ムウ・・・・」


「えっ何?」


「本当にありがとう・・・」


「?何が?」


ファダはたまにこうしてお礼を言ってくる・・・俺何もしていないんだけど・・・?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます