契約

「・・・お前・・・16歳だったのか・・・」


あれから、ファダさんと話をしていたのだが、こんな事を言われた・・・・・・・俺もう少しで17歳何ですけど・・・・身長低いからってそれはひどいんじゃないんですか・・・


「ああ・・いや・・・身長が低くったって・・・その・・・なあ・・・」


フォロー出来ないんなら、言わないんで下さい・・・それからまた話をして、ファダさんが敬語は不要だと言ってきて俺は、ファダさんをファダと言うようになった・・・そうなった頃、フウが屋敷から出かける様になった・・・・・あいつ何をしているんだ?


―――――――――――――――――――――――


それから、魔界に来て半年がたった・・俺は17歳になり、フウは2歳になった・・・・・・・フウお前まだ、2歳だよな・・・世間一般では赤ん坊って言われていてもおかしく無い年だよな・・・・俺がおかしいのかな?もう、既に一人で生きていけるだけの力を持っているんじゃないか?


なあ、フウ俺保護者の意味ってある?そんな風に思い日々を過ごしていたある日、フウがこんな事を言ってきた・・・


「・・・お父様お願いがあります・・・一度精霊さんの所にお父様と一緒に戻りたいのですが宜しいでしょうか?」


・・・いや、別にお前が帰りたいと言うなら別にいいが・・・何だか急だな・・・


「すみません、ですが、どうしても確認したい事がありまして・・・」


・・・まあ、いいか前に精霊さんがたまにでいいから顔を見せてくれと言っていたから、丁度いいや!行こうか!!


クロリ―も最近、俺から離れてもぐずらなくなったから大丈夫だし・・・本当に大丈夫になって良かった・・・ファダも手伝ってくれるが、俺が基本的に居ないとすぐ泣きそうになるから大変だった・・・・・


「ありがとうございます!では行きましょう!!」


そう言って、フウは俺の手を取り、気づいたら、精霊の村にいた・・・・・・・・うん、もう慣れた!!


「・・・お前達相変わらず、神出鬼没だな・・・」


あっ精霊さん・・・


「久しぶりです。約束通り顔を見せに来ました・・・」


まあ、今回はフウが来たがっていたと言うのが大きかったのだがな・・・そんな事を考えていると、フウと精霊さんが何か話し始めた・・・・・


「・・・・・・・ムウ、そこで待っていてくれないか・・・ちょっと二人で話してくる・・・・・・」


そう言って、2人して森の奥に入っていく・・・・・・・・・・なあ、毎回思うが俺来た意味ある?・・・魔界の方は俺が行きたいと言ったからだけど・・・それでもなあ?そんな俺の思いは誰にも届かない・・・


暫く、近くにいた精霊や妖精と遊んでいると、2人が戻って来た・・・・・精霊さん何か疲れてない?


「・・・・・・・・・のう、ムウお主の度量の広さ重々承知している・・・・・だから頼む・・・・こいつの舵取りを本当に頼む!!お主しかおらんのだ!!」


えっ?何々?精霊さん何でそんな必死なの?何で泣きそうなの?ねえ?


「お父様!ちょっと森を歩きません?」


そして、フウ何でお前はそんな笑顔で俺を見てくるの?ねえ?俺今から何をされるの?


結局精霊さんとはあまり話せず・・・俺はフウと森を歩くことになった・・・


「・・・・・久しぶりですね・・・お父様と一緒に森に行くの・・・」


そうだね、お前、赤ん坊だったよね・・・覚えてるの?普通、覚えていないと思うけど?


「・・・・・多分、お父様が居なければ私は生きていけませんでした・・・多分今も・・・」


そんなこと無いんじゃないか?と言うより絶対お前一人で生きていけるだろう!!何だよ!魔王の軍勢に生き残るって!!絶対そんな奴が生きていけない環境なんて無いだろうが!!


「だから、この契約受けてくれませんか?」


そう言って、彼女は俺の目を見て来た・・・その目は今まで見たことが無い程真剣だった・・・


「えっへっ?契約?」


「そうです!契約です!魔王を倒すのにどうしても!必要なんです!!」


何かいつにもなく必死だな・・・だが、俺には以前の奴隷紋章の件を思い出す・・・


「なあ、契約ってどんな内容なんだ?奴隷契約みたいなものじゃないよな?」


そういうと、フウは顔をそらす・・・おい!!


「・・・・・・・・・フウ?・・・」


「お願いします!!」


そう言って土下座してきた・・・・・っておい!!


「おい!!やめろって!!」


「お願いします!!」


そう言って、俺が何とか立ち上がらせ、抱きしめていさめ様としても、泣き出して、お願いします!!としか言ってこない・・・・・・というより、契約内容すら言ってこない時点で・・・なあ・・・・・・


でも、フウの涙には勝てなかったよ・・・


「ああ、もう!!解った!!解ったから!!契約していいから!!」


結局魔界に行って一度も役に立っていなかったし、契約が何なのか知らないけど、それでフウが納得してくれるのならそれでいいや・・そう思って言った・・・言ってしまった・・・


「はい!!ありがとうございます!!」


そう言って、笑顔を向けたフウはもう既に涙の跡は無かった・・・・・・・・絶対嘘なきだったんじゃないかこれ?


そう思った瞬間フウは光り出した・・・次の瞬間フウの身体全体に奴隷の紋章の様な痣みたいなものが浮かび上がる・・・・そして、光が収まると、その痣は消え、いつものフウがそこにはいた・・・


「お父様!絶対に一生一緒ですからね・・・」


何だろう・・何だか言葉に重みがある様な・・・・気のせいだよな?


―――――――――――――――――――――


私は、フウが見ていた本を見てため息を付く・・・


「・・・まさか、この契約をあの子がするとはねえ・・・」


そこに書かれていたのは、主従契約のやり方、効果が書かれているページだ・・・主従契約と書かれているが、効果は奴隷契約以上の理不尽を伴っている契約だ。


いくつか効果があるが、魔王が使っていたのは、相手を意のままに動かし、制限をかけ相手の力全てを奪い取る為にこの契約は使われていた・・・


まあ、主従契約者同士がこの契約によって同調する事によりその者達が力を増す効果もあるが、そういった事では使われない・・・ただ単純に相手を物として使うために用いられる・・・


主従契約の準備は既に生まれた段階で彼女の中で埋め込まれていた。その契約がなされる前に、彼女は母親の手によって飛ばされた・・・主従契約の契約には結構な制約がある、だから、契約の為に道具が用意されている訳でもなく・・・ある程度自らの自我がある者にはもう一方的に契約は出来ないのだ・・・


だから、もしその契約を行使されるという状況になるには、彼女自身がその人を受け入れ、自らその契約を行使するしかないのだ・・・・・・・・・・・


・・・・・フウと言う名のあの子、捨て子だって聞いた・・・あの子は本当に何者なのだろうか・・・?

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