魔女の子供

昨日私は、ファダという魔族にこの屋敷に住まわせ、全部の情報を渡すことを約束させた。


本当はお父様はいるので穏便に終わらせようとしたのだが、あの魔族、魔神獣という自分すら勝てない魔物がいる遺跡に行かして、殺そうとしたのだ。


本当は、遺跡に転移する為にファダという魔族の記憶を覗いたのだが、見ておいてよかった、私だけならまだしもお父様を巻き込むとは万死に値する!


とはいえ、お父様の手前殺すことはできなかったので、魔王を倒す為のバックアップをさせる事で合意させた・・・向こうも魔王に追われている身みたいだし、私は魔王を倒そうとしている利害一致はしているはずだ。


まあ、そうしないなら、『お前の頭の中を全て抜き取る』とお父様に聞こえない様に脅したというのもある。抜き取るといっても、頭の中の記憶をコピーするだけのつもりだったし、お父様以外の頭の中あまり覗きたくなかったので、快諾してくれてよかったと安心した。


私は一晩この屋敷で寝た後、ファダから魔王城にあった本を受け取り読んでいる。何でも以前は魔王軍の中で知識面に頼られていた為、そういった本や資料を持っていたようだ。


本当はお父様の膝の上で作業したいが、私自身が気が散ってしまうため、今は別々に行動している・・まあ、離れていてもお父様の行動は逐一監視していますし、結界もお父様の周りに張り巡らしているので大丈夫だと思いますが・・


後、これはファダからの情報ですが、魔王には今魔神ドーラという魔族の神の力が宿っているって言っていた・・・


神の力か・・・通りであんなに強かったのか納得した。


何でも、今までの魔王は誰一人その様な事を成し遂げた居なかったのだが、今回の魔王は特別強いらしくそのドーラと言う神の力を受けてめる事が出来たらしい・・・


ねえ・・・なんで今回だけそんなに強いの・・・・こんなに強くなければもうとっくに魔王倒して、お父様とお家でのんびりできていたのに!!


・・・取り乱してもしょうがない・・・とりあえずファダからもらった本や資料から、魔王と魔神ドーラというものがどんなものかある程度わかってきた・・・魔王、これはかなり昔から存在しており、魔界が生まれた時から、居るらしい・・・そして、その力は代を重ねることに力を増しているらしい。


しかも、魔王の血縁が次の魔王になるわけでもなく、いきなりその魔王の力を持った存在が現れるらしい・・・うーん!どういう仕組みなんだろう・・・まあ、ここを考えても仕方ないか・・・次にいこう!


・・・魔王の力は配下の者達の力を上げるらしく、その上げ幅は魔王の力に比例する・・・


ああ・・・通りで、あの戦争の時に居た魔族や魔物ものすごく強いと思った・・・・・本当に生きてて良かった・・・そのおかげで、また、お父様と一緒に居られるし・・・


後ファダの魔力がそれ程でもない事にも、今の文章を見て納得した・・・今魔王の配下では無いファダは、魔王の力を貰っていないのだろう・・・


恐らくは幹部並みの力を有していたが、配下で無くなった今、あそこまで力が落ちて・・いや戻ったのだろう・・・


まあ、魔王の力が強すぎる為、以前の様に魔王の力があったとしても、ファダの魔力は魔王の足元にも及ばないだろうが・・・


次に魔神ドーラについて書かれていた事・・・はっきり言ってドーラについて書かれている資料や本は大変少なく、ほとんど抽象的なものが多かった為、魔王の時より読み解くのが遅れたが、それでもある程度分かった。


魔神ドーラ、魔界が誕生した時に現れし神、その時は、全ての世界の破滅を望んだが、ある別の神に封印され、今は、魔王と一部の信者のみと関わる事しか出来ないらしい・・・・


今はその封印の一部を魔王が解き、力を宿したみたい・・・多分・・・


だけど、今もその封印は続いており、魔王が持っている力以外はまだ外に出ていないと思う・・・封印解けていたら魔界の世界も、大変なことになっているだろうし・・・


そして、次魔神獣・・・何でも魔神と一緒に現れた魔物らしいが、結局、ドーラと一緒に封じられたらしい。通常の魔物どころか、魔王すら凌ぐ力を持っていると記述されている。


とはいえ今回の魔王は魔神の力を持っているため魔王の方が強いのだろうが・・・


この魔神獣は今は神殿に封印されているが、以前はそうでは無かったらしい・・・何でも、ドーラと敵対している魔族が、多分私達の世界の神達と協力して、その神殿を作っていったらしい・・・


代々その封印されている地を見つけ次第、作っているらしいが、魔神獣の数が記載によれば、数万にも及んでいたらしい・・・


今の魔神獣は魔王が魔神の力を外に持ち出した為、封印が解けかかっている・・・もし、神殿が作られていない場所があったとしたら、どうなっているのだろうか・・・その辺も心配だ・・・


とにかく、今現在分かったことは、これだけだ、もっときちんと読めばもしかしたら、何か見落としがあるかもしれないが、魔王と魔神ドーラの情報はこれ以上分からないだろう・・・


後は自身を強くする為の情報をこの本達から手に入れようと思うのだが・・・ファダはいつまで私を見ているのだろうか?


私を監視しても貴方達に私あまり興味がないから手を出すつもりないんだけどなあ・・・あなたが隠しているつもりの赤ん坊だって手を・・・・・あれ、お父様・・・


その時ふと、監視していたお父様がある場所に移動している事に気が付く。


そっちは・・・・・・・・・・・・まあ、お父様には障壁張っているし怪我はしないでしょう・・・・・やっぱり心配だから行こうかな・・・・


というより、ファダは私なんか見ていないで、赤ん坊を見ていた方が良かったんじゃないですか?お父様どうしてだか、あなたが隠している赤ん坊の所にまっすぐ向かっていますし、隠蔽魔法?お父様に通じない様に障壁を改良しましたから無駄です・・・ああ、ほら、入って行っちゃった・・・


ファダが気が付いてお父様のとこに向かっていきましたけど、大丈夫ですよね?まあ、もし、万が一攻撃でも使用なら、一瞬で転移して生きていたことを後悔させますけど・・・・・・・


・・・・なんででしょう・・・お父様と赤ん坊・・・何か嫌な予感が・・・・気のせいですよね・・・・・・・・やっぱり転移して様子を見に行きます!!


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俺は、屋敷を散歩していた、昨日半分脅しみたいな形で泊まらせてもらい、その後、フウは情報を整理してくると、ファダからもらった本と資料を持って、部屋に引き籠っている、俺も手伝おうかと聞いてみたが、


「大丈夫です!・・・ただ、お父様と離れるのだけは寂しいですね・・・ですが、私自身が・・・ごめんなさい・・・」


そう言って去っていった・・・寂しくなんてないぞ!!本当だ!!・・・誰に言ってるんだろうか?俺は、廊下をプラプラ歩いていたが・・・飽きた・・・どこか適当な部屋に入ろう、そう思って目についた部屋に入る。


?ここも資料室か?結構な本が・・えっ表紙だけ?これもだ・・・なんで?そう思っていると、一部の本棚が動くのに気が付く・・・これは・・・本棚を動かしていくと、地下への階段が見つかった・・・・・・・・・


えっとどうしよう・・・さすがにこれに入るわけには、これって隠したいからこんな風にしていた訳だよな・・・よし元に戻して・・・


そう思った瞬間、何か泣き声が聞こえた・・・地下からだ・・・・・・・・・・・・・・・無視できないよな・・・


俺は意を決して地下に降りる・・・長い階段を下りていくと、泣き声がさらに大きくなっていく。俺は無意識に走り出していた・・・


「はあ・・・はあ・・・ここは・・・」


そこは石造りの部屋があった、そして、床には魔法陣が書いてあり、その魔法陣の中央に赤ん坊が宙に浮いていた・・・


「おぎゃーーー!おぎゃーーー!!」


俺は思わず走り出していた・・・何でだろう、フウの事が頭に浮かぶ・・・そして、魔法陣の所に行き、赤ん坊を掴んだ・・・・・


――――――――――――――――――――――


私には赤ん坊が居る、だが、ある事件をきっかけにその赤ん坊は私にすら心を開かなくなってしまった。近づけば、癇癪で魔力暴走を起こし、周りに甚大な被害をもたらした・・・


私は苦渋の決断の末赤ん坊を封印する事にした・・・泣きじゃくる赤ん坊を放置し、泣き疲れ眠っている時にようやくミルクとおしめを変えられる・・・そんな日々を過ごしていた。


そんな中あいつらがやって来た・・・ただでさえ毎日神経をすり減らしていたのに、奇妙な侵入者、私は監視の為、資料を渡したフウという子供を監視していた・・・それがあの様な事になろうとは・・・


私は今後悔していた・・・隠していたはずの赤ん坊が居た場所に侵入されてしまった!あそこには隠蔽魔法と障壁が張っていたはず!それなのに何故?もしかして、あいつら始めから赤ん坊を狙って・・・・


私は慌てて隠し部屋に向かう・・・あそこには転移魔法が使えない様にしてしまった為、自分すら転移できなくなっている・・・・だが、あいつらの事だ・・・そんな制限何て効かないだろう・・ただ単純に自分の首を絞めてしまった事を呪いつつ急いで向かう・・・


「クロリーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「たかーーい!たかーーーい!!」


「きゃっきゃ!!」


そこには、昨日の人間の子供が、私の赤ん坊を持ち上げている姿があった・・・


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


俺は赤ん坊を抱きかかえていると、さらにくずり始めた・・・俺は咄嗟的にフウに何時もやっているように頭を撫でる・・・おっ収まって来た・・・背中もトントンと叩く・・・うんうん・・・落ち着いて来た・・・顔を見る、不思議そうな顔をしているな・・・よし!


「たかいたかい」


赤ん坊を持ち上げてみる・・・無反応・・・くっ思いっきり叫んで持ち上げてみる・・・


「たかい!たかい!!」


おっ少し表情が変わった・・・もう一回!!


「たかーーい!たかーーーい!!」


少しずつ表情が変わっていく赤ん坊で遊びながら時間を過ごしていると・・・


「クロリーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「たかーーい!たかーーーい!!」


「きゃっきゃ!!」


何かすごい声が聞こえたんだけど・・・・えっ何?何があったの?クロリーって誰?ていうかファダさんいつの間に居たの?色々な事が頭の中にかけ巡っていると・・・何故か、ファダさんがポカーン( ゜д゜)とした顔で立っていた・・・


「な・・何をしている・・・」


「えっ遊んでるんですけど・・・なっ?」


そう言って赤ん坊を見る・・・赤ん坊もきゃっきゃ言いながら答える・・・うん!もう泣いてないな!!


「というより、何で赤ん坊をこんな所に放置しているんですか!ずっと泣いてたんですよ!!」


そう言ってファダさんの方を見る・・・何だか今度は苦しそうな表情をしているが、赤ん坊を放置していたんだからその位当然だ!!


「・・・・お前・・・何もされなかったのか?」


「えっ?」


「魔力暴走その子が起こさなかったのかと聞いた!!」


ああ、何故かフウを思い出したのっていつものフウが癇癪を起した時に似ていたのか・・・


「ええ・・・大丈夫でしたよ・・・」


俺何もされていないよな・・・というより、フウの癇癪の方がすごかったような気がするし、俺には被害は無かったが、周りが凄いことになっていたし・・・この子も癇癪起したら周りに被害起すのかなあ・・・


「だったら何故・・・・そうか・・・洗脳か・・・洗脳して私の所から奪おうと言うのだな・・・そうは・・・・」


何か洗脳洗脳って言い始めた・・・違うと言おうとしたが、次の瞬間、いつの間にかいたフウに組み伏せられていた・・・


「お父様に何をしようと?」


「お前達!!魔王の情報が欲しいと言いながら!!私の赤ん坊を盗もうとしていたのだな!!そうは・・・」


「えっへっ?」


赤ん坊を盗む?えっ何でそんな話になっているの?何か抱きかかえている赤ん坊も寝っちゃってるし・・・どうすれば・・・


「少し寝ててください・・・」


「がは・・・」


あっ殴った・・えっこれどうすんの?まじで・・・・

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