魔神獣

私の名はファダ、この屋敷の主だ・・・・


今は謎の訪問者に対し早く帰ってくれるように願いつつ屋敷を案内している・・・


・・・先程、この子供から放出された魔力は余りにも大きすぎる、もし万が一、戦闘になってしまったら私自身の魔力の量・・・今も使っている、隠蔽魔法の技術力・・・どれを見ても、私が負けてしまう事は必須だ・・・


それに、今ここでそんな事・・・戦闘にでもなったら、あの子が・・・巻き添えになってしまう・・・その結果、死んでしまったら、私は死んでも死にきれない・・・


・・・とはいえ、下手にこの屋敷から追い返そうとして、不興を買ってしまっても困る。


・・・とにかく、絶対に相手のペースにならない様に主導権を握りながら話をしなければ、とにかく、うまくいくよう祈りつつ、客間の部屋の扉を開けた・・・


「それで用件は?」


とにかく話をこちらから切り込む、これからの話し合い、絶対主導権を握らせん・・・・・・・・・・・・・・


・・・何故、こいつ等はこれから対話って時にさっき、巨大な魔力を放った子供は、膝に乗せられ、頭を撫でられているのだ・・・・


私はその光景を見て、一瞬毒気を抜かれたが、軽く頭を振って気持ちを切り替える・・・


いかんいかん相手のペースに飲まれるな!!


「・・・さっきあなたは元魔王幹部と言った・・・出来たら、魔王の情報・・・後、魔界の情報を知ってる限り教えて欲しい・・・」


膝に乗っている子供がそう言ってくる・・・


・・・ん?何だ、この口ぶり・・・もしや、こいつら、魔界の情報を全くもっていないのか?だったら・・・


こちらのペースで話をできるのでは・・・?私はそう思い、内心の焦りを隠しながらも、こう聞いた・・・


「・・・・別に教えてあげてもいいが・・・それによる情報の対価は?まさかタダで教えろと?」


とりあえず、情報を引き渡すのに条件を付けてみる?さあ、どう出る?


「・・・・・逆に聞くけど、何が欲しい?」


・・・そう来るか、だったら、無理難題を言って断らせるか?いや待て・・・だったら、


「・・・・・・・そうですね、でしたら、結構離れた所に遺跡があるのですが、そこを調査して欲しいですね・・・」


そうだ!こいつらにあそこ・・・魔神獣が居る遺跡を探索させれば勝手に死ぬんじゃないか?


こいつらこの魔界の情報を持っていない事は、今の口ぶりから解る・・・だとするなら、あそこに何があるかを知らないはず!まあ、秘密情報だから一般の魔族も存在自体知らないのが大半だろうがな・・・


遺跡と言ったが、あそこは魔神ドーラの神獣と呼ばれている魔物が封印されている神殿だ。昔は封印されている場所と言うだけで、壊れた建物以外、特に何も無かった・・・・


だが今は、魔王が魔神の力を一部分だけでも力を解放した為、封印が半分解かれてしまっている状況だ。


まあ、解けたのが半分だけな為、神殿内以外、外には行けない様だが神殿の中に入れてしまえば、神獣の餌になってしまうだろう。もし万が一、生き残ったらそんな魔物が居るとは思わなかったと通せばいい・・・


あの神獣が封印から半分とはいえ、封印が解けられた状態・・・いつ完全に封印が解かれてもおかしくない状況で困ってたのだが、今回はこの状況を打破する為に利用させてもらおう・・・!


「・・・場所は?」


「ああ、ここですね・・・」


そう言って、私は手元に資料室から地図を転送させ指を指す。


結構な距離だが、こいつの魔力量から考えるに、結構な実力者のはずだ。飛行魔法を使えば、そんなにかからないはず・・・


「・・・・・・結構遠い・・・・・・・・・」


そう言ってフウと言った子供が考え出す・・・駄目か?!だったら、別な方法を・・・


「しょうがない・・・・その遺跡って行ったことあります?」


「えっ、もちろんありますが・・・・」


いきなり質問されたから答えてしまったが、これに何の意味が・・・・


「その遺跡について思い出してください・・・」


そう言い終わった瞬間、何か魔力を私の身体を貫いた・・・攻撃か?!いやでも痛くも、かゆくも・・・


「・・・場所を把握出来ました、転移で行けます、ただ一つだけ確認させてください。」


フウと言う名の子供は続けてこう言った・・・


「神獣って何ですか?」


そう言った瞬間私の身体に殺気が襲った・・・・


この時私は後悔をした・・・


ああ、変な策略を講じなければ良かったと・・・


―――――――――――――――――――


ファダと名乗った女性が姿を現した後、俺達は屋敷を案内された・・・


と言うより彼女元魔王幹部って言ってたけど、大丈夫なんだよな?いきなり殺されたりしないよな!!


そんな不安を抱きながら、客間らしき部屋に通され、ソファに座らされる・・・うわ!すげー座り心地が良いなこのソファ!!


そうこうしている内に何か、フウとファダの話し合いが始まった、その間俺はフウを膝に乗せ頭を撫でている・・・だって、俺フウが何を話し合おうとしてるのか全然わかんねえもん!


そうこうしている内に話し合いが進む・・・話を纏めると、フウは情報が欲しい、それに対して、ファダはとある遺跡を探索して欲しいらしい、何か地図で指を指されたが、ここからどの位かかるのやら・・・


「・・・・・・結構遠い・・・・・・・・・」


フウがそう呟いた、あっ結構遠いのか、フウがそう言うなら間違いないだろう・・・また、歩いていくのかあ、そう落胆していると・・・


「しょうがない・・・・その遺跡って言ったことあります?」


そうフウが切り出した・・えっフウ何をするの?


「えっ、もちろんありますが・・・・」


「その遺跡について思い出してください・・・・・・場所を把握出来ました、転移で行けます。」


えっまじ?お前何やったの?俺はフウの頭を撫でながら疑問に思う・・・


「ただ一つだけ確認させてください。神獣って何ですか?」


その瞬間、ファダの表情が凍り付いた・・・へー俺、表情が凍り付くのって初めて見た・・・じゃない!!


「おい!フウ!!」


「ごめんなさいお父様でも、この人、神獣に殺させようとして、遺跡探索を依頼してきたみたいです。さすがに見過ごすことはできません。」


えっ?まじで?というよりどうやって分かったの?


「心を読む魔法です・・・」


ああ、結構前に言ってたやつね・・・自然に俺の心も読むなよ・・・


「ごめんなさい、でも他の人なんかの心を読んだ後はお父様の心を読んで癒されないと・・・」


何だよ、その理屈・・・はあ・・・もう、いまさらだし・・・まあいいや・・・


「ファダさん、フウが言っていたことは本当ですか?」


とにかく確認を取ろう、多分フウの言う通りだと思うが、ファダの言い分も聞いておかなくては・・・


「・・・ごめんなさい・・・(ぼそ)」


「えっ?」


「ごめんなさい!!」


そう言って、土下座をしてきた・・・


――――――――――――――――


その後、色々話してくれた、何でもファダは何と魔王から逃げてきてこの地に家を作ったらしい・・・


・・・家を一人で一から作るって・・・いやフウも似たような事やっていたな、別空間にいった時、味気ないからと言って、家一軒作ったんだっけ、街で買った豪邸並みの家・・・・本当に今更ながら、家って買わなくても作ればよかったんじゃないのか?


ファダから聞いた話によると、俺達が行こうとしていた神殿には何でも、神獣という、魔族の神・・・ドーラと言う神が召喚をした魔物がいるらしく、そいつを使って怪しい俺らを排除しようとしたらしい・・・・・・・いや、俺ら確かに怪しいですけど、そんなすぐ排除しようと考えなくてもいいじゃないですか?!


「だって!私の認識阻害の魔法を苦も無く通り抜けてくるんだもん!!そりゃ警戒するでしょう!!」


とはファダの弁・・・認識阻害の魔法そんなのあるんだ、というよりフウそんな魔法どうやって・・・


「その位看破出来ます!」


そうどや顔で言ってきた・・・そうですか・・・


その後、フウは魔王城から持ち出された資料を見させてもらう為、この屋敷に住むことになった・・・


傍から見たら強盗と一緒じゃね?いやこっちだって殺されそうになった訳だし・・・うーん・・・


もういいや考えるのはもうよそう・・・俺はフウの頭を撫でながら現実逃避していた・・・

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