勇者は家に

俺は、ギルドを後にした後、地図に書かれている印の所に行く・・・・


「何だこりゃ・・・・・・」


そこには、とんでもなくでかい屋敷があった・・・・城までとはいかないが、個人で持つもんじゃないだろう・・・そう思う位でかかった・・・・


こんな豪邸に住む・・・フウと言われて知る人物・・・本当にどんな人物だ?


俺は意を決して・・・屋敷に入ろうとする・・・すると・・・


ズドン・・・


と何か大きな音が屋敷の中からした・・・


(何だ?)


俺は慌てて屋敷の門をくぐり中に入ると・・・


「あぶない!!」


声がかかったかと思うと、ゴーレムが俺に拳を振るってきていた・・・・俺は慌てて、剣で受け流す・・・・


(こいつ、魔物じゃねえ!!)


魔物としてのゴーレムは空気に暗黒気という物がたくさん含まれている場所で、岩がそれを取り込むことにより、魔物になるのだが、このゴーレムは純粋に魔力だけで動いていた・・・


これでは勇者の力が使えない・・・


どうするか考えていると・・・


「おい!フウ!!何か人が来ているから止めろ!!おい!!!」


と言う声が聞こえた・・・すると、さっきまで動いていたゴーレムは動かなくなっていた・・・


俺は声の方に顔を向けると、座っている男性と足に顔を擦り付けている子供がいた・・・


・・・・何だあれ・・・?・・・何でゴーレムが居る所で・・・膝枕なんてしているんだ・・?何で顔擦り付けている?そんな事を考えていると・・・


「おい、あんた大丈夫か・・・?」


一番最初に「あぶない!!」と声をかけてくれた人物がやって来た・・・女性か・・・かなりでかいな・・・


「ああ、大丈夫だ・・・何があった?」


「あっ、いや、ただ訓練していただけなんだ・・・」


その後、話を聞くと、この人物はユウナと言い、他にも4人がここの近くにいる事が見てこれた・・・


このゴーレムについて聞くと、フウと言う人物が訓練用に動かして自分達の鍛錬に使っているらしい・・・いやいやいや、あの威力訓練なんてもんじゃないだろう!・・・俺がそう言うと・・・


「・・・・何度もやっていくと慣れていくものだ・・・」


そういう、ユウナさん・・・・だ、だとしてもあれだけの音、近所に迷惑がかかる・・・


「・・・その辺もフウが調整しているらしくな・・・ここの近くに来るまで音聞こえなかったろ、あれ消音の魔法を掛けているんだ・・・・しかも振動も地面にまで結界をかけて、揺れない様にしているし・・・」


そう言って、ユウナさんは肩をすくめた・・・よく見ると、この人、奴隷の紋章をしている・・・・もしやこれは・・・フウと同じ様に・・・ムウと言う奴が奴隷にしたのか?


「・・・・・・ムウと言う人はどちらに・・・・」


そういうと先程、子供を膝枕していた男を指さした・・・


「いいから起きろ!!おい、お客さん来てるんだって!!!」


「・・・・あれが・・・・」


「どう言った情報をもらったか知らんが、あの人がムウだ・・・・」


・・・・・・・・・・想像と何か違う・・・・・・・・・・・・・


そう思いながらも俺は、ムウと呼ばれた男に近づこうとした・・・


『来るな!!』


すると、大きな声が頭の中に響いた・・・何だこれ?


「・・・頼むから起きてってばさあ!!・・・どうしました?」


余りにも大きな声が頭の中で響いて痛みから頭を押さえていると、ムウが話しかけて来た・・・


「ああ、ちょっとな・・・・」


『その紋章・・・勇者か・・・・何をしに来た!!』


ムウが話をしていても、頭の声は止まらない・・・・


『君は誰だ?』


俺も頭の中で話してみる・・・すると、俺の心の声が伝わったのか、返事が返って来た・・・


『誰かだと・・・目の前にいるだろう・・・』


『ムウか?』


『フウだ・・お父様を気やすく呼ぶな!!!』


・・・・もしかしてこの頭の声の主、男に頭をすりすりしている子供じゃないよな・・・・まさか・・・・


「どうしました・・?」


「いえ、ちょっと頭痛がしてしまって・・・」


『おい、まさかとは思うが、今足に頭をぐりぐりしている人物じゃないよな?』


『?そうだが・・・?』


・・・・・・・・・・・・・・・まさかの当たりだった・・・これムウに言った方が良いのかなあ?


『言うなよ!』


あっ、はい言いません・・・


「大丈夫ですか?家に入って少し休みます?」


「いえ、大丈夫です、もう収まりましたから・・・」


多分このフウの喋り方から歓迎されていない様だし、家の中に入ったら何をされるか解らない・・・


『よく解っているじゃないか・・・』


・・・伝えようとしなくとも頭で考えただけでアウトなんですね・・・だったら、


『だったら、答えて下さい・・・貴方は魔族ですか?』


「・・・えっと、初めてお逢いした人ですよね?何か御用ですか?」


『?質問の意味が解らない・・』


「ええ、実は英雄クラスの人物を倒した人が居ると聞いて、やって来たのですが・・・」


頭で考えている事と口頭で喋るのが違うと何だか頭が痛くなってくる・・・


だが、ばれる訳にはいかない・・・さっきまでは気づいていなかったが。この子供からすざましい殺気が漏れている、迂闊なことを喋ったら恐らく命が無い・・・


『子供の身で英雄クラスを倒せるんだろう・・・それだけの身体能力を持っているのなら魔族を疑ってもしょうがなくないか?』


「ああ、フウの事ですね・・・すみません、今こんな状態でして・・・」


『・・・・私には解らないし、興味は無い、私はお父様の子供でフウ、それ以上でもそれ以下でもない・・・』


「・・・すみませんが、何故このような状態に・・・?」


『・・・お前が捨て子だったというのはギャンから聞いたそれは本当か?』


「・・・解りません・・・大体1カ月前からこの状態でして・・・離れようとすると引っ付いてきますし・・・」


そう言って、ムウはフウを撫で始めた・・・今がチャンスだ聞きたい事聞き出そう・・・


『ええ、そうよ・・・』


『魔界について何か知っている事は・・・』


『??ああ、私が魔族だとしたら、魔界からやって来た・・・先兵だとでも考えたのかしら?!1歳児相手にすごい過大評価ね・・・』


『・・・・』


『私は自分の事もはっきり言って何も知らないわ・・・信じるかどうかはあなた次第だけど・・・』


そうはっきり言う・・・フウ・・・一応答えてはくれるんだな・・・本当かどうかは解らないが・・・この事も聞いておくか・・・


『・・・ちなみにバクバ王を殺したのは・・・』


『ええ、私よ・・・』


あっさり自白しやがった・・・何で殺した?


『だってしょうがないじゃない・・・多分殺していなかったら、お父様に危害がいっていたわ・・・』


その言葉で解った、恐らくバクバ王は恐らくムウとフウ、2人に手を出そうとしたのだろう・・・


ラーフの話から予測して、恐らく強引な手を使おうとして・・・・


『・・・・・・・・・お前にとってお父様とは・・・』


言葉の言い方からして恐らく大事な人物・・・


『私の全てよ・・・』


・・・・大事な人物では無く・・・自分の全てか・・・


『・・・・出来たら、もっと詳しく・・・・』


俺が更に話そうとしたとき・・・


「・・・じょうぶ、大丈夫ですか?」


目の前の男が話しかけて来た・・・いけない・・・頭の中の話に没頭しすぎた・・・


「ああ、すまない・・・今日は一旦帰るとするよ・・・フウもそんな感じみたいだしね・・」


そう言って、一旦離れる事にした・・・・本当はもっと話を聞きたかったが、俺が念話に没頭していて気付いていなかったのだが、フウからの重圧・・・殺気が俺に途轍もなく向かっているのが解った・・・これ以上聞くのは命の危険性すらある・・


それにこの頭の中でする会話も、精神的にすごい負担だ・・・


はっきり言って、今はフウの殺気とさっきまで、頭の中で話していた疲れで、気を抜くと気絶してしまいそうになる・・・


それに本来の目的・・・ラーフからの指示である会うという目的は達成した・・・後は、ラーフ自身にこの行動の意味を聞けばいい・・・


「すみません、座ったまま対応してしまって・・・」


そうムウが言って来たので、気にして事と、帰る事を伝える・・・一応また来るかもしれないから、その事も伝えて・・・


「こちらこそ、急にやってきたのに対応してもらって助かりました・・・また来るかもしれませんが、その時はお願いします・・・」


そう言って、俺は屋敷の外に出た・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何だよあれ!!!


・・・・・・・・・・重圧だけで死ぬかと思ったぞ!!


俺は屋敷から十分離れた裏路地で肩で息をしていた・・・


冗談きついぞ・・・・


あれだけ強い重圧、殺気・・・俺は今まで、いろんな魔物と闘ってきたが、あれだけの恐怖を感じたのは初めてだった・・・あいつが魔王だって言われたら、俺はそのまま納得するぞ・・・・・


俺はそのまま1時間ほど息を整えられるまでそこに居るのであった・・・

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