勇者はギルドへ

神、ラーフからバクバ王が死んだと言われて一カ月後、俺はフォーカの街に来ていた・・・


何でもここにバクバ王を殺した可能性が高い魔族が居るらしい・・・


確かフウって名前だったか・・・しかし今回ラーフも何か変な反応だったな・・・


フウと言う魔族らしき人物がファーカにいると言っただけで、退治しろとも、何とかしろとも言わないんだもんな・・・ただ・・・


『とりあえず、会ってみてくれません・・・それから話をしたいです・・・・」


と言われたので・・・取り合えず、ここまで来たが、ラーフから力を付けるまで王都バイドリウムに関わるなと言われていたから、この王都に近いこの場所から離れて旅をしていた為、ここまで来るのに時間が掛かった・・・


転移魔法が使えればなあ・・・まあ、魔法使いの最高峰と言われているマイル以外使っている人殆どいないみたいだし・・・俺には無理か・・・


そう思いながら、街に入り、その街のギルドまで行く、ラーフからギルドがフウについてある程度知っているという情報を得ていたからだ・・・


ギルドを見つけ、中に入りまっすぐ、受付に行く・・・


「すみません・・・」


「何でしょうか?」


「・・・フウっていう人こちらに来ていません?」


そう言うと、受付の人が目を変えた・・・


「フウちゃんについて何か知っているんですか!!!」


受付の人は俺の肩を揺さぶって来た・・・・・・・フウちゃん?


「いや、風の噂で凄腕の冒険者が居るって聞いただけど、何も・・・・」


「?凄腕の冒険者ですか?何か間違いでは?」


「えっ?」


カールは驚いた・・・・居るか、居ないか、知っているか、知らないかでは無く、間違いではと言われるとは思わなかった


ああ、変装して・・・・見た目を弱くしているのだ・・・


「だって、フウちゃんどう見ても幼女ですもの・・・」


な・・・・・・・はっ?


「えっと、幼女?」


「はい、小さくて可愛いんですよ!!」


・・・・・・・何か予想と違うんだが・・・・・・・


「小さい体に長い髪、赤い瞳に釣り目・・・ああ、思い出すだけで・・・・・・・」


・・・・・・・・何だかトリップしているな・・・・別な人に聞いた方が良いか?


「すまないが、これで・・・・」


「なのに、最近ではギルドに顔を見せて来ないなんて、どうしたのかしら?」


・・・前言撤回、この人多分フウについて詳しく知っている・・・


「なあ、何時ごろから姿を見せなくなったんだ?後、知っているのなら、住んでいる場所も教えてもらえると嬉しい・・・・」


「確か、一カ月以上前からここに来なくなりましたね・・・・しかも、ここ最近は、街ですら全然見かけませんし・・・・って住んでる場所は言えませんよ守秘義務が・・・」


「これでもか・・・」


そう言って、俺は勇者の証を見せた・・・教会から預かっている大事な証だ・・・


「・・・・・・・・・勇者様・・・・・・?」


「ああ・・・・・」


「ゆ・・・勇者様が何でここに・・・・・」


・・・このままだとパニックになるな・・・取り合えず、要件だけ伝えよう・・・


「神の啓示でこの街に来た・・・用件はそのフウと言う人物に会う事・・・それ以外は要件は無い・・・」


そう、本当にそれだけなのだ・・・本来なら会って何々しろと言われるはずなのだが、今回は合う事だけを指令として言われている・・・・


「・・・・・・・・解りました・・・ですが、事が事なので、ギルド長に確認を取ってからにします・・・・」


「解った・・・頼む・・・」


一瞬取り乱されたが、今は普通に対応してくれて助かる・・・いつも勇者って事で特別扱いされるから余り自らは名乗ったりしないが、こういった時には便利だ・・・


そうこうしている内に、受付の人がギルド長に会える許可をもらって来た・・・・・


「失礼します・・・」


受付の人に案内されギルドマスターの部屋に入る・・・確かこの人、元英雄の一人で大斧のギャンと言われた人物だったはず・・・


知識だけ知っているから・・・顔を初めて見るが、今まで様々な戦場を駆け回ったせいだろう、歴戦の戦士の顔をしていた・・・・・


「・・・初めまして、勇者様・・・」


「初めまして、勇者カールと言います、今回はお願いがあってきました・・・」


ギャンは頷いた後、受付の人を追い出し(受付の人は何だか抵抗していた為時間が掛かったが)た。


「・・・・で勇者様はどこまで知っている・・・」


そう言われて、どこまでは話そうか悩んだ・・・だが、ここで、情報を出し惜しみをして相手に不信感を与えるより、全て話した方が良いと考えた・・・・


「・・・・バクバ王が死んだのは伝わっています・・・・・・」


そう言うとギャンは目を見開いた・・・


「・・・・神の啓示か・・・・」


「ええ・・・・」


「・・・・そうか・・・ああ、その通りだ・・・・その所為で今王都が荒れている事もな・・・」


そう言うと、ギャンは頭をガシガシとかきだした・・・・


「・・・・それで、それとフウって奴がどう関係しているんだ?」


「・・・・フウがバクバ王を殺した可能性があります・・・」


・・・・次の瞬間ギャンは俺を見つめ、ため息を吐いた・・・・


「・・・・・・・・・根拠は・・?」


「・・・・啓示以外にありませんね・・・・」


「・・・そうか・・・・ちなみに神の啓示ではあいつは黒なのか?」


「・・・確定はされませんでしたが、恐らく・・・ちなみに、フウとはどの様な人物なのですか・・・・」


そう俺が尋ねると・・・・ギャンは色々話してくれた、見た目は完全に幼女で自称1歳・・・だが、セシルやマイルの本気を打倒した実力者・・・


話を聞くだけでも、信じられない・・・さらに驚くべきは・・・ムウと言う男の奴隷になっているらしい・・・って奴隷?!!


「ちょっと待った!!!!!」


「・・・何だ・・・?」


「何で英雄クラス以上の実力者が奴隷になってるんだよ!!!」


「知らん!!フウ本人が言うには自ら望んでって言ってたが・・・」


・・・ちょっと待って・・・本気でムウと言う男何者?ラーフ、ムウと言う人について何も話していなかったぞ・・・・


「・・・それで、フウは魔族だと思うか?」


俺が頭を痛めていると、ギャンがそんな事を言ってきた・・・


「・・・・どうしてそう思う・・・」


「そりゃあ、体は幼いのにあの実力さ・・・人間だって思う方が難しい・・・」


そう言われて、なるほどなと思った・・・ラーフが診断するまでも無く、怪しい要素てんこ盛りだ・・・


「多分な・・・」


「そうか・・・殺すのか?」


「いや、解らん・・・神の啓示ではとりあえず、会う事しか言われなかったしな・・・」


後の行動は、とにかく会ってからだ・・・そうすれば、ラーフもまた指示を出してくるだろう・・・


「・・・・今あいつは、街の中に来なくなっている・・・理由は解らないが、王が死んでから会わなくなった・・・何かあるのだろう・・・」


そう言って、ギャンは印が付いた地図を渡してきた・・・


「・・・・多分、あいつは家に居る・・・その地図に印が付いているのが、あいつの居場所だ」


「いいのか・・・?」


「勇者様に対して、協力をしない何てできないだろう・・・それに、あいつなら、もし何かあったとしても、自分で解決するだろうしな・・・」


そう言って、ギャンは溜息をついた・・・


「・・・・あいつは何がしたいのだろうな・・・王が死んでおかげで、王都が混乱状態になって・・・このままだとこの街もどうなるか・・・・」


そう言って、ギャンは窓の外を見た・・・・


俺は何も言えず出ていく趣旨を伝え、ギルドを後にした・・・

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