提案

これは、フウとマイルの模擬戦が終わってすぐのお話・・・


・・・闘いの中で心を折られ、帰ろうとするマイルにフウはある事を尋ねた・・・


‐――――――――――――――――――――――――――


「・・・・・・・・・・・・・・・・・ふう、とにかく、僕の負けだ・・・このまま帰るつもりだが、お前はどうする?」


あっ、それなら、帰る前にこれだけは聞いておきましょう・・・多分断られそうですけど・・・聞くだけならタダですし・・・


「・・・ちょっと相談があるんだけど・・・」


「・・・何だい・・・?」


「お父様の奴隷になってくれません?」


「・・・・・・・・・・・はあああああああああああ?!!!!」


うわ!・・・一瞬黙ったと思ったら、いきなり大声を出されて!びっくりしました!!


「うるさいです!!」


本当に何でいきなり大声を出したのでしょう?私、何か変な事、言いました?


「いやいやいや、どうしてそうなったの?!」


どうしてって言われたらそりゃあ・・・


「お父様を守る為です!!本当は他の奴隷の人達に任せようかなと思ってたんですけど・・・思ってたより弱くって・・・それに比べてマイルは思っていたより強いですし!」


そうなのだ・・・マイルの強さは・・・私が今まで見て来た中で、一番強いと感じた冒険者であった・・・とは言っても、英雄クラスの冒険者を見たの、2人目だけれども・・・それに・・・英雄クラスって言う理由だけじゃなくて・・・


「何より・・・きれいな女性ですから!絶対お父様も喜びます!!」


私がそう言うと、マイルの表情が一変した・・・えっどうしたの?


「・・・・・・・・いつ気付いた・・・・・・・?」


「?」


?何が・・・・?


「いつ僕が女だって気付いた?!!!」


「?気づいたも何も?最初から女性だったじゃないですか?」


??変なこと聞く人だなあ???


「・・・・・・・このフードは認識阻害の力が働いていて、俺を男だと思い込ませる・・・神器だったなのにどうして・・・・・第一認識阻害が効いてなくても、フードで体覆ってるから!男性か女性か解る訳が・・・・」


「フードを被ってると、男性の身体か女性の身体か解らなくなるのですか?」


「いや・・・だって・・・ラインとか見えないし・・・」


「?そんなの目で見なくても解りません?」


「解んねえよ!!!」


解らないらしい・・・匂い一つでも全然違うのに・・・まあ、私の場合、どんなに厚着していても、目で見るだけで解るんだけど・・・他の人は解らないものなのかなあ?・・・


「えっと、隠してたんですか?」


「隠してたの!!・・・・・・・本当に何でばれたんだろう・・・今まで、最初から知っている師匠以外秘密にしてたのに・・・・・・・」


「えっと・・・とりあえず、奴隷になってくれます?」


とりあえず、混乱しているマイルに最初に言った提案をもう一度問いかけてみる・・・


「なるか!!ぼけ!!!!」


・・・・ならないらしい・・・うーん、困った、そう言えば妖精さんが・・・


『物事を頼むとしたら頼みを聞いてくれた時に、相応の対価を支払う、そうすれば、頼みを聞いてくれる確立が飛躍的に上がる・・』


そんな事を居ていた気がする・・・だけど、相応の対価がある物なんて私は持っていないし・・・第一、お金は全てお父様のものだし・・・どうしたら・・そう言えばその後・・・


『もしその対価が無ければ何か恩を売っておけばいい・・・・えっ『恩を売ったからと言って、本当に頼んだことをしてくれるの?』かだって?まあ、無理な要求とかだったら、その場では駄目かもしれないが、長い付き合いをしていけば、『あの時の恩があるから断りづらい』って言う状況になってちょっとした無理なら言う事を聞いてくれるかもしれないぞ・・・・・・・私はその心理を利用されて・・・・あいつには、色々頼まれてたなあ・・・』


って精霊さんが言ってた!!・・・・恩かあ・・・そう言えば、冒険者っていつも命の危険性があるんだよね・・・だったら・・・・


「マイル、これ上げる!!」


そう言って、私はビー玉サイズの球体であるマジックアイテムをマイルに手渡した・・・


「・・・・・これは・・・・?」


「・・・これはね!緊急脱出用のマジックアイテム!!!これにほんのちょびっとだけ魔力を通すとね!!お父様の家に一瞬で移動できるの!!!」


「・・・・何でこれを私に・・・?」


「私の先生に口酸っぱく言われてたんだけど、どんな時にでも、奥の手・・・保険は持っていろって言われていたの!・・・冒険者稼業っていつも命のやり取りしているでしょう?もし、今のマイルって魔力が無いみたいだけど、転移できる?」


私がそう言うと、バツが悪い顔をしながら首を振った・・



「そんな魔力が無くて転移が出来ない時にでもこれを使えば、危険地帯から離れることが出来るの!!!」


「・・・・転移出来ない状態だったらこのマジックアイテムにも魔力流せられないんじゃないか?」


「それは大丈夫!!本当にちょびっとだから・・・例えば!!」


そう言って私はマッチの火程の炎を出した・・・


「この炎に使っている魔力だけでいいの!!ちなみにきちんと使うって言う意思を持たない限りそのマジックアイテムにも魔力が流れないから誤作動も無いの!!!」


私がそう自信満々にそう言った・・・だけど・・・マイルは何だか、口を開けて固まってしまった・・・どうしたんだろう?


「・・・・・・そんな事が本当に可能なのか?」


あっ動いた・・・だけど、可能なのかってどういう事?


「?どういう意味??」


「そんなマジックアイテム何て!!聞いた事が無い!マジックアイテムを扱うにはそれ相応の魔力が必要なはずだ!!それがそんなしょぼい炎を出すだけの魔力で作動するなんて・・・」


・・・・・・・・・そう言えば、精霊さんに、このマジックアイテム、秘匿しておくようにって言われてたっけ・・・・・・・・・・・まあいいか!!口止めしとけば!!!


「マイル、一応これ先生に内緒って言われてたから!誰にも言わないでね!!!」


「・・・・・・・・・・・・・・・はあ、解ったよ・・・・・・・・で用件は・・・?」


「?」


「このマジックアイテムを渡すって事は何かしらあるんだろう要求が・・・」


「!だったら、奴隷に!!」


「なるか!!!それが要求なら絶対貰わんぞ!!!」


・・・・駄目か・・・時間を空ければ行けると思ったんだけど・・・


「うーーん・・・先生が恩を着せれば要求しやすくなるって言ってたのに、間違いだったのかな?・・・」


「・・・腹黒い先生だな・・・ちなみに、その先生ってムウってやつなのか?」


「?先生とお父様は違うよ?」


「・・・そうか・・・ちなみに、俺はこのマジックアイテムを押し付けられただけで、使ってないが、これでも既に恩に着せられている状態なのか?」


「それはいいの!私が渡しただけだから、使った時に貸1にしてほしいの!!」


・・・・あっそう言えば、初めて精霊さん以外にマジックアイテムの説明して、さっきからずっと赤ん坊の頃の口調に戻ってた・・・ちょっと落ち着かなきゃ!!


「・・・・・誤作動はしないんだな・・・・」


「・・・うーんちょっと待って・・・」


確かに、誤作動はしないと思うけど・・・一応マイルとマジックアイテムを魔力で繋げておこう・・・


「おい、何をして・・・」


あっそう言えば・・・


「マイルってこのアイテム空間魔法で仕舞ったりする?」


「空間魔法?まさかマジックボックスか!!」


「そんな名前なの?まあいいやそれに仕舞うの?」


「・・・・ああそのつもりだ・・・」


「じゃあ、そこに閉まってても使えるようにするね!!」


・・・そう言えば、緊急用にこのマジックアイテムを渡したけど使う前に死んじゃったらどうしよう・・・・・・


・・・・死んでも作動するように変えちゃおうっと・・・えっとマジックボックスの中に入れたとしても、マジックアイテムとのリンクは切れないはず・・・


それに、ぶっちゃけ魔力を流すのって起動させる為の鍵でしかないし・・・そうなるとマイルの生体反応が無くなった時にも作動するように・・・マジックアイテムの中に私の魔力を詰めて・・・神でも発動するように変えて・・・っと!!


「出来た!!!」


うん、これで大丈夫!!調整に数秒掛かっちゃったけど、これで万が一死んでも家に来る!!死んでもすぐなら何とか出来ると思うし!!


まあ、もし、死んでから発動したらその時は奴隷になってもらおう♪死者を復活させるのって、結構魔力使うんだし・・・これ位いいよね?


「・・・・・・さっき、何をした?」


「?マイルが使いやすい様に調整しただけだけど?」


「・・・・・まあいい・・・危険は無いんだろうな・・・」


そう言って、私のマジックアイテムをマイルが自分の手で回して弄ぶ・・・


「・・・・・・大丈夫!万が一壊れても!お父様の家に移動するだけだから!!」


「・・・・それは、それで困るのだが・・・・・・・・まあいい、君が何か企んでいたとしても、私には防ぐ手段なんてないしな・・・・」


「ぶー、何それ!せっかくマイルの為に調整までしてあげたのに!!」


せっかく!マイルが死んでも発動するように設定変えてあげたのに!!


「はっは、すまない仕事柄、疑うのが癖になってしまっていてね・・・」


・・・精霊さんも冒険者稼業を続けるのなら、疑う事はきちんとしろって言ってたししょうがないのかな?


「・・・解りました!だったらしょうがないですね!!とりあえず、私は帰るね!!お父様と早く会いたいし!!」


「・・・・・・・・・・1つだけ聞かせてくれ、何で君はそんなに強いんだ?」


「?私って強いの?」


「・・・強いかだって!強いに決まっているだろう!!」


驚いた、私って強かったらしい・・・だけど・・・


「だけど、先生はお父様と一緒に居るんだったら、もっと強くならないといけないって言ってた・・・」


「・・・それってどういう事だ?」


それは、お父様が弱かったから・・・


「・・・・・あっ、これは言っちゃいけない事だった!!」


そうだ、身内以外にお父様が弱いことをあまり広めない方が良いって精霊さんが言ってたんだった・・・何でも絡まれた時に、お父様が真っ先に狙われる可能性があるからって!!いけない!!いけない!!


「・・・・・・解った、これ以上は詮索しないでおくよ・・・またな・・・」


そう言って、マイルはマジックポーションを飲んで転移魔法を使った・・・


それにしても、さっきの闘いで使って来た魔法は凄かったなあ・・・初めて見た魔法だったけど、他にも似た様な魔法があるのかな?あるんだったらもっと見て見たかったなあ・・・


ってそうだ早く戻らないと!模擬戦で時間が大量に無くなってしまいました!!このままだと!!お父様と触れ合う時間が更に減ってしまう!!その事に気が付いた私は・・・慌てて転移をするのであった・・・

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