陰謀 報告

王都、バイドリウム、そこの城に2人の人物が居た・・・


1人は王座に座り、深紅のマント、冠、いかにも高そうなコートを羽織り、下にいる人物を見ていた・・・


もう1人はでかい杖とフード付きの黒いコートを身に着けフードをかぶり膝をついていた・・・


「・・・ここは人払いをしている・・・好きに所為・・・」


そう言うと、黒いフードをかぶった人は・・・立ち上がった・・・


「それなら、好きにさせてもらうよ・・・王様・・・」


先程まで、片膝を立て目の前の王を敬う行動をしていた人物が一変し、軽い口調で話しかけた、その変化に王は眉間にしわを寄せた・・・


「・・・まあ良い、どいつもこいつも英雄クラスは使いづらくて敵わない・・」


「そんな英雄クラスの僕を呼び出してどうしたのさ・・・」


そんな皮肉も気にせずに、黒いローブの人物は杖を回しだしながら、話の先を促した・・・


「セシルが負けた・・・」


そう、王が言うと、黒いローブの人物は杖を回すのを辞めた・・・


「何時もの様に、魔の森に修行しにフォーカのギルドに行ったときに負けたようだ、まあ、負けたと言っても試合で負けただけだから命に別状は無いがな・・・」


「・・・相手は誰・・・?」


「・・・見た目5歳児の自称1歳児だそうだ・・・」


「ふざけないでほしいな・・・」


そういうと、またフードの人物は杖を回しだした・・・


「・・・ギャンからの連絡だ・・・」


「・・・・・・・・・・・・」


その言葉にまたしても、杖を回すのを辞めた


「あいつが嘘を付く連絡をする訳が無い・・が・・セシルが闘った相手自体が嘘を付いている可能性はある・・・・」


「・・・それで用件は・・・?」


「その子供を調べろ・・・」


「セシルに頼めばいいんじゃないか?丁度フォーカに居るんだろう?」


「・・・あいつは魔の森に籠った・・・暫くは出てこん・・・しかも、今回は英雄クラス以外の者に負けたこともあって、どの位の期間、籠るのか想像もつかん・・・しかも、人物を調べる上となれば、お前の魔法の方が役に立つ・・・」


「・・・・・・・」


「セシルは腕は立つが、魔法はほとんど使えん・・・それに、セシル本人からの報告だが、奴が見た所、お前と同等の結界を試合の際張ったらしいぞ・・・」


そう王が言うと、黒いローブの人物は目を見開いた・・・


「どうだ、興味が出て来たか?大魔法使いマルイよ」


「解った・・・受けよう・・・」


そう言って、マルイはフードをはずし、詳しい話を王から聞くのであった・・・


――――――――――――――――――――――――――――


「お父様お願いします。一緒にギルドに行ってくれませんか?」


俺が何時もの様に部屋でごろごろしていると、フウがそんな事を言ってきた・・・何でも、今までの色々な出費でお金が心許ないだそうだ・・・


「本当なら、1人で行かなければいけないんですけど・・・私1歳ですから・・・」


・・・そういえばギルドカードが発行されるのって、15歳からだったよな・・・それだと、依頼も換金もフウ一人では出来ないのか・・・実力的にAランクのパーティーに入っててもおかしく無いはずなのにな、フウって・・・


「なので、お父様にお願いしたいのですが・・・」


そう言って、フウは俺の顔を心配そうに見てくる・・・いや・・・そんな顔しなくてもいいから・・・


「解った・・・行く・・・と言うより、これ位しかやること無いし・・・」


第一、奴隷と家を買って今日まで、ずっとゴロゴロしていたからなあ・・偶に魔法の練習はしていたけど、相変わらずで、最近はそれすらもやってないし・・・・


・・・完全にヒモだよな・・・俺って・・・・


「ありがとうございます!!早速行きましょう!!」


俺が行く事を伝えると笑顔で喜ぶフウ・・・なあ・・フウ・・・俺・・・完全にフウのヒモになってるだけど・・・本当にいいのか・・・?


俺は疑問を口に出すのを我慢をした・・・多分、口に出したら、フウが悲しむのが目に見えて解るから・・・


そして、その後、ギルドの近くまでやってきました・・・フウの転移魔法で・・・一瞬で・・・前、歩いて来た時は40分位掛かっていたよね・・・それを一瞬って・・・もう、今更突っ込んでもしょうがないと頭を振り気持ちを切り替え、ギルドの中に入っていく・・・


ギルドの中に入ってすぐに、フウは依頼書の所に走っていった・・・しかも、Aランクの依頼書の所に・・・・・いや、今日換金出来たんだよな?


「ちょうど、この素材を持っていたので・・・」


その依頼書に書かれていたのは、以前見た依頼書である幻想草を始め、黄金草、銀草・・・・様々な薬草を持ってくるように書かれていた依頼書があった、どれも全て1束1金貨以上である。


・・・えっと、これ納品するの?というより、全部持っているの?!そう思いながらもフウに手を引かれ、受付に行く・・・俺・・・完全にフウの方が保護者の様な感じがするのは気の所為だろうか・・・


「依頼と換金をお願いしまーす!!」


と元気よく言うフウ・・・元気だな・・・お前・・・


「はい、解りました・・・あれ?」


・・・あ、この人確か・・・ギュルって人だっけ?また会ったな・・・


「・・・今度は驚きませんよ・・・」


・・・?なんの宣言なんだそれは?


「それでは、依頼を・・・」


そう言って、依頼書を受け取ろうとした、ギュルの動きが止まった、目がフウの手を見ている・・・


「・・・奴隷の紋章・・・・」


・・・・・・・・あっやべ・・・・・・・・・・・・・


「何!やってんですか!!フウちゃん!どう見ても15歳未満ですよね!!いや15歳以上だから大丈夫って訳じゃ・・・!!!と言うより何で奴隷にしてるんですか!!!!!」


すげー問い詰められた・・・やばい・・・どうしよう・・・


「むーーーお父様を虐めるな!」


と・・・フウ・・・


「いや・・・虐めてるわけじゃ・・・」


フウにそう言われてギュルも口ごもる・・・いや・・・確かに、この場合は、ギュルの方が正しい・・・


「それに、これは私がしたの!!」


・・・・すげー爆弾発言しちゃってるよ・・・フウ・・・


「えっと・・何を・・・」


「奴隷契約!!」


そうフウは高らかに宣言をした・・・もうやめてフウ、周りの視線が痛い・・・


「えっと、それって嫌がっていたのに無理矢理契約を迫ったとか・・・」


「喜んで!!どうしてお父様の奴隷になるのに嫌がるの?」


そう、フウが言うと・・・少しポカーンとした顔をギュルがしたかと思うと・・・すると、俺の隣に立ち俺の耳に小声で・・・


「どんな洗脳したんですか・・・」


って言われた・・・いやしてないから!!確かに洗脳と言う名の教育をしようと考えはしたけど結局1回もして無いから!!!


「むう!私洗脳されてないよ!!」


とフウ・・・やっぱり聞こえてたんだね・・・


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・解りました・・・とにかく依頼を受理します・・・」


そう言って、ギュルは書類を受け取った、と言っても、そこに書かれていた薬草は全てフウが既に持っていていた為、依頼を受けたのにほとんど素材の換金と変わりが無かった・・・


ちなみに、それぞれ100束を超える数を取って来ていたらしいのだが・・・


「もうこれ以上は無理です!!」


と言われ、それぞれ100束ぐらいで終わりになった・・・それで今回の依頼報酬は合計は白金貨10枚と金貨24枚で落ち着いた・・・


ちなみに今回は即金である・・・前は日数がかかってたのにどうしてと思って聞いてみたら?


「ギルドマスターが貴方達がいるのならどうせ、近いうちにまた大きな素材持ってくるだろうから少しでもお金をギルドに備蓄しておけって・・・だから、別の街のギルドからお金を少しずつ集めておきました・・・」


・・・・ギルド長!ギルドマスター!!ありがとう!!おかげで!!もう一度ギルドに来なくてもすんだよ!!


・・・・はっきり言って、フウが高らかに自分が俺の奴隷宣言したギルドにお金をもらうためとは言え、もう一度来るなんて・・・怖くてできない・・・


「・・・・フウちゃん、奴隷が嫌になったら、私のとこ・・・」


「ならない!!変なこと言わないで!!!」


ちなみにこのやり取り3回目である・・・確かに普通に考えたら・・・見た目幼女、実年齢1歳の子供を奴隷にしたらやばいよなあ・・・やばいですむか?


周りの視線が痛い・・・そんな事を考えていると、フウはお金を受け取り、そのまま俺の手を取ってどんどん外に出て行った・・・


そうして、いつの間にか転移を使ったのだろう・・・気づいたら家にいました・・・


「ごめんなさい!お父様に不快な言葉を聞かせてしまって・・・」


そう言って、フウは頭を下げた・・・ギュルが言っていた言葉を気にしていたらしい・・・・


いや、大丈夫だから、と言うよりギュルの言ってる事の方が正論だったような気がするし・・・・・だから、俺は『気にしていないよ』と言った・・・


だが、フウの気はそれではすまなかったようで・・・その後も、ずっと、不機嫌そうにしていた・・・


結局俺は、フウをなだめるのに俺はその日1日を使った・・・

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