決闘

私は、あの日を鮮明に覚えている。周りが殺気だらけでいつも死を体感していた日々、そんな中で、会った貴方と言う存在・・・・・・・・


私にとって人生は、出会った瞬間、貴方が全てになった・・・それは今でも変わらない・・・


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精霊さんの最後の修行で、ドラゴンと闘う事になった。それもいつも闘ってたドラゴンでは無く、ディエティドラゴンと言われるドラゴンだ。


何でも、英雄クラスという人間の冒険者の中で一番上の人達が闘って勝った事があるドラゴンで、このドラゴンに勝つ事が修行の終わりらしい・・・


それから、凄まじい攻防が続いた・・・精霊さんがお父様を守る事を想定に闘えと言われ、結界を張り、ディエティドラゴンの攻撃を結界の外に出さない様に闘っている為、魔法がほとんど使えない・・・


だが、私は、全力で、ディエティドラゴンにぶつかる・・・これが終われば、お父様と一緒に街に行けるのだから!!


私は、強化魔法で全身を覆う・・・結界を作っていても、これ位は余裕で使える・・・後は、魔法をどの位節約して闘えるか・・・・


かなりの時間、ディエティドラゴンと闘い続ける・・・私は最近、ドラゴンですら、一瞬で殺してしまう為、これだけ長い時間闘うのは初めての経験だった・・・


だが、疲れは感じない・・・絶対!お父様と旅に出るんだ!!!・・・そして・・・


「負けだ・・・」


ディエティドラゴンがそう言いました・・・えっと・・・勝ちでいいんでしょうか・・・?


私はディエティドラゴンのいきなりの敗北制限に困惑をしました。さっきまで、怒涛の攻撃を繰り出していたのに、いきなり、敗北を認めれられて、私は戸惑っていました。


一応、身体はボロボロですが、喋れますし、頑張れば闘えそうですが・・・


「・・・・・・・合格だ・・・・」


そう言われて気づく・・・そうだ!試験だから別に相手を殺さなくてもいいんだ!!!


やった!!勝ちでいいみたいです。やった!!さっきまで!!かなり無茶をしましたが、何とか勝てました!!!


「・・・・・・・・ここまで強くしなくてもよかったのではないか、前に勝った英雄も我と一人で何て・・・・」


ああ、これでやっと街に行けます!!


「そうしなければいけなかったのよ・・・さっき言ってた、この子が守りたいって言ってた、もう一人が、ゴブリンすら倒せるか解らない位弱いから・・・」


お父様は喜んでいただけるのでしょうか?


「はっ?・・・・それは本当か?・・・・あまりにも力の差があり過ぎて問題が・・・・」


「はあ?」


「無いですね・・・すみません」


何かトカゲが何か言ってますが、そんなの気にしません。ああ、早くお父様と街で二人きりになりたい・・・


「フウ、これだけは言っておく・・・お前はかなり強くなった、下手をすればこの世界一強いと言っても過言ではない、だが、ムウをあやつを100%守り切れるとは言えない・・・」


・・・・えっ?


「だけど、試験をやる時、この試験をやり切れば、もうお父さんを守り切れるって・・・精霊さんが・・・」


「普通の相手ならそうだろう、英雄クラスの人間が相手でも真正面から戦えば勝てる、だが、他の者を守りながら英雄クラスと闘えば解らない・・・」


「それは・・・」


「英雄クラスとなるとな、総合力より、一片の長所を上げる事を優先する・・・お主は総合力なら負けないかもしれないが、英雄クラスとなると、その長所の部分が勝てない勝てるかどうかは解らん・・・もし、その一点が劣っていれば、それだけ不利になるだろう・・・」


そう言った、後、ディエティドラゴンは空を見上げた・・・


「英雄クラスは闘いのプロ、自分の長所を生かして闘うのには慣れておるはず、もし、相手の長所がお主の想定以上だった場合、お主は守りきれるか?フウよ・・?ムウという男は、ゴブリンより弱いと言ったな、恐らく、万が一攻撃を受けた時、一撃で、ムウという男は死んでしまうだろう・・・100%守り切れるわけでは無いと言ったのはその為だ・・・」


その言葉を聞き私は口を閉ざしてしまう・・・・


「フウお主が、あやつを守る為に色々な試験を課してきた、そして、お主はそれを見事クリアしてきた、だがそれでも、守るという事は難しい、それも解っているな・・・」


その言葉にうなずいた・・・半年前にも精霊さんに似た様な事を言われたからこそ、必死になって様々な事を覚えてきたのだから・・・


「力がある者は必ず何かしら大きな出来事に出くわしてしまう・・・お主が本当にムウを守りたいと言うのなら、別れた方が・・・・・・・」


そう言われて、私は涙ぐむ・・・・・・何でそんな意地悪言うの・・・・?私は・・・ただ、お父様のそばに居たいだけなのに・・・


「・・はあ、解っておる、絶対にお主があやつから離れんという事はな・・・・・・本当に、どうしてこうなった・・・・」


そう言って、精霊さんはため息をついた、何で精霊さんはいつも意地悪ばっかり言うんだろう??そう思って精霊さんを睨んでいると・・・


「・・・お主まだ、体力余っておるな今日は熊鍋を作ろうと思うから、狩ってこい!力はいつも通りほぼ0にしてな・・・」


そう言われたので私は「はーい」と返事して森に入っていく・・・・・・精霊さんの言葉を聞き、私はある決心をした・・・・・・


お父様に私をあげる前に、その英雄クラスも倒せるくらいにならないと・・・・・・それも相手の得意分野で倒せるぐらいに・・・私はそう決心をした・・・


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そうして今、英雄の一人大剣セシルが目の前に立っている・・・何でセシルの事を知ってるかと言うと、4カ月前にここに来た時に色々調べていたのだ。


1日で調べ切るのはなかなか大変だったけど、その時、英雄セシルがこの魔の森で一年に一回訓練しに来ている事を知った・・・来るのも、大体この時期だって言っていたけど、絶対じゃなかったから、会えるとは思ってもみなかった・・・


それどころか、闘えることも出来るとは・・・


精霊さんからは余り英雄と関わらない方がいいって言われたけど・・・せっかく英雄クラスと闘える機会・・・勉強させてもらおう・・・


そう思って、周りを見渡した・・・今いる場所はギルドの訓練所だ。


今日は人払いをして、私たち以外居ない様にしたと言っていた・・・今日はお父様に私の戦いを近くで見てもらえる絶好の機会・・・気合を入れなければ!そう思って私はセシルを見る・・・


向こうもやる気の様だ・・・


「ルールは何でもあり、生死についてはお互いの差加減で、勝敗は死ぬか負けを認めるまで・・・」


「おい、フウやっぱりやめた方が・・・」


「大丈夫・・・」


お父様が心配そうに言うのを聞いて、そんな心配が無い事をこの戦いで見せないといけない!・・・と新たに気を引き締める・・・だって訓練の時は、お父様は村の中に居て見せれなかった・・・


私の始めての闘う姿・・・お父様に見てもらいたい・・・そう思うと、自然と気分が高鳴って来た・・・


「よし、始め!!」


その掛け声と共にセシルが大剣?を振って来た。速い!ディエティドラゴンよりでは無いが、人型である為、かなり複雑な動きをしてくる・・・


私は咄嗟に氷で剣を作り、魔力でコーティングして受け止める、すぐに、2撃目、3撃目・・・どんどん斬撃が来る!!


相手のスピードは速く、力も魔法を使っていない今、素の力は負けてるけど・・・まだダメージを受ける程ではない、私はそう思って全てを受け流す・・・ギリギリ何とか追いつけてる・・・・


相手はドンドン切り込んでくる、気づいたら後ろに居た何て何度もあった、だけど、すぐに対応して受け止める・・・段々慣れてきた・・・そう思っていると・・・


「・・・私の負けだ・・・」


そう言ってセシルは大剣を仕舞った・・・っへ?ちょっと待って、まだ貴方本気出してないでしょうが!!せめて本気出して終わらせてよ!!


「待って!!まだ貴方本気出してないでしょう?」


「・・・だとしても、本気を出す理由も無いし、この場所で使ったら訓練所何て吹っ飛んでしまう」


・・・本気でやると周りに被害がいくのが嫌なの!!?だったら!!


私は、訓練所全体を結界で覆った。これなら大丈夫なはず・・・お父様にはいつも通り三重結界を付けたままです。


「結界を使って試合します。これなら、周りに被害が無いでしょう?」


そう挑発的に言ってみる。だって、せっかく英雄クラスと闘えるのに、本気を出させないで終わらせるなんて勿体無い・・・英雄クラスのレベルも知りたいし・・・


訓練所の壊れるかどうかもこの結界で大丈夫なはず・・・問題は・・・ディエティドラゴンの時と同じ結界を使った為、ほとんど魔法が使えなくなった点ですが・・・・


「・・・これだけの魔法お主はもう魔法を使えないんじゃないか?」


・・・いや、確かにほとんど、使えないですが、全く使えないわけでは無いですよ・・・?だけど、この人も、魔法を強化魔法以外使ってこなかった様な・・・


「貴方だって、強化魔法以外魔法を使っていないじゃないですか?」


「俺は、強化魔法以外、魔法を覚えていない・・・だから、使える魔法はこれだけだ・・・」


・・・・でしたら・・・


「・・・だったら、私は素手で相手します・・・」


そうだ・・・相手の得意分野で勝つと考えていたのだ・・・氷の剣も魔法だ・・・魔法を使わず、セシルに勝たなくては、この戦いに挑んだ意味がない・・・・


「本気か・・・?」


「ええ・・・」


私がそう言うと、彼は大剣を振りかぶった・・・


「後悔するなよ!!!」


そう言って大剣を振り下ろした。


私は咄嗟に身体全体に強化魔法をかける・・・精霊さんから教わった、体裁きを使い、何とか剣の矛先を変える・・・だが、少し変えた所で剣に纏われている衝撃波が私を襲う・・・ディエティドラゴンの咆哮を食らった時と同じ程の衝撃が私を襲う・・・・・


・・・・少しダメージを受けてしまいました・・・うう・・・やっぱり、体裁きだけじゃあ、ダメージを全部、吸収できなかったか・・ノーダメージで終わらせたかったけど、やっぱり無理だったかあ・・・お父様にかっこ悪い所を見せてしまいました・・・だけど、これから反撃です!!そう思っていると・・・


「・・・完敗だ・・・」


そう言って、後ろを向いて歩いて行った・・・ちょっと待って!!


「まだ、終わってないけど?」


「・・・奥の手を防がれてこれ以上闘えねえよ、もし闘ったらどちらか死ぬしな・・・」


そう言って訓練所から出て行った・・・ええ、結局英雄クラスの実力解らなかった・・・


・・・・あの攻撃をずっとされてたら私もどうなってたか解らなかったし、英雄クラスは奥義があるからって精霊さんも言ってたけど、それも見れなかったし・・・奥義って言うからには、本当に途轍もない技で、ディエティドラゴンも一撃で倒せる様な技なんだろうけど、そんな技は一度も売ってこなかったしなあ・・・・うーん?そう思っていると・・・


「悪かったな、ほれ!!」


そう言って、ギルド長が、お金が入った袋とギルド会員証をお父様に渡した・・・


「・・・・・・Aクラスって書いてますけど・・・」


「そりゃそうだろう、SSクラスに勝ったんだ。本来ならそのクラスに上げなきゃいけないんだが、ギルド長権限でもこれが精一杯だ、勘弁してくれ・・・」


そう言ってギルド長が訓練所を出て行った。お父様?何だか、目の焦点あっていませんが、大丈夫ですか?


お父様!!!!


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「おい!大丈夫か?!!」


そう声をかけるのは今はギルド長、前は元英雄クラスだった大斧のギャンだ。


「・・・大丈夫に見えるか?」


「・・・すまん、あの奥義を使って大丈夫な訳ないな・・・」


そう、さっき俺は奥義を使った。自らの寿命を引き換えに力を数倍、一瞬なら数十倍にあげられる力だ。


「けど、お前の数倍以上の力を・・・」


「数倍じゃない、数十倍だ・・・」


先程は奥義の力を使い数十倍まで上げて殺す気で攻撃をぶつけたのだ・・・この奥義は修行の時にブラックドラゴンと闘う時ですら使わないでいないものであったが、本当に奥の奥の手を今回の闘いで使ったのだ・・・それだけ、全力で攻撃をしたのだ・・・


結果は少し服を切れたくらいで終わったが・・・


「・・・本気を出してあれか・・・」


「ああ、全力を出し切ってあれだ・・・」


本来の予定では、怪しいあいつらの実力を測り、危険だと感じたらすぐ殺す手はずだった。危険が無いと判断したら、Aランクのギルド証明書を渡すつもりだった。


まあ、結局はFランクのままだと相手が勘違いでからんでくる可能性が高い為、予めギャンが準備をしていたのだが、勝とうか負けただろうが、危険が無いと判断した段階で渡すつもりであった・・・


まあ、それ以前に、勝負になっていたか解らないが・・・


話を戻そう、俺は最初の一撃を放った攻撃が防がれすぐに危険だと判断した、普通俺の一撃を受け止める相手等そうはいない、良くて、避けて距離を取るのが最善手だ。


だが、目の前の相手は真正面から受け止めたのだ。これはギャンと話していた魔族の可能性がより一層高くなった・・・そう判断して、すぐ殺す気で放っていった攻撃をした。しかしその攻撃もいなされ、それどころか動きも闘い始めてすぐの頃より良くなっていった・・・


・・・俺の動きを学習しているのだ。そう気づいた・・・


気づいた瞬間、俺はすぐさま、攻撃を辞めた。これ以上攻撃しても相手に俺の情報を与えるだけになる・・・しかも、こいつを確実に殺そうとすれば奥義が必要になってくるのだが、奥義は周りの影響を考えると使えない。だからこそ、試合に負けたと宣言したのだ・・・


そうしたら、どうだ次の瞬間結界を貼って来たのだ。この結界の強度はあの大魔法使いマルイと同じ位の強度だ・・・・一度見たことがあったためその結界がどれほど強いか解った・・・英雄クラスの武術を持ち、魔法すら英雄クラスってどんだけだよ・・・


俺はそう心の中で愚痴りながら、これだけの魔力を使っているのなら、今はほとんど魔力を持っていないのではないか・・・そう思い尋ねると・・・あっさりとそうだと認めた。それどころか、俺の本気を素手で相手をするとまで言ってきた・・・


なめやがって・・・そう逆上しそうになったが、俺は考えた。これだけの力を放って置くわけにはいかない、それにあいつらが何者かは知らないが今相手は俺をなめている・・・


本当に魔法が使えないのか解らない・・・・だが、使えたとしても俺の本気の全力100倍近いブーストをかければ絶対に倒せる・・・周りに影響が出るかもしれないが・・・こいつが油断している今がチャンス・・・そう思って・・・俺は全力で攻撃した・・・結果は・・・ほぼ相手も無傷だった・・・


・・・俺の負けだ・・・


・・・・・・・・・・そう思った瞬間、心まで折れたように感じた・・・・・・・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・本当にそうか・・・?俺は・・・このまま終わりたいのか・・・?


「・・・俺は魔の森に行く・・・」


まだだ、まだ終わりじゃない・・・俺は弱気になる心を奮起させる。そうだ!俺は何の為に戦士に・・・冒険者になった?何で英雄クラスと呼ばれるまでに強くなった?


そうだ・・・誰よりも強く・・・逞しく・・・そして、自分自身で伝説を作る為にここまで来たんだ!子供一人に負けて、立ち止まっている場合では無い!!


その為には、あの子供より強くならなければ・・・そう考えた時に、俺は魔の森に行く・・・その言葉がふいに出て来ていた。


「・・・何でだ・・・」


何しに行くか・・・・・・これ以上・・・強くなるには、並大抵の修行では、強くはなれない・・・第一、ブラックドラゴンはあの子供が数えきれない程倒している・・・だったら、俺はそれ以上の魔物を倒すまでだ!!


「あそこに居るという伝説のディエティドラゴンを倒してくる・・」


・・・かの勇者が倒した、ディエティドラゴン・・・あいつを倒せば、俺はもっと強くなれる・・・それこそ、フウと呼ばれた子供を倒せるくらい・・・


「あんなの本当に居るか解れねえぞ!第一本当に居たして、一人で倒せるわけがねえ!!」


そう、昔倒したとされる英雄も10人掛かりで挑み何とか倒せたと言われている・・・だが、これ以上強くなるには、無理を道理にしなければ、上には行けない・・・そう感じていた・・・それに・・・


「行く・・・例えいなくとも、あそこ程修行に適している所は無い・・・」


・・・そうだ、もしいなくとも、ブラックドラゴンを始め、様々な凶暴な魔物達が居るのだ・・・行かない手は無い・・・


これは、ギャンには言ってはいないが、ディエティドラゴンについては、全く当てが無いわけでは無い・・・居るのなら、絶対見つけてやるつもりだ!!


「・・・はあ、解った行ってこい・・・」


その師匠の言葉に俺は頷いた。そのままギルドから出て行き魔の森へと向かう。・・・・目標はあの子供・・・フウ・・・・待っていろ!!絶対倒してやる!!!

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