出発

「お父さん見てみてーーーーーー!!!」


そう言って、狩ってきた5mの熊の魔物を見せる子供、名前はフウ俺の義理の子供だ・・・。容姿はロングの髪で俺と同じ黒い髪をしていた。瞳は何か赤いけど、何なんだろうか?


・・・まあ、そんな事より問題はフウが俺では絶対狩れない熊の魔物を狩ってきたって来てるって事だ、これは一度や二度では無い、下手するとドラゴンすら狩ってくる・・・いやドラゴンの方が狩ってくる頻度が高い・・・・俺って親って名乗っていいのか?そんな事を考えていると・・・


「よし!ハンデを付けてもこれだけ狩れるのなら、これなら森の外に行っても大丈夫だろう!!」


精霊さんハンデって何ですか?俺わかんない!!そして、フウは5mの熊を消す。多分魔法で仕舞ったのだろう。この子は魔法で荷物を持たずに移動できる・・・


「本当!!お父さん!!!街に行けるよ!!」


うんそうだね・・・お父さん何もしてなかったと思うよ・・・1年間頑張ったけど、精霊さんが作ってくれた的すら壊せなかったよ・・・・


「何じゃお主、喜ばないのか?」


・・・・


「喜べるかーーーーーーーーーー!!!何だよ!!!一年間で出来た事って火の玉、水の玉飛ばせる事が出来ただけじゃねえか!!」


「だったらお主一人で、一年間の修行で飛ばせられたか?」


「それは・・・」


そう俺は自己流で今まで魔法を使ってきた。村でも魔法を使っている人は結構いた。しかも大抵は俺よりうまい・・・と言うより魔法を使える人の中で一番弱かった・・・魔法を使えない人は体を鍛えてたりしたが、俺は筋肉が付きにくい体だったらしく、あまり効果が無かった・・・はっきり言って、冒険者になるにはあまりにも非力過ぎた・・・


しかも、マッチの火を出せるようになったのだって3年、水を出せるようになったのだって3年、計6年掛かっている・・・それを考えれば1年で火の玉、水の玉を飛ばせるようになっただけでも上出来だろう・・・


フウがこんなに成長しなければな・・・俺、要らなくね?


「・・・お主が今考えている事は大体解る、だが、お主はこの子の親なのじゃ、その辺は自覚してほしい・・・」


無理だって、俺誕生日来たけど、まだ16だよ、お父さんになるなんて経験値不足だよ・・・・・


「・・・はあ、お主は・・・」


「お父さん、フウのお父さん辞めちゃうの?」


そう言って俺の事を覗き込んでくるフウ・・・いつもはこの目を見てしまうと、罪悪感でなあなあにしてしまうが、今日はそうはいかない、というより街に行く前にこれは確認しておかなくてはいけない・・・。


「なあ、街に着いたら、別れるか?」


「えっ?」


「だって、今のお前ならもう大丈夫だろう、知ってるぞ、お前もうすでにこれから行く街について勉強で教えてもらってるんだろ?」


そうこのフウ多分まだ1歳のはずなのに、もうすでに人間社会について勉強がすんでいる。何でも、この大きな子供位の精霊は前に人間と契約していたらしく人間社会についてかなりの事を知っていた。冒険者から始まり、貴族、はたまた王族についても教えていたらしい・・・・・・


対して俺はそんな勉強についていけず、授業はほとんど寝ていた・・・・。


フウと俺で知識の面に対しても負けているのだ・・・


これだと、俺が保護者では無く、どちらかと言うと介護される側である・・・・まあ、森だけは抜けたいから、そこはお願いするけど、街に着いたら俺はいない方がいいだろう、というか邪魔だろうがどう考えても!!


確かに俺は奴隷によるハーレムを目指していたが、これじゃあ、完全におんぶにだっこ、というより、赤ん坊にその為の資金稼がせるなんて出来やしねえだろうが!!奴隷にする教育?精霊さんに任せた時点で出来る訳ないだろ、はは・・・今考えると酷い作戦だよな・・・もうお父さん劣等感で死にそうなんだよ・・・


まあ、村でも序列下の方だったけどな、はは・・・そんな事を考えていると・・・


「やだ・・・・・・・」


フウが一言呟いた、そう思ったら、フウが光り出した・・・へっ?しかも周りがすごい風が吹き出している・・・


「やだーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


すげー突風が精霊の町を襲った。やべーって、これやべーって!!


「ああもう!!」


俺は咄嗟に抱き寄せる。風が吹いてるはずなのに俺には風が当たらない何故だ?まあ、おかげで近くまで行けたけど・・・


「落ち着け!!」


「ぐず・・・お父さんいなくならない?」


「・・・はあ、何で俺なんかに構う」


そうだぞ、多分お前と一緒に居たら多分ヒモになるぞ、しかもとびっきりの・・・それどころか、お前の金で奴隷すら買うかも知れんぞ・・・完全にクズ人間だな俺・・・


「お父さんだから・・・」


「はあ、まあいいや解った暫く一緒にいるよ・・・」


・・・考えてみたらこいつはまだ赤ん坊なんだよな・・・そう考えると、まだ甘えたり無いだろうしなあ・・・甘えたり無い子供が、ドラゴンとか狩ってくるもんなのだろうか・・・


そんな事を考えていると・・・


「・・・話は纏まったか・・・ふう・・・ひやひやさせおって、もう少し遅かったらこの町無くなっておったぞ・・・」


何それ怖い・・・


「いや、お前の魔法で何とかなったんじゃないか」


お前フウの先生だろ。


「なるかーーー!!!!こやつの強さはもう既に上から数えた方が速いくらい強くなっとるわ!!」


はっはっは、精霊さんも可笑しなこというな、まだフウ一歳だぞ・・・冗談だよな・・・


「・・・残念ながら本当じゃ、昔の英雄と呼ばれた者達と差しで戦えるぞ・・・」


・・・はあ?何でそんなに強くなってるの?


「仕方ないだろう!!お主が思ったより強くならなかったんじゃ!!!」


ぐさ!


「普通ならゴブリン位簡単に倒せる位強くなっているはずが、倒せる事すら微妙・・・」


ぐさ!ぐさ!!


「逃げ足がうまくても一撃で殺されるお主を守るとしたらこの位強くしなくてはいけなかったんじゃ!!!」


ぐさ!ぐさ!!ぐさ!!!


そんなに言わなくてもいいじゃないか・・・



「だが安心せい、フウはもう既に英雄クラス以外ならお主がおっても倒せる」


「だったら、俺いらないんじゃ・・・」


「あの子が何故ここまで頑張ったのか解らないのか!!!」


そんなの解るわけ・・・・


「お父さん・・・」


フウが俺の手を握ってくる・・・


「はあ・・・これは言うつもりは無かったのじゃが、お主と同じこと私も言ったのだ、もうお主は既に独り立ちできると・・・」


何でも精霊さんはフウに4カ月前にこう言っていたらしい・・・お主の力は既に一人だけで闘うだけなら殆どの者には負けないと・・・


その言葉にフウは


「それで、お父さんは守れますか」


と言ってきたらしい・・・精霊さんは嘘を言ってもしょうがないと思い、今のままじゃ、ある一定の水準までなら守れるが相手のレベルがギルドで言う上級以上だと解らないと・・・そう言うと


「解りました。絶対に守れるまで強くしてください」


そう、はっきり言ってきたらしい・・・・・・・・・・俺は手を握っているフウを見る、フウは俺の顔をじっと見ている・・・・・・なでなでしてみると、嬉しそうに笑う・・・・こうしてみるとただの子供にしか見えない・・・実年齢は赤ん坊のはずだけど・・・・本気でそんなこと言ったのか?


「信じる信じないは貴方の勝手よ、ただ、この子の原動力・・・と制御は貴方が中心になっているのを忘れないで・・・」


へっ制御?


「この子の暴走だけど、何も今日だけじゃないのは解っているでしょう・・・まあ、大体私が貴方に悪口をいった時なんだけどね・・・」


・・・確かにそうだ、フウがおかしくなりそうになったのを俺は覚えている。そういった時は大体頭をなでたり、抱っこしたり、手を繋いだりすると、元に戻っていたから気にしてなかったけど・・・あれって暴走になりそうだったの??!


「・・・とにかくこの子の暴走はあなた次第なの・・・」


「大げさな・・・」


多分、思春期になればすぐに離れるようになるだろう、それまで・・・・・・・・・・・・いやちょっと待て逆に言えば思春期になるまでは離れないという事だよな・・・・・・・それまで奴隷ハーレムお預け・・・・・・・・・・・嫌だ!そんなの嫌だ!!!


・・・・・・・・よし、こうなりゃ、上級冒険者にフウを預けよう・・・・・そっちの方がフウも幸せだろうしな・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そうして次の日、街に行くことになった俺達は眠りについた・・・・

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