精霊の村の中で

精霊の村に来て一年、俺は魔法の練習に必死だった。


この村から外に出るにしても周りは化け物だらけ、だったらここで鍛えていったらと始めに会った精霊(精霊に基本契約されない限り名前は無いらしい)に言われ、早一年俺は火の玉、水の玉を打ち出す魔法を覚えた・・・・・・・


いや、凄い進歩したんだよ!前何て火は焚火に火を付ける事しかできず、水は飲み水しか確保しか使えなかったのだ!!


それに比べたらすごい進歩だ・・・


そして、あの赤ん坊はというと・・・


「あっ!お父さん!!」


そういってかけてくる小さな子供・・・後ろには大きな熊の魔物の死体を浮かしていた・・・うん、あれ身長5mはあるよね・・・・・・・・


・・・そんな大きな魔物を持ってきたのは何を隠そうあの赤ん坊なのだ・・・名前はフウと名付けた。


身長は100㎝位大体5歳児より小さい位、服は蔦や草で作られた服を着ている。精霊さんが作ってくれたものだ。俺のも作ってくれてたまに着ているが、結構スースーする。


そんな彼女が何故熊型の魔物を狩る様になったかと言うと・・・あれは、一年前に遡る・・・


「じゃあ、あの的に当ててみろ」


おれは魔の森から抜け出す為に魔法を使う練習を始めた。その練習をする為に放った一発目を放った瞬間・・


ドーン!!的は跡形も無く無くなった。


「はっ?!!」


魔法を放った本人である俺が呆気にとられる・・・こんな威力の魔法今まで放った事が無いんですが・・・


「駄目だ!!これじゃあ練習にならん!!!魔力を乗せるのをやめんか」


「へっ?」


俺が訳が解らず素っ頓狂な声を出すと、精霊さんが、またしても話し出した。


「・・お主では無い、背負っておる赤ん坊に言っておる」


・・・何でも、さっきの魔法、俺の魔法に赤ん坊の魔力を乗せて放たれた魔法でその所為であの威力になったらしい。しかも、魔力量は魔法を得意とする精霊より赤ん坊であるフウが今の段階でもう既に上らしい・・・


「はっきり言って、さっきの魔法のほぼその赤ん坊の魔力で放ったからな」


そう言われた・・・(´;ω;`)とにかく練習の時に魔力をのせるなと何度も精霊さんは言い聞かせた・・・赤ん坊に・・・本当に伝わっているのかと疑問に思ったが、次放った火はいつものマッチと同じ火しか灯らなかった・・・


・・・練習の為に、魔力を乗せる事を赤ん坊はしなくなったが・・・1人じゃ俺の魔法じゃ前にすら飛ばせてすらいねえ・・・・何だよ・・・マッチの火ってさっき放たれた魔法と雲泥の差じゃねえか・・・・


そして、肝心の赤ん坊の世話だが、それは俺だけがした。村の中にいる妖精や精霊だが、身長は十数cm、でかくなっても、数十cm位で基本手に小さく・・・しかも性格が自由奔放で自由に動き回って遊んでいる為、赤ん坊の世話何て出来ないみたいだった。容姿は様々な色の髪をしていてきれいなのだが・・・


始めに会った精霊は特別だったのだろう・・・彼女の身長は俺とちょっと低いか同等の大きさを持っていた・・・俺は小さくないぞ・・・周りがでかすぎるだけだ!!


その精霊さん(呼び方を聞いたら、そう言えと言われた)は結構な世話好きで赤ん坊の世話もしようかと本人から言ってきたのだが・・・


俺が世話をしなければ奴隷にする教育が出来ないだろうが!!絶対にやらせん!!!


・・・・まあ、今は周りに妖精の目がいるから本当に普通の世話しか出来ないけど・・・


ちなみに与えた食事は蜂蜜、果実、食べられる草の出汁を与えていた。


(注意:蜂蜜には腸内菌がいる為、乳児には与えてはいけません、現実ではまねしない様に)


そうこうしている内に一カ月・・・


「きゃっきゃ!!」


俺に背負われながら練習用の的を自分で魔法を放ち、一瞬で吹き飛ばす赤ん坊が居た・・・


なあ、この一カ月で何があった・・・?


「ほう、もうこれだけの精度で魔法を使えるようになったか、フウは、それに比べて・・・」


俺は火を魔法で出した・・・手のひらサイズの火が一瞬出たと思ったら消えた・・・一応進歩しただろう大きさが!!!


「火を前に飛ばせない段階で論外だ!!!」


「お父、がんば」


赤ん坊に慰められる俺・・・ぐうの音も出ません・・・ちなみにこの時から片言だけど喋れるようになっています・・・・・こんなに赤ん坊の成長って速かったっけ?


それから更に一カ月後・・・


「・・・であるからして」


俺達は魔法の講義を聞いている・・・いや俺達では無いな・・・フウが聞いている。


「・・・ってなあに?」


「・・・とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・である」


やべ全然わからん!!というか赤ん坊に話す内容じゃねえだろうが常識的に考えて!!・・・普通そうだよね?・・・


・・・ちなみに俺は話が全然分かんないので寝ています・・・・・


かたや赤ん坊で頭脳明晰、かたや大人で凡人・・・どうしてこうなった!って赤ん坊で頭脳明晰って何だよ!!まだ言葉すら話せない時期じゃないのかよ!!確かに成長スピード速いなあって思ってたけど!!


・・・もう、教育も含めて全部任せた方がいいのかなあ、ある時それを精霊さんに言うと・・・フウが泣き出した・・・。


「はあ・・・お主は少し親としての自覚を持った方がいいぞ」


そんな事を言われても、俺・・・この子の教育なんてできないし・・・


「・・・この子が成長が速いのは知っておろう、なのにお主から離れない理由を考えたことは無いのか?」


それは赤ん坊だから・・・


「はあ・・・とにかく、始めにお主が世話を全部すると言ったのだ、やってもらうぞ!!」


そして、それから半年、赤ん坊は様々な上級魔法や精霊さんのオリジナル魔法、様々な魔法を習得していった・・・。


・・・俺は・・・察してくれ・・・。


そんなある日・・・


「のう、フウ・・・お主もう自分の足で歩いたらどうだ・・・」


そんな事を言ってきた・・・おい、まだフウは赤ん坊だぞ!!


「・・・言おう言おうと思っておったんじゃが・・・多分結構前からフウは自分の足で歩けるようになっていると思うぞ・・・」


えっそんなわけないじゃないか・・・なあ、フウ?


「・・・これ以上強くなるには森の外に出なくてはいけない、フウだけならまだしも、ムウはまだ、森の外には絶対に出れん!!」


まあな・・・はっきり言われるとへこむ・・・


「お主らが以前、街に戻ると言っておったが、今の強さのままでは、この男を守りながら、外には出られんぞ・・・」


俺が守られるのは決定事項なんだな・・・


「のう、ムウ、もう諦めてこの森で住むという事は・・・」


「絶対に嫌だ!!!」


何でだよ!!まだ奴隷一人も手に入れてないんだぞ!!!夢のハーレム生活の第一歩すら進めていないんだぞ!!!!諦めてたまるか!!!


「・・・という訳じゃフウ、お主が強くならければ恐らくこの男すぐ死ぬぞ・・」


ぐさ!!俺の心に100のダメージ


「多分フウの助けが無ければ魔物に会っただけで死ぬ、多分ゴブリンだろうが死ぬ」


ぐさ!!!俺の心に更に100のダメージ


「しかも、この付近に居るのがドラゴンと言った大型の魔物だ。この男がここまで来れたのは単に運が良かっただけ奇跡と言ってもいい・・・もはや、2度目は無い」


・・・へへもう受けるダメージすら・・・


「だから、赤ん坊のお主が強くなるしかない!!」


あかんぼう・・・ぐさ!!!俺の心に1000のダメージ・・・俺赤ん坊にすら頼らないといけないのか・・・


俺が心のダメージで這いつくばっていると・・・


「・・・解った・・・」


そう言って、俺の背中から降りて歩いて精霊の所に行った・・・はあ?お前本当に歩けてたの???


俺が口をパクパクしていると・・・


「今日から外で特訓じゃな」


そう精霊さんが言った。なあ・・・俺に対するフォローは無いの・・・?


それから、更に半年・・・フウは様々な魔物を狩ってきた・・・10mを超えたドラゴンを狩って来た事もあったなあ・・・ははは・・・・・・・・・・


なあ・・・俺、この子の父親名乗ってていいの?

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