第394話 限界近し

【 慎太郎・美波・牡丹 組 3日目 AM 0:54 砦内『大蛇』陣地 】



「あっ…♡すごい…♡みんな逞しい…♡もっと…♡もっとして♡」


「ヘヘッ、お前淫乱な女だな!!!どうだ俺のは!!デケェだろ!!!」


「いいからさっさと終わらせろよ!!早くマワせ!!」



ーー美波と牡丹が慎太郎をクンカしている時、砦内の『大蛇』たちが陣取る一室にて男が順番に女を輪姦している。だが決して強制的に行う強姦では無い。女は食糧を得る為に『大蛇』に身体を売ったのだ。



「ヘッ、アイツらサカってんなァ。でもあの女ガバガバだったぜ。普段から簡単に股開いてんだろアレ。つーか、葛西はヤんなくていいのか?」


「あんな女とヤル気なんざしねーよ。俺はあの上玉とヤリてぇんだよ。」


「あー、あの激マブか。なかなか堕ちねぇな。他の女は明日にでも堕ちそうなのに激マブちゃんは顔色もイイしな。」


「チッ…!!ちゃんとあの上玉んトコから食糧奪ったんだろうな。オイ、菅原ァ!!!」


「は、はいっ!!!」



ーーパンツ一枚で順番待ちをしていた6班班長の菅原が急いで葛西の元へ行く。



「オイオイ菅原勃起してんじゃねぇかよ!!テメェキメェよ!!」


「あ、すんません…!」



ーー『大蛇』の正規メンバーである津村に茶化され菅原が恥ずかしそうな顔をする。



「菅原ァ、テメェんトコの班にいるマブイ女からちゃんと食糧回収したんかよ!!」


「えっと…マブイってなんすか…?」


「イイ女がいんだろテメェんトコによ!!」


「あ!!はい!!!ちゃんと男から回収しました!!!」


「んだよ回収してんのかよ!!!」


「すいません!!!」



ーー菅原は葛西が怒っているのでとりあえず謝る。



「なら腹減ってるはずだよな?なんで平気そうなんだ?あの男だって重労働させてんのに顔色悪くねぇぞ?食いもんなんかあるわけねぇんだしよ。どうする?無理矢理ヤッちまうか?」


「まァ待てや。あの男が邪魔なんだな。オイ、菅原ァ。明日あの男を外に連れて来いや。」


「お?男殺っちまうのか?」


「あァ。めんどクセェの嫌いだからよ。あの野郎を殺しちまえば上玉はこっちに来るしかねぇだろ。」


「あのフード被ってる女はどうすんだ?」


「ツラ見てヤレそうだったらコイツらにマワしてやりゃあいいだろ。ブスなら一緒に殺す。」


「ブハハ!!ヒッデェなそれ!!」


「オイ、菅原ァ!!朝イチで連れて来い。5時ぐれぇなら人目にもつかねぇだろうからな。」


「了解っす!!あの…あっち戻っていいすか?」


「オメェどんだけヤリてぇんだよ!!」


「ヘッ、戻っていいよ。好きなだけヤッて来いや。」


「あざっす!!」



ーー菅原がウキウキしながら男たちが輪姦している場所へと戻って行く。



「なァ、葛西。俺にも激マブちゃんヤラせてくれよ?」


「しゃあねぇなぁ。でも俺ん後だぞ?」



ーー葛西らが下衆な会話に花を咲かせる。

こうしてそれぞれの夜が更けていった。




********************




朝5時前。俺は寝ている美波と牡丹の顔を見ながらカロリーメイトをかじっている。やっぱりこの2人は超絶可愛い。牡丹はフードで顔が隠れているはずなのに可愛いさが全然隠れきれていないし。襲いかかりてぇなぁ。


ーーそんな悶々としている慎太郎だが牡丹が急に目を覚ますので心臓がドキンとしてしまう。



「ぼ、牡丹!?どうした!?」


「誰か来ます。」


「え?」



牡丹が言うので俺は感覚を研ぎ澄ます。本当だ。こちらへ向かって何者かがやって来るのを感じる。俺は牡丹のフードを深く被せ、立ち上がる。そうしていると角の先から男がやって来る。



「オイ、テメェ!!いつまで寝てやが…何だ起きてやがったのか。」



角を曲がってくるやいなや菅原がオラついた態度で怒鳴り散らして来るが俺が起きているのが想定外だったのだろう。出鼻をくじかれた菅原はバツの悪そうな顔をして大人しくなる。



「こんな朝から何の用だ?」


「馬鹿野郎!!テメェの働きが悪ィから作業が全然進んでねぇだろ!!!テメェは今から作業だ!!!こっち来いや!!!」



俺がぶっきらぼうな態度で接したのが気に入らなかったのだろう。菅原のボルテージが上がり怒鳴り散らして来る。

…本当にブッ飛ばしてぇんだけど。俺の堪忍袋の緒は壊れちゃいそうですよ?危険だよ?


ーー本当に危険なのは牡丹だけどな。慎太郎をここまでコケにされてるから女の子がしちゃいけない顔をしてるからな。怒りの波動がオーバーフローしかかってるからな。



「…わーったよ。それじゃ行って来るから待っててね。」


「…わかりました。お気をつけて。」


「オラァ!!!女とイチャついてんじゃねぇぞテメェ!!!」



ーーアカン。慎太郎はまだ耐えられそうだがもう牡丹が持たないなコレ。


…我慢だ慎太郎。こんな兄ちゃんにキレたってしゃあねぇよ。俺は大人なんだからもっと心にゆとりを持とう。


ーーそう自分に言い聞かせながら慎太郎は菅原の後について外へと向かうのであった。




ーー



ーー



ーー




「…何あの人。なんかムカムカするなぁ。」



ーー菅原が怒鳴り散らしているので寝ている美波も当然起きる。美波もたいそうご立腹だ。



「…美波さん、私はタロウさんの後を追います。こんな時間にタロウさんだけ連れて行くのは変です。何か企てがあるような気がします。」


「うんっ、わかった。食糧持って2人でウロウロすると目立つもんねっ。牡丹ちゃんに任せる。」


「ふふふ、ありがとうございます。必ずや殺り遂げて参ります。」



ーーおい。字がおかしいぞ。



「お願いねっ!」


「心得ました。では島村牡丹、参ります。」



ーー殺る気マンマンの牡丹が気配を消して慎太郎の後を追う。さぁ、どうなってしまうことやら。

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