第316話 新体制
夕方、見慣れた茨城の地へと帰って来た俺たち。やっぱり地元が一番だな。それにしても疲れた。長時間の運転は楽じゃない。
程なくして、俺の住処であるマンションへと到着し、愛車を駐車場へと泊めて自室へと向かう。カードキーを通して解錠される時の音が心地良い。1日しか留守にしていなかったのにとても懐かしく感じてしまう。そしてドアを開き、自分の家の匂いが感じられるとなんとも言えない安堵感に包まれる。
「さーて、帰って来たな。いやー、疲れた。」
「ふふふ、ご苦労様でした。凝っていると思いますので後でほぐして差し上げますね。」
…美波のエロさとは違うけど牡丹の言い方もなんか唆るよね。溜まってんのかな。昨日処理しなかっただけなんだけどな。
「おう、ありがとう。さて、みく。改めて、今日からここがみくの家だ。あるものは遠慮しないで何でも使ってな。飲み物でも食べ物でもあるものは好きに飲み食いしてくれ。家にルールは無いけど、遠慮するのは家族じゃないからそのつもりで。」
「ふふっ、タロウさんは色々なお茶とか集めてるから珍しいお茶もたくさんあるからねっ!」
「お菓子もいっぱいあるんですよ!」
「お酒も集めてくれればいいんだけどね。」
「わかった!ウチは遠慮せーへんで!んじゃ、ウチにあるものなんでもええんなら…タロチャン頂きっ!!」
そう言いながらみくが俺に抱きついて来る。みんなから一瞬殺気を感じたが、昨日説得した成果が出たのかすぐに収まった。でもあんまり過度には抱きつかれないようにしよう。限界突破させて牡丹に刺されでもしたらヤバいからな。
「はいはいはいはい。とりあえず一服しながら今後の話でもするか。みんな、何が飲みたい?」
「いえ、私がやります。タロウさんは座っていて下さい。」
俺がキッチンへ行こうとするとすかさず牡丹が俺を制止する。
「大丈夫だよ。いつも牡丹と美波がやってくれてるんだからたまには俺がやらないとな。」
そう言って俺は牡丹の頭を撫でる。ちゃんと牡丹を限界突破させないように気を配る俺って超有能。
「わかりました。ではお言葉に甘えさせて頂きます。」
「おう。牡丹は…コーラでいいよね?」
「ふふふ、はい。」
そう。意外かもしれないが牡丹はコーラが大好きだ。ていうか炭酸飲料が大好きだ。俺も炭酸飲料大好きで、炭酸飲料を飲まないと生きていられない程の中毒者だ。見た目は緑茶や紅茶を好みそうなのだが、俺と趣味が同じなのには驚いた。牡丹とは趣味が合わない点を探すのが難しい。
「美波は「コーラでお願いしますっ!!!」」
「あ、はい。」
なんだか知らんが食い気味にコーラを主張するな。美波は紅茶が好きなんじゃなかったっけ?
「アリスは「コーラでお願いします!!!」」
「あ、はい。」
アリスまで食い気味にコーラを主張する。アリスはオレンジジュースが好きなんじゃなかったっけ?
「楓さんは「ワインでお願いします!!!」」
「うん、コーラね。」
「ワイ「コーラね。」」
「ワ「コーラね。」」
「…はい。」
全くこのダメープルは本当にダメダメだな。
「ちび助もコーラにしてみるか?」
「ぴぴっ!」
「お、挑戦してみるか。わかった、わかった。」
ちび助はなかなかチャレンジャーだな。でもトマトジュース飲むくらいだからアリかもしれないな。
「みくは…何が好きだ?割と何でも揃ってると思うよ。」
「ウチもコーラ大好きやからそれでえーかな?みんな飲むなら無くなっちゃう?」
「ふっふっふ、安心しろみく。コーラは冷蔵庫に3本は常に冷やしてある。無くなる事など皆無だ。」
「流石タロチャン!!」
「そんじゃみんなコーラね。待ってて。」
俺はグラスを出して氷を3個程それぞれの中へと入れて行く。家に着く前にエアコンを起動させておいたから部屋は涼しくなっているが夏のコーラには氷は必須だ。それがまた美味しさを引き立たせる。そして俺と牡丹のにはレモンを軽く搾って完成だ。見ているだけで喉が乾く。
「ほいよ、お待たせ。コレとコレは俺と牡丹の。他は同じだからどれでも好きなのでね。」
「えっ?何か違うんですかっ?」
それに美波がいち早く反応する。
「ふふふ、私とタロウさんのにはレモンが入っているのです。」
ーー牡丹が勝ち誇った顔で説明する。それを理解した他4名が一斉に慎太郎に迫る。
「私にもレモンを下さいっ!!」
「お願いします!!」
「私にはワインかラムを入れて下さい♪」
「ウチにもレモン!!」
「お、おう。てか、さりげにカクテルにしようとしてる人いるけど入れませんからね。」
ーー慎太郎が手際よくそれぞれのグラスにレモンを搾る。それをすると皆は満足そうな顔を見せる。
「さてと、それじゃ改めてみくが新しく加わった事に乾杯としよっか。そんで歓迎会…はみんな疲れてるからまた後日な。今日は出前にしよう。」
「そんな贅沢ええって!!ウチはこんなキレーなお家に入られるだけで満足や。」
「今日ぐらいいいじゃん。いつもは美波とアリスと牡丹がご飯作ってくれてるから節約してるよ。」
「うーん…そんならたまになら…甘えちゃおうかな…ありがとな、タロチャン!!で、ウチも明日から参加する!料理は結構得意やで!!」
「本当かー?なんか不安なんだけど。」
「ちょいちょいちょい!!ウチは出来る子なんやで!!甘くみたらあかんで!!」
「そうですよ?みくちゃんを侮っちゃダメです。」
意外な所で楓さんがみくを擁護する。
「信じられない事に彼女は鴇ノ丘学園に通ってたんですから。」
「待った!!なんかその言い方引っかかるんやけど!?楓チャン、ウチの事バカにしとるやろ!?」
「え!?鴇ノ丘!?みくが!?みくですよ!?何かの間違いじゃ!?」
「ちょっと!!タロチャンも酷すぎない!?」
マジかよ。鴇ノ丘って東大に学年の3分の2は行くって超名門じゃん。そこにみくが?この若干残念な子が?
「みくちゃん、凄いんだねっ!」
「うー!美波ちゃんは優しいなぁ!良いお嫁さんになるで。」
「お、お嫁!?そ、それはその…タロウさんの…その…」
久しぶりにブツブツ言ってる美波はスルーしよう。
「タロチャン、ウチの事バカにしとるけどこの前の全国模試3位やったんやで!!」
「マジか。すげーな。」
「ふふーん!ウチの事見直した?惚れ直した?」
「はいはい。ん?牡丹は模試どうだったの?」
みくと同じ学年なんだから同じ模試受けてるはずだよな。そういえば結果聞いてなかったぞ。
「あまり自分の結果についてひけらかす事はしたくなかったのでお伝えしていなかったのですが、タロウさんのお陰で全国1位になる事が出来ました。」
「いっ、1位…!?」
「マジか…流石は牡丹としか言えないな。」
「いえ、全てはタロウさんのお陰です。暗記が不得意の為、英語と社会科が今まで苦手だったのですが、タロウさんに教えて頂いた内容は何故か全て頭に残っているので満点を取る事が出来ました。」
ーーそれはただ単に慎太郎の言葉は一言一句全て脳と耳に焼きついているからだろう。
「あら、2人とも凄いじゃない。」
楓さんがニコっとしながら牡丹とみくを讃える。
「楓さんは学生時代どうだったんですか?てか高校はドコだったんです?東大なら凄いトコですよね?」
「楓チャン東大なん!?凄いなー!!」
「ウフフ、ありがとう。みくちゃんだってその学力なら普通に入れるんじゃない?あ、私は高校は雛鳥学園です。」
げっ、東の超名門お嬢様学校じゃん。この人家柄も良いのか。完璧超人じゃん。
「うわぁ!すごいお嬢様学校出身なんですねっ!」
「私も存じております。やはり楓さんは凄い方なのですね。模試の結果も良かったのですか?」
「うーん…自慢するみたいで嫌なのだけど、小学校の時から模試で1位以外は取った事無かったわね。」
「す、凄いですね…!?」
「流石は楓さんっ…!!」
「凄いです!!」
バケモノじゃん。牡丹やみくもバケモノだけど楓さんは完璧人外じゃん。俺なんか模試なんて500位以内に入ったのが最高だぞ。格が違うなぁ…
「このクランって顔だけやなくて頭のレベルも高すぎやん…美波チャンは大学生だよね?美波チャンはドコ大なの?」
「私は茨城中央大だよっ!」
「うわぁ…やっぱりみんなレベル高いやん…」
「ふふっ、楓さんには全然及ばないけどねっ。」
「そんな事無いわよ。英語に関してなら茨城中央大の方が全然上じゃない。」
「ありがとうございますっ。私は英語大好きだったのでそっちの道に行こうかなって思ったんです。」
「美波さんも模試の結果は良かったのですか?」
「みんなみたいに凄い順位じゃなかったかな。高3の時は全国順位100位以内ぐらいだったし。」
それでもハンパないんですけど。俺なんて高3の時は5000番台なんですけど。
「それならもっと上を目指しても良かったんじゃないかしら?確かに英語は茨城中央大が一番だけど勿体無いと思っちゃうわ。」
「うーん、茨城から出たくないっていうのもありましたから。後悔は全然ありませんよっ!…タロウさんと同じ大学だし。」
「て事はタロチャンも凄いんだよねっ!?てかタロチャンってお仕事なにしてるの??きっと凄いお仕事なんだよね!?こんな凄いマンションをその若さで持ってるんだし!!」
みくが羨望の眼差しで俺を見ている。吐きそうなんだけど。
「……家庭教師。」
「え?」
「…家庭教師です。茨城中央大です。高3の時の模試は5000番台。C判定だったけど運良く受かったんです。」
「……。」
ーー嫌な沈黙が続く。
だがその中で牡丹が怪訝な顔で口を開く。
「それはおかしいですね。上から物を言う言い方になってしまいますが、タロウさんの指導は素晴らしいです。私は身をもってそれを体感致しました。人に教えるには3倍理解していないと駄目だと言います。そこから考えてもタロウさんの知識量でその結果は異常としか言えません。」
ーー牡丹の慎太郎贔屓と言えなくも無いが、言っている事に筋は通っている。
「まー…なんていうかさ…俺ってメンタル弱いじゃん?定期テストなら結果出せるんだけど模試はダメなんだよ。緊張しちゃって力を出しきれ無いんだよね。特に多肢選択式だと尚更。高校の時は特に酷くてさ。あはは。」
「そうだったのですね。いいんですよ。メンタルが弱くても気になさらないで下さい。あなたは何も頑張らなくても私が何とかしますので。」
「その言い方やめて。俺が惨めになる。」
「あははっ!タロチャンの状態はわかったけど家庭教師って儲かるんやね。その若さでこんなキレーなマンション買えるんやもん。」
「若さって。そんなに若くは無いぞ。ま、この歳でこのマンション一括で買えるってのは確かにあんまりいないだろうけど。」
「若くない…?タロチャンって何歳なん?」
「34。」
「…は!?34!?34ってあの34!?34歳!?その見た目で!?」
「おう。」
「見えへんから!!なんやその見た目!?妖怪やん!!楓チャンより下かと思ったで!?」
どういう意味だそりゃ。頼りないってか?頼り甲斐ナシ男ってか!?
「なんか話が逸れたけどみくはドコの高校通うんだ?行きたい所でいいぞ?学費は俺が全部持つから。」
「ノンノンノン!ウチはバイトするで!ウチが自分で選んだ道なんやから迷惑はかけられへん。ちゃんと学費も生活費もタロチャンに渡す。今はお金無いから制服代とかは立て替えてもらう事になっちゃうけど。」
「そんな事気にしなくていいよ。」
「それはダメ。ケジメは大事やもん。」
「んー。みくは明日から家事の手伝いをしてくれるんだよね?」
「もちろん!」
「ならそれがみくの仕事なわけだ。それならそれに見合った給料を出すよ。」
「…タロチャン何言ってんの?そんなん住まわせてもろてんやから当然やん。お給料なんかもらわれへん。」
「それはダメだ。ケジメだからな。」
「…タロチャン、ズルい。」
「あはは。みくはさ、苦労して来たじゃん。だからそろそろ休んでもいいんだよ。俺がその手助けを出来れば嬉しい。」
「…タロチャン優しすぎや。」
「ここにいる子たちにだけだけどな。」
「タロチャンに甘えてもええ?」
「おう。どーんとこい!」
「それじゃよろしくお願いします。一生懸命家の事やらさせてもらいます。」
「こちらこそお願いします。んじゃこれでこの件は終わりな。次は高校をドコにするかだな。」
「なら牡丹チャンと同じトコがえーなぁ!」
「私とですか?」
「友達と一緒のトコに行きたいやん!牡丹チャンは嫌?」
「いえ、みくちゃんが一緒なら嬉しい限りですが私は雉ノ森学園ですよ?茨城一高の方が偏差値が高いのでみくちゃんならそちらの方が良いのではないかと。」
「うーん?ウチは別にこだわりは無いなぁ?牡丹チャンと通いたいし。それに雉ノ森学園で牡丹チャンは全国1位やろ?」
「それはタロウさんのお陰です。」
「なら尚更やん。タロチャンに勉強教えて貰えば高校なんてドコでもえーもん。ね、タロチャン!!」
「俺が出来る事ならなんだってするよ。みくが行きたい所に転入すればいい。」
「そんじゃ決まりね!牡丹チャン、よろしくね!」
「わかりました。よろしくお願いしますね、みくちゃん。」
「ま、転入試験に受かればの話だけどな。」
「タロチャン!!酷いよ!!」
ーー室内に笑い声が響き渡る。ほのぼのとした良い光景だ。
「それじゃ現実世界の問題はとりあえずこれで解決かな。次はオレヒスでの話だ。」
「一昨日みくちゃんの待遇をクラン預かりに変えた時にマイページで運営に言われた事が本当なら私たちとしてはかなり有利になりますね。」
そう、楓さんが言う通りかなり有利になる。
今までは5人だったから2人と3人に分かれていたが、クラン預かりとしてみくが加入し、6人になった事でイベントのスタート時に必ず半分半分に分かれる事が確定したらしい。俺たちにとっての心配はなんといってもアリスだ。ゼーゲンも無いし、アルティメットも持っていないアリスが2人側に回ってしまうと無理をして魔法を連発する可能性が高くなる。俺たちとしてはそれはなんとしてでも避けなければならなかった。その悩みが解消されるのは本当にありがたい。
「そうですよねっ!3人でスタートできるのが確定してるなら心強いですっ!みくちゃんのおかげだねっ!」
「ふふーん!ウチが加入したのならもうこのクランは安泰やでー!この前はちょっとカッコ悪い所を見せちゃったけどスキル使えばウチは強いんやから!」
「そういえばみくのスキルってなんなの?聞いてもいい?」
「ええよ?タロチャンにならなんだって教えるよ…?ウチのスリーサイズも…」
ーーまたみくが慎太郎にくっついて身体を押し付けてくる。
「はいはいはいはいはい。で、スキルは?」
「むー!なんか不満やけど…ウチのスキルはメインスキルがアルティメット2枚にSSが1枚。サブスキルはレアが1枚にコモンが1枚。アルティメットは時空系が2枚で、《風成》と《吸収》ってのだよ。こんな感じかな?」
「おぉ!時空系2枚か!なんか凄そう。《風成》って牡丹の《水成》の親戚かな?」
「言葉の響きから考えてそうだと思います。」
「牡丹チャンも”5元素”使いなんや!」
「”5元素”使い…?それはなんでしょうか…?」
「知らん?時空系って確かに強力なんやけど格が存在するんよ。中でも風、火、土、水、空の力を扱える”5元素”は別格なんや。」
「へー、知らんかった。」
「その中でも『空』は更に特別らしいで。天体の力を扱うって話みたいやし。」
それはヤベーな。隕石とか降らせたり出来たら速攻で全プレイヤー死亡やん。
「そんでな、これはネットでも未確認やから存在するか疑わしいんやけど、時間に作用を与えるスキルもあるらしいで。時空系が時間と空間に作用させるスキルって事なんやから眉唾やあらへんと思うけど見た事も聞いた事もないからなぁ。」
「あ。それは絶対あるよっ。だって、私を解放した時にタロウさんが捧げたスキルが《巻戻し》っていう時間を戻すスキルだったから。」
「ええっ!?ホンマに!?」
みくが俺をガン見してくる。今考えればハンパないスキルだったわけだよな。
「おう。使った事無いから効果は体感してないけどな。」
「やっぱタロチャンは凄いで…普通はそんな凄いスキル手放すなんてでけへんもん。」
「美波だからやっただけだよ。あ、もちろんみくでも同じだぞ?楓さんだって、アリスだって、牡丹だって同じ状況だったら俺はなんだって差し出す。それに対する後悔なんて微塵もない。俺にとってここにいる面子は自分の命よりも大事な存在だからな。」
ーーとまあ、こんな恥ずかしい台詞をしれっと述べる慎太郎。そしてそれを聞いて胸をキュンキュンさせる女子陣。上手くバランスが取れている。
「《吸収》ってのは文字通りダメージ吸収してくれる感じ?」
「せやね。ウチが死ぬぐらいのダメージまでは無効で、それを超えた分はダメージとして喰らう感じかな。」
「それ凄いな。無敵に近いじゃん。ちゃんとスキルを使いこなしてれば。」
「ちょいちょい!!やっぱタロチャンってウチの事バカにしとるやろ!?」
「あはは!みくは面白いなー。流石関西人。」
「うー!なんか納得いかへん!タロチャン頭撫でて!!」
「はいはい。」
ーーだがこうやってイチャイチャを他の面々に見せつける事でストレスが溜まる。特に牡丹の。それを上手くフォローしないと惨劇が起きる可能性がある事を慎太郎は肝に銘じる必要がある。
「みくの力は実戦で見るしかないとして、みく。シーンに関してだけど、俺たちはローテーションで回してるんだ。美波とアリスは一回終わってて、次は楓さん、牡丹、俺の順になっている。みくの番は俺の前でいいかな?」
「ウチ最後でえーよ?タロチャンちゃんと自分の番にやりなよ。」
「俺は大丈夫だよ。だから遠慮するな。」
「そんじゃ甘えちゃおうかな。」
「おう。」
つーかさ、全然シーンやれてないよね。過去の改変が目的なのにバトルしかやってねぇんだけど。マジ、クソゲーじゃん。
「そんじゃこれで会議は終了ね。これかもみんなで頑張ろう。」
「はいっ!」
「ええ。」
「はい!」
「はい。」
「ぴっ!」
「おー!」
ーーこうして慎太郎たちは新体制を確立した。しかし次のイベントの脅威をまだ慎太郎は知らない。これからの過酷さ、強大さを慎太郎はまだ知らない。
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