ガルガンチュワの小人

作者 偽田中一郎

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★★★ Excellent!!!

愛しあって、そして簡単に交わることのできなかった二人の物語です。

彼は死んで、彼女と触れ合える体を手に入れた。彼女の生まれ変わりを信じて。
彼女は生きて、永遠に生き続ける体を手に入れた。彼が生まれ変わっていることを信じて。

どこか西洋の童話を思わせるような世界観と、切ないとは少し違う、喪失感の混濁した感情。

きっと絶望の中に眠る希望ほど美しいものはない。
どれほど惨たらしく終幕したとしても、その希望だけは誰にも汚されることなく、永久に眠り続けるから。


簡単には予想できない展開と、冷たいようで、暖かくなる感情に多分あなたは惑わされる。

★★★ Excellent!!!

童話を意識されたという本作品には、かなしいという言葉は見当たりません。
それでいて、その愛のプロローグから喪失までを丁寧に描かれているので、読者がそれぞれ、思い思いに作品を味わうことができます。
種族の差?
その命に差はあるのか?
あるんですね、だからガルガンチュワは……。
変わらないのは愛の記憶です。
触れ合いたかった、でも触れ合えなかった。
むしろ、思い出だけになってしまっている。
だから、置いて去るものと、置き去りにされたものとのすれ違いや、かなしみが、どっと押し寄せてくる。
これは、日本の将来を暗示しているようです。