3.来訪者
ノックの音がした。
嫌な予感がした。
時間は深夜。キィハは屋根の上で
俺達がいるのは旅先の
俺は念のため
「……
小さな声で尋ねる。
「上の階に宿泊しているバークリィと申します。夜分遅くにすみません。少し伺いたいことがありまして」
意外な人物だった。
「……明日にしてもら」
えませんか、と続ける前に錠の落ちる音がした。刹那、ドアが勢いよく開き何かが飛び込んできた。
それは
俺は背中に冷たいものが走るのを感じた。
これは……立ち回りを
長物との近接戦での
「……ジャム・ストライド。重要参考人として同行願いたい」
バークリィは真剣な表情でそう言った。
ちょっと待ってくれ。話が見えない。
「……人にものを頼む時は、
俺のジョークを無言で返し、再び
一枚板で出来ていたテーブルの天板は
「キィハ! 戻れっ!」
騒音ついでに俺は叫んだ。キィハを呼び戻す。今夜の
男が
ジジッ! と地味な音を立てる。それで十分だった。
俺は床に転がった
「……
「……被害者、を……切断したのは、お前たちなん、だろ……」
被害者?
切断?
この男は一体、何の話をしているんだ?
そしてこのタイミングで窓から滑り込むようにキィハが部屋に戻ってきた。音も無く着地し、散乱した部屋を困惑した表情で見渡す。
「……これはどういうことですか? ご主人様」
「なあに、ちょっとした話し合いさ」
すれ違ったままだけどな。今のところ。
俺はキィハにウインクをして見せたのだが、彼女は微塵も笑わなかった。
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