ノストラダムスの子どもたち

青山済

第1話 目覚め

声がした。


「・・・よ」


その声は、初めはかすかに聞き取れる程度だったが、徐々に強くなった。


「・・・めよ」


声が強くなると同時に、脳内に様々なイメージが駆け巡った。


東北にあるキリストの墓、地球に降りてくるUFO、半獣半人の怪物、額に第三の目がある人間、海中に没する巨大大陸...


声はさらに強くなった。


「目覚めよ!!」



...気付くと息切れしていた。


8畳1Kのアパートで目を醒ます。大学生、一人暮らし。


時刻は午前5時。日の出は過ぎているが、まだ街は眠っている。


それにしても何だったんだあの夢は。オカルト雑誌を凝縮したような内容だった。


しかも目覚めよ!って...キリスト教系の宗教団体みたいだ。


とりあえず歯でも磨いて二度寝するか。何しろ今夜は忙しい。体力を温存せねば。


今夜は、ワルプルギスの夜なのだから。


こうして2019年4月30日は始まった。

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