第7話 自由を謳歌する

父が家を出てからは、母は働きに出始めた。

小学生の頃などは、長い休みは、ほぼ祖母の家で過ごしていた。


小学生も高学年になった頃には、年に1度友人と海外旅行に行ったり、月に何度か呑みに出掛けるようになった。

呑みに行くときに、何度も一緒につれて行かれた事もある。

その度、母は泥酔し、私と姉とで家に連れ帰っていた。

姉と留守番する日も、食事は、私が支度をした。


中学1年が半分くらい過ぎた頃、母は自由を謳歌しすぎ泥酔したあげく、階段から転げ落ち、朝方に呑み友だちに担がれて帰ってきた。

前歯を折り、右腕を骨折していたが、大事には到らなかった。

そして次の日からは、仕事へ行った。

そして、その日から骨折が完治するまで、食事の支度、洗濯や掃除は私の仕事となった。

中学2年の姉に仕事が分担される事はなく、私がやるのは『当たり前』、姉がやるのは『ありがとう』と言う事らしかった。

私は家政婦としてしか必要ではないのだろうな、と感じ始めていた。

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