じいの小言
また、じいの小言が始まったのです。
「姫! またお城を抜け出して! どこに行っておられたのですか! 王より姫のお世話を言いつけられている、このじいの身にもなってください! 今度という今度は許しませんぞ!」
それから、じいは言うのです。
「……という台詞を、じいは一度でいいから言ってみたいので、今日こそ城を抜け出すのです! さあ、姫!」
「嫌です」
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