(モノローグ・マルゴ)マルゴ始動
俺はケイゴを助ける決心をした。
決心をしたのは、唯一無二の親友を失い、ヤケ酒をして泣いたあの夜だった。
俺は親友を取り戻す。できることをやらないで、後悔などしたくはない。俺は二度とあんな不味い酒は飲まないと誓った。
(……レジスタンスを結成する)
ミッションは一つ。『バイエルン様を助け出して、ハインリッヒを引きずり下ろす』
リーダーは俺だ。当然、失敗すれば殺される。サラサも許されはしないだろう。
貴族に喧嘩を売るのだ。
それは、自分だけではない。サラサという妻を命の危険に晒す行為でもある。
サラサすまん。だが俺には、親友を見捨てることなどできん。
そして、そのことをサラサに打ち明けたら。
「何よ、水臭いことを言わないでちょうだい。ケイゴを助けるなんて当たり前のことじゃない」
彼女はそう言った。
そして彼女は商人として、財力面でバックアップしてくれると言ってくれた。俺の店にある武器防具だけでは足りない。ポーションも必要だ。持久戦となれば、食料も必要だ。
俺はすぐに、ジュノとエルザにも協力を依頼した。エルザは宿をアジトに使って良いといってくれた。彼女にも思うところがあったのだろう。ジュノは大きな戦力だ。
歓楽街のママにも声をかけた。ユリナを可愛い娘のように思っているママからは全面的なバックアップの約束を取り付けた。歓楽街は侮れない。女たちのつながりは強く。女たちに骨抜きになっている男も多い。
俺には武器屋という職業柄、馴染みの冒険者が沢山いる。ヒヨっ子の頃から面倒をみている奴などを数えればキリがない。俺は信頼の置ける冒険者に声をかけた。
(……不思議と失敗する気がしないな)
冒険者たちと話していると、バイエルン様は意外にも好かれているようだ。その他の町の者にもだ。バイエルン様は、権力の座から身を引いた後も、町の者に丁寧に迷惑をかけたことを謝罪して回っていたらしい。
近頃は、姿が見えなくなって皆心配していたそうだ。
皆、バイエルン様がハインリッヒに軟禁されていることを明かすと憤慨していた。
ケイゴに命を助けられた冒険者も、ケイゴがハインリッヒに狙われ、町を追われたことを知ると、怒りに手を震わせていた。
(……そうだ。俺は一人じゃない!)
俺は町の皆との『しがらみ』の中にあるのではない。『つながり』の中にあるのだと知った。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
みなさんこんにちは! ここまでお読み頂きありがとうございます🐔
(作者のモチベになりますので本作が気に入ったら、☆、♡、お気に入り登録、応援コメントよろしくお願いします🐉 書籍、コミック、ニコニコ漫画での連載も宜しくです🐕)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます