k-163
それから俺たちは、水辺からちょっと登った高台で生ウニ料理を食べながらキャンプをすることにした。マーマン肉も手に入ったのでソテーも作ろう。
俺は焚き火を起こして切り株椅子を並べる。ドラム缶風呂にも入りたいので、風呂も沸かす。キャンプまわりには念のためアンクルスネアを設置しておく。
今日は生ウニのパスタに挑戦してみようと思う。パスタはタイラントで仕入れたものを使う。パスタをゆでつつ、生ウニでソースを作る。
ソースは塩、ニンニク、生ウニ、バルゴの果実酒というシンプルなものだ。それを茹でたパスタにかけて、最後に生ウニを贅沢にのっけて完成だ。
マーマンのソテーは、仕入れた香草で香りをつける。
俺とユリナさんは作りたての生ウニのパスタを食べた。
パク……。
ドドーン!!
俺の背後に雷光が走る。
俺ですら、硬直するほどの美味さだった。アッシュが足で俺の膝をタシタシするのでアッシュ専用のお皿に分けてあげた。
マーマンのソテーも改良の甲斐あってかなかなかの味だ。
俺はエールを一気に飲みほす。ユリナさんは上品にバルゴの果実酒をグラスで飲んでいる。
俺とユリナさんは、心ゆくまで生ウニのパスタをおかわりして堪能した。
レディーファーストということで、先にユリナさんにタオルと石鹸を渡し、風呂に入ってもらった。
ユリナさんが風呂から上がると入れ替わりで、俺もドラム缶風呂に入ることにした。
ザブン。
ふー。体の芯から温まる。
俺もさっそく石鹸を使ってみた。体中がスッキリして気持ちい。
ドラム缶の横には、サイドテーブルを置き、蒸留酒にグラス。
肴はグラスの塩水に入れた生ウニの刺身だ。ウニ最高。
俺は、風呂につかり、蒼い月を見上げながら、月に乾杯した。こんなにも美味い酒があって良いのだろうか。
風呂を上がり、ウインドで髪を焚き火の前で乾かしていると、ブルーウルフたちが寄ってきた。
俺はブルーウルフたちにも残り湯をかけて洗ってやり、ウインドで乾かしてあげた。
それから、大量に採って余った生ウニとマーマン肉を食べさせてあげることにした。
「どうだ美味いだろ?」
俺の問いかけにブルーウルフたちは尻尾をブンブン振っておかわりを要求してきた。
生ウニは刺身にもして食べたが、いかんせん量が多い。食べ切れなかった分は塩漬けのビン詰めにし、保存食にすることにした。
俺はこの場所が少し気に入った。近くに村もあるし、何より水を好きなだけ使える。
しばらく、ここでキャンプでもしよう。ウニやマーマン肉の他に魚もいる。
特に目的地があるわけでもなく、むしろ人里にはなるべく近づかない方がいい。辺鄙な場所でアウトドアキャンプをしていた方が、むしろ安全なのではないかとすら思うからな。
夜も遅くなり、俺とユリナさんは歯を磨いたあと、暖かい幌馬車の中、同じ布団に入り、体を温め合った。
ユリナさんの体から石鹸の良い匂いがする。俺はユリナさんにお休みのキスをしてから眠りについたのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ということでウニ料理回でした。利尻に仕事で行った帰りにウニ丼食うとかやってた作者ですが、書いててマジで飯テロだなと思いますわ……。
あと改稿してて長くなったんで分割しました。
(作者のモチベになりますので本作が気に入ったら、☆、♡、お気に入り登録、応援コメントよろしくお願いします🐉 書籍、コミック、ニコニコ漫画での連載も宜しくです🐕)
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