k-114

 さあ、幸せな時間の始まりだ。


 料理の下準備と催し物を披露するための、何よりもメインイベントのための舞台の設置を俺たちは進めた。


 舞台を見れる位置にブルーシートを広げ、料理を並べられるようにする。切り株椅子とテーブルも丁度良い場所に設置する。


 料理は俺が丹精を込めて育てた締めたてのハーブ鶏の刺身。部位はレバー、ハツ、砂肝、ささみ。串で焼き鳥も作る。今日は特別な日だ。出し惜しみはなしだ。


 シカと牛が丸々一頭。今朝解体したばかりの各部位の肉を荷馬車で運んできたそうだ。それに恐らくサラサの店で取り扱っている中でも一番の高級酒。こちらも楽しみだ。


 アッシュはサラサにもらった牛の骨付き肉に夢中になっている。


 そんな感じで俺たちが結婚パーティの準備をしていると、見知らぬ銀縁眼鏡が家にやってきた。



 「○▲……×○■▲! 」



 兵士二名を連れている。このような特別な日になんという無粋な奴だ。


 丁度シカ肉ステーキを作ることにひと段落したマルゴが、門前で何かを言っている銀縁眼鏡に対応する。


 どんどん顔が青くなっていくマルゴ。


 銀縁眼鏡がキラーンと光ったような気がした。鍛冶小屋の軒先に置いてあるファイアダガーにツカツカと近寄っていく。


 マルゴが止めようとするが、お構いなしだ。


 なぜか俺は、この傲慢な振る舞いにデジャヴを覚えた。


 ここは俺の家なのだが。日本ならば住居侵入罪で通報しているところである。


 銀縁眼鏡は俺の作成したファイアダガーを手にして、その変の薪に突き刺して発火させた。


 おい! 火事になったらどうしてくれるんだこの野郎!


 ついでに放火罪でも通報してやるか? 鬼の首をとったかのような表情をする銀縁眼鏡。


 視線を下におろし、真っ青な表情をしているマルゴ。


 ……しゃあないな。


 俺は仲裁に入ることにした。


 トゥカリュスの刺身というアルティメットウェポンをもって。


 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 みなさんこんにちは! いつもお読みいただきありがとうございます。


 アルティメットウエポン=トゥカリュス=アユの刺身を投入した主人公でした。


 魚(アユ)の名前はマンガの必要に駆られてつけて、それがカクヨム版の方に輸入されたみたいな経緯で名前がつきました。


(作者のモチベになりますので本作が気に入ったら、☆、♡、お気に入り登録、応援コメントよろしくお願いします🐉 書籍、コミック、ニコニコ漫画での連載も宜しくです🐕)

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